ゴドルフィンの主戦として世界中で活躍
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ウィリアム・ビュイック騎手が2019年11月16日(土)~12月23日(月)まで短期免許を取得した。身元引受調教師は美浦の木村哲也氏。契約馬主は株式会社フクキタル。
ビュイック騎手は、1988年ノルウェーで生まれる。父は騎手、母は馬術選手というホースマンに囲まれた家庭で育った。
イギリスでデビューし2006年に初勝利を挙げると、2008年には重賞初勝利。この年にイギリスの見習い騎手チャンピオンに輝いた。2009年にはカナダのE.PテイラーSでGⅠ初制覇を果たし、のちにイギリスの名門「ジョン・ゴスデン厩舎」の主戦騎手として活躍の場を広げていった。
2014年からは、ドバイのモハメド殿下が率いる競馬組織「ゴドルフィン」のイギリスとUAEにおける主戦騎手に。それが影響してか、ゴドルフィンの専属調教師のチャーリー・アップルビー厩舎の馬に騎乗することが多い。
ゴドルフィンにおける主な実績としては、2017年ジャックホブス、2018年ホークビルに騎乗して自身ドバイシーマクラシックを連覇。2018年にはイギリス、アイルランド、フランス、アメリカ、日本、香港、UAEと世界7か国のGIで勝利。その中には、マサーでのイギリスダービー制覇も含まれている。
2019年5月に落馬負傷して約3か月休養したが、復帰後は14馬身差をつけてバーデン大賞を勝利したガイヤース、来年のクラシック最有力候補のピナトゥボに騎乗してデューハーストSを勝利し、GIで5勝あげている。
初来日は、2012年に日本で開催されたワールドスーパージョッキーシリーズに参戦した時だった。短期免許は2013、14、18年に取得。2018年のマイルチャンピオンシップでは、ステルヴィオに騎乗しJRAでGI初制覇を果たした。
今回の来日では、ウーマンズハートで阪神JF、トリプルエースで朝日杯FSに参戦することが発表されている。日本のゴドルフィン所属馬に騎乗する機会が増えそうだ。
169cmの長身を生かした力強いフォームが特徴のビュイック騎手。何より強く印象に残っているのは、初GI制覇となったマイルチャンピオンシップでの出来事だ。スタートが遅く、後方からのレースを強いられてきたステルヴィオに騎乗するにあたり、先行するレースをしたいと陣営に提案し、それをやり遂げ見事優勝まで導いてみせた。
こうした技術の高さは世界から、そしてゴドルフィンから評価されている要因なのだろう。