過去5年で4頭のGⅠ馬を輩出
かつて、いちょうSという名称で親しまれたサウジアラビアロイヤルC(GⅢ・芝1600m)は、エアグルーヴやメジロドーベル、イスラボニータなどのGⅠ馬を輩出した歴史がある。2014年に重賞に格上げされ、2015年からは現レース名で施行されるようになった。
重賞に格上げされて以降5年間のうちに、いちょうSではクラリティスカイ、サウジアラビアロイヤルCではブレイブスマッシュ、ダノンプレミアム、グレンアレグリアの勝ち馬4頭が、後にGⅠウィナー(2015年に優勝したブレイブスマッシュはオーストラリアに移籍後にGⅠを勝利)になっている。これはまさに、出世レースと呼ぶにふさわしい。
そんなサウジアラビアロイヤルCを馬場適性の観点から予想を行っていく。今回は「サウジアラビアRC」のレース名になった過去4年のデータから、馬券に絡んだ馬たちがどのようなレースをしたのか見てみよう。
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全体的には好位につけて前目でレースを運んだ馬と、中団の7、8番手からレースを進めた馬が馬券に絡んでいる。道中14-16という通過順位だったステルヴィオが2着となった2017年の例もあるが、開幕週に行われるレースといこともあり、基本的には好スタートを切りしっかりと流れに乗ることが大切だ。続いて上がりタイムについても見ていく。
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2015年のレースでは、勝利したブレイブスマッシュと2着のイモータルが33.4、3着のアストラエンブレムが33.0という末脚を繰り出し、この時期の2歳馬としてはかなりの瞬発力が要求されるレースとなった。しかし、近2年のダノンプレミアム、グランアレグリアはともに34秒台の上がりで、強い馬が先行してそのまま押し切るというレースを見せている。
優勝馬の上がり平均は33.9ながらも、能力が抜けている馬が出走してくるのであれば、無理に逆らわない方がいいのかもしれない。だが、3着の平均上がりを見ると34.2となっている。34秒台の上がりしか使えない馬でも台頭できていることから、長くいい脚を使うタイプも馬券に入れておきたい。