Cコースに変わって接戦が増える
先週日曜日、オールカマー当日の中山競馬場はフリーパスの日だったということに加えて、生ビール半額というイベントも行なっており、多くの観客で賑わっていた。撮影のためにパドックとスタンドを何度も往復する度、すれ違うビールを手にした観客たち……。
仕事中なので飲むわけはないが、幾度となく襲いかかるビールの誘惑に打ち勝ち、オールカマーの予想も馬連を何とか的中。帰宅後に美味しいビールを飲もうと誓ったものの、疲れて爆睡。改めて体力が必要な仕事だと感じた週末だった。
そんな中山開催も今週で最終週。締めくくりとして秋のスプリント王決定戦、スプリンターズS(GⅠ・芝1200m)が行われる。春秋スプリント王の座をかけて挑むミスターメロディ、サマースプリント王者タワーオブロンドンなど好メンバーが揃った。
いつものように、先週末の馬場傾向と過去のスプリンターズSの上がりタイム、そして出走馬の適性から予想を行っていく。
先週末に中山競馬場で行われた芝のレース結果は以下の通りとなっている。
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スプリンターズSと同じ芝1200mは2レースしかなかったが、土曜日のセプテンバーS(3勝クラス)ではエスターテが1:07.6というタイムで勝利。速い時計がマークされた。この馬場状態が続けば、GⅠレベルではさらに高速決着になることが予想される。
勝ち馬の上がりタイムは、日曜日の芙蓉S(オープン)でオーソリティがマークした33.8が最速だったが、ほとんどが34秒台の決着で平均すると34.4というタイムとなっていた。コーナリングが得意で、なおかつ速い上がりを使える馬が有利だと言えるだろう。
最後に脚質も見ておこう。先週からCコースに変わったことで内と外の差がなくなり、接戦のレースが多かった印象だ。写真を撮る側からしても、入線後にターフビジョンを確認しないと、勝ち馬が取れているか分からないほどだった。
逃げが3レース、先行が5レース、差しが4レースという内訳になっていたが、どの馬が勝つかは紙一重で、脚質面での有利不利はないだろう。
9番手以内を追走する差し馬が有利
続いて過去10年(2014年は新潟開催だったので除外)のスプリンターズSの上がりタイムを分析していく
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2018年は稍重だったものの、それ以外の年は全て良馬場で行われた。勝ち馬の上がりタイムをみると、9年中6回が上がり33秒台の決着となっており、平均しても33.8というタイムだった。
2着馬の平均は34.1、3着馬は33.9となっているが、1着馬の上がりと比較してもほとんど差はなかったので、素直に速い上がりを使える馬を信用していいのではないかと考える。
では、3着以内に入った馬の通過順位はどうだったのか、振り返ってみよう。
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勝った馬に限ってみると、9番手以内を追走した差し馬が6頭、10番手以下から勝利したのは2017年に勝利したレッドファルクスのみ。2着馬に至っては4コーナー通過時に7番手以内を追走していた馬だった。先行馬に注目しつつも、過去の傾向からは基本的には差し馬から狙うべきレースと言っていいだろう。
中山の急坂はプラスに働くタワーオブロンドン
今回はGⅠレースということもあり、多くのデータがほしいので、3着以内になった際の平均上がりタイムを比較する際には、1200m〜1400m戦に限ったタイムを抽出してみた。その結果、推奨するのは以下の6頭。
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過去10年の勝ち馬の平均上がり33.8に最も近かったのはタワーオブロンドンとリナーテの2頭。しかし、坂のある中山コースの適性を考慮してタワーオブロンドンを上位に取りたい。
リナーテは、広い東京コースや北海道の洋芝コースを問わず安定した33秒台の上がりを使えるのが魅力だが、中山コースへの適性はタワーオブロンドンに劣ると考える。
平均上がり34.2で3番目に近かったのは、レッツゴードンキ。2017年のスプリンターズSでは2着という経験もあり、実績は十分。7歳を迎え、ベストは1400mかもしれないが、まだまだ侮ることはできないだろう。
春のスプリント王者ミスターメロディは、前走のセントウルSでは8着と敗れているものの、明らかにひと叩きという印象を受けた。狙ったレースではきっちりと仕上げてくる藤原英厩舎だけに、好状態で出走してくるだろう。
人気を集めることが予想されるダノンスマッシュは平均上がりが34.7と、他馬と比べて見劣っている。直線に坂のあるコースで好走実績があるのは、2戦目の未勝利戦のみ。それ以外で馬券圏内に入っているのは、全て平坦コース。実績と勢いを考えれば無印にするわけにはいかないが、馬券妙味を考えると押さえまで。
▽スプリンターズS予想▽
◎タワーオブロンドン
○リナーテ
▲レッツゴードンキ
☆ファンタジスト
△ミスターメロディ
△ダノンスマッシュ
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