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【スプリンターズS】京都大学競馬研究会の本命馬はこの距離専科の3歳馬

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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

スプリンターズステークス予想展開・傾向

9月29日(日)にスプリンターズS(GⅠ 芝1200m)が行われる。 今回、マルターズアポジー・ラブカンプー・モズスーパーフレアといった逃げ馬がそろったことから前半のペースはかなり速くなりそう。そうなると大事になってくるのは勝ち時計。前が速くなると後ろの馬にチャンスがあると思われがちだが違う。実は時計が速すぎると、いくら前半のペースが速くても差し届かないケースが多いのだ。

例を挙げてみると2019年のオーシャンステークスは前半の600mが32.7秒と非常に速いペースだった。しかし、勝ち時計は1.07.1とかなりの高速決着だったために馬群が縦長で前が止まらなかった。

なので勝ち時計の予想も大事になってくる。先週の馬場を考えると9月21日(土)のセプテンバーステークス(3勝クラス)の勝ちタイムが1.07.6だったことからも良馬場なら1分7秒台前半決着が予想される。そうなると、後方からの馬は積極的には買いにくいのだが、今週末は雨の可能性もあり何とも悩ましい状況だ。

前半のペースが速くなると勝ち時計によって逃げ・先行馬の成績がどのように変わってくるのか、そのデータを見ていきたい。

前半3F33.0秒以下で4角5番手以内の馬の成績ⒸSPAIA

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上表のデータは、過去10年の中山競馬場1200m戦、3勝クラス以上において前半3Fが33.0秒以下だった時の先行馬の成績だ。1分7秒台で決着するような高速馬場の場合は先行有利だが、時計がかかってくると先行馬の成績は下がっている。前日・当日の馬場を確認することも大切といえそうだ。

本命は3歳では珍しい1200m専科

ディアンドル
3歳馬で1200mしか使ったことのない馬は今までに記憶がない。この距離にこだわっていることが分かる。ここまで1度も連を外していないのも好評価に値する。レース内容もかなり評価できるものであり古馬相手のGⅠでも期待できそう。

この馬が強いと思ったのが、まずは前走の北九州記念。例年、北九州記念は1分7秒台前半の高速決着になるが、今年は1.08.2と少し遅かった。レース全体のラップは
11.5-10.1-11.1-11.7-11.7-12.1(32.7-35.5)
と前半は例年のように速く、時計がややかかっていたということは終盤でバテていることが分かる。

つまり、差し馬が有利だったということ。その証拠に後方で競馬していたダイメイプリンセス、アンヴァルが1・3着という結果。ただ、ディアンドルは内で先行して2着を確保。まさに先ほど挙げた表のように前には厳しい条件だったことを考えると強い競馬だった。

次に評価したいレースが2歳時のクリスマスローズS。この時の勝ちタイムが1.08.5でレースラップが
11.8-10.5-11.2-11.6-11.3-12.1(33.5-35.0)
だったが、そもそも2歳時の1200m戦において前半3Fが33秒台になることは結構珍しく、厳しいレースで好走したということは強い証拠といえる。

現3歳馬の中で、2歳時でかつ前半3F33.5秒以下で勝ちタイムが1分9秒以下だった馬は、このディアンドルのみ。しかもこの週の中山競馬場は小雨が降っていてやや時計のかかる馬場状態だったことを考えると、相当優秀。時計が速くなっても心配はないだろう。

またこのレースの個別ラップに注目すると、ディアンドルのラスト3Fが推定11.3-12.1-11.5に対して、同じ上がり3F34.9だったヤマチョウヴォイスの個別のラップが推定10.9-12.0-12.0。

同じ上がり3Fでもディアンドルはラストも加速していて余力があることが分かる。 今回の斤量が3歳馬なので53キロと軽いのも有利だし、オッズ的な妙味を考えてもこの馬から入るのが一番面白い。

対抗は?ダノンスマッシュの評価は?

タワーオブロンドン
前走のセントウルSでは圧巻のレコード勝ち。あの走りは素直に評価したい。2走前のキーンランドカップでは1、3、4着馬が全て馬場のいい外を回ってきた馬で決着する中、唯一内から2着に飛び込んできた。

対抗に落とした理由としては、前走は直線で追い風の中、前半3Fを33.0のハイペースで、先行馬にはかなりきつい流れだった。

注目したいのは直線での馬群。通常、高速馬場の時は縦長になり、先行馬が粘るケースが多いが、セントウルステークスでは直線で馬群が詰まっており、差し馬にとってはおいしい展開だった。なので今回は再度そんなおいしいことは起きないだろうと思い、対抗評価とした。

ファンタジスト
前走はタワーオブロンドンと同じセントウルSに出走。ハイペースながら2着に粘っており、やはりこの距離が合っている。2走前の北九州記念は調子が良くなかったのではと思うようなレース内容だっただけに度外視してもいい。

そもそもこの馬は3歳牡馬の一線級とやり合ってきた。皐月賞のメンバーは言わずもがなだが、2着だったスプリングステークスには、のちのダービー馬やこの秋活躍が期待される3歳牡馬が結構いるメンバーだった。

デビュー2戦目の小倉2歳ステークスは差し決着の中、先行して圧勝しており、1200mでの実力は相当なもの。

ダノンスマッシュ
最後に人気の一角であるこの馬を押さえておきたい。なぜ押さえまでに落としたかというと、能力は上位も中山適性が未知な点。戦績を見ても分かるように直線に坂のあるコースでは未勝利戦以外結果が出ていない。前走は外伸び馬場で、外からうまく差せた感もありあくまで押さえまでにした。(文・ケータロー)

推奨買い目
単勝◎
馬単◎→〇▲△
ワイド◎-〇▲

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《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。