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【天皇賞秋】GⅠ馬10頭が集結 京都大学競馬研究会は二強を信頼

2019年天皇賞秋の2強ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

GⅠ馬10頭集結

10月27日(日)に東京競馬場で行われる天皇賞(秋)(GⅠ 芝2000m)。毎日王冠を圧勝したダノンキングリーが出走しないのは残念であるものの、GⅠ5勝馬アーモンドアイをはじめ、世代最強の呼び声高いサートゥルナーリア、昨年のダービー馬ワグネリアンなどGⅠ馬が10頭も集結した。その中でもとりわけアーモンドアイ、サートゥルナーリアの二強が世間で取りざたされているが、二頭に死角はあるのか。まずは以下のデータから見ていきたい。

東京実績は重要

過去10年の天皇賞(秋)の優勝馬を調べたところ、10頭中9頭は東京競馬場で行われたオープンクラスでの優勝実績があった。

天皇賞秋優勝馬の東京実績ⒸSPAIA

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例外はジャスタウェイのみで、本馬は明らかに天皇賞(秋)で本格化したと考えられるため度外視してよいだろう。この条件は2、3着馬にも当てはまり、20頭中例外は4頭のみである。

すなわち、東京実績はよほどの理由がない限り必要であると言える。アーモンドアイはこの条件をクリアしているが、サートゥルナーリアは満たしていない。しかし、サートゥルナーリアが東京で走ったのは日本ダービーのみであり、相当イレ込んだ上での出遅れ、大外をぶん回したことを考えると大きく気にする必要はないかもしれない。

3歳馬は人気次第

次に3歳馬の成績を見ていく。表は過去10年の3歳馬の成績を示したものだが、ここ10年で勝ち馬はいない(グレード制導入後の3歳での優勝はバブルガムフェローとシンボリクリスエスのみ)。

天皇賞秋過去10年の3歳馬の成績ⒸSPAIA

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馬券に絡んだ3頭は全て4番人気以内であり、1番人気が2頭いた。また、4番人気以内の馬は最低でも6着で大負けしている馬はいない。以上のことから3歳馬がとりわけ不振というわけではないだろう。

また、挑戦した3歳馬で世代最強と言える馬はおらず、その中でこの成績なら、人気が予想されるサートゥルナーリアは十分通用するだろう。

外枠は不利

次に枠順別成績を見ていこう。

天皇賞秋過去10年の枠順別成績ⒸSPAIA

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東京芝2000mは外枠不利というのが定説だが、やはり天皇賞(秋)でも外枠の成績は芳しくない。過去10年で7、8枠からは勝ち馬が出ておらず、特に8枠はかなり厳しいと言える。逆に内枠や真ん中の枠の成績は3枠を除き好成績であり、4枠は驚異の成績を誇る。二強は1枠及び5枠に入ったので枠順の面からの不安はないだろう。

本命はアーモンドアイ

以上を踏まえて本命はアーモンドアイ。東京実績は申し分なく、1枠2番に入り死角はさらに少なくなった。前でも中団でも運べる器用さを持ち合わせており、能力も高い。休み明けでも問題なく結果を出している馬であり、無理に逆らう理由もないので本命に推したい。

対抗はサートゥルナーリア。面白くない予想で申し訳ないが、実力は申し分なく神戸新聞杯では持ったまま菊花賞馬以下を完封し圧勝した。皐月賞、ダービーでしのぎを削ったダノンキングリーが毎日王冠で圧勝したことを考えても、間違いなく力は足りている。東京実績がないため2番手評価としたが、そう簡単には崩れないだろう。

3番手評価にはアエロリット。この馬は典型的なサウスポーの東京巧者であり、ペースを自ら刻めることも大きい。距離が長いと懸念されているが、毎日王冠では抜かれても食い下がっており、併せる形なら粘り込めるはず。また、この馬が2000mで走ったのは秋華賞のみで、その敗因を右回りだとすれば、左回りの2000mならあっと言わせる場面があってもいい。

以下、東京巧者のスワ―ヴリチャードとワグネリアンまで印を回したい。前者は出遅れが不安だが、逆に出遅れさえしなければ東京では馬券内を外しておらず、十分勝負になる。後者は東京で2戦2勝。ここ2戦は順調に使えず小回りで右回りと条件も合っていなかった。東京に戻っての一発に期待したい。

ダノンプレミアムは前走の大敗が精神的にこたえていないかが不安材料。いくら不利を受けたとはいえあまりにも負けすぎで追われても全く伸びなかった。強豪がそろった中で激しい競り合いになったときに、トラウマで馬自身がやる気をなくしたら再び大敗もあり得る。距離も若干長く、マイルCSの方がいいように思えるので評価を下げたい。(文:川崎)

天皇賞(秋)
◎アーモンドアイ
〇サートゥルナーリア
▲アエロリット
△スワ―ヴリチャード
×ワグネリアン
消ダノンプレミアム

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《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。