重馬場では差し決着が目立つ
月曜日に行われたセントライト記念は、リオンリオンが勝利。騎乗した横山典弘騎手は2週連続の重賞制覇となった。検量室前で馬が引き上げてくるのを待っていると、父のバレット的なサポートもしている横山和生騎手もうれしそうな表情で父を出迎えた。そしてその後は、競馬学校時代の同期である松永幹夫調教師とガッチリ握手。まさに全員でつかみ取った勝利だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
今週末の中山競馬場では、オールカマー(GⅡ・芝2200m)が行われる。昨年の覇者レイデオロ、前走で香港のクイーンエリザベス2世Sを勝利したウインブライトが秋緒戦を迎える。力通りの決着となるのか、穴馬の台頭があるのか、いつものように馬場適性の観点からレースを分析していく。
先週の中山競馬場の芝コースでは3日間で17レースが行われた。土曜日と日曜日は良馬場での競馬となったが、日曜日は午前中に雨が降り、重馬場でレースが行われた。
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開幕週に行われた京成杯オータムハンデキャップでは、1:30.3というレコードが出るほどの高速馬場だったが、それに比べると2週目は平均的な時計の決着が多かったように感じる。
しかし、月曜日の最終レース(1勝クラス)では重馬場ながら1:08.4というタイムが出ていることからも、馬場が乾けば速いタイムが出てもおかしくない馬場だと言えるだろう。
勝ち馬の上がりは、水分を含んだ重馬場でも33秒台の上がりがマークされているように、展開次第では速い上がりが要求される馬場になる可能性も秘めている。ただ平均すると全体では34.8、良馬場時の平均も34.8、月曜日の重馬場の時の平均は34.9と上がりには変化が見られなかった。
脚質別では、10レースが逃げ・先行決着と引き続き前に行った方が有利な馬場ではあるが、雨で馬場が悪くなると差しも決まっている。今週末もスッキリしない天気予報で雨が降る可能性があるので、しっかりと馬場状態を見極めて馬券を購入したい。
過去10年の傾向からは上がりがかかる
続いて過去10年のオールカマーの上がりタイムを見てみよう。
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2014年は新潟競馬場での代替開催となったためデータからは除外しているが、それ以外の9年を見ると34秒以上の上がりで勝利している馬が7頭と目立つ。平均上がりを見ても1着34.4、2着34.6、3着34.7と全体的に上がりがかかる傾向が見られる。
また重馬場で行われた2012年のレースで1着となったナカヤマナイトの上がりは35.9、2着のダイワファルコンが36.2、3着のユニバーサルバンクが36.0となっており、今週末に雨が降るようであれば、36秒前後の上がりがかかってもおかしくはない。
週末の天候と先週の馬場状態、そして過去10年の傾向を総合して考えると、過去10年の優勝馬の上がり34.4を基準としながらも、道悪適性と長くいい足を使えるタイプを重視して狙ってみたい。
前走の勝利は大きな収穫
今年の出走馬の中で注目したい馬は5頭。
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上がり平均34.4に最も近かったのは34.5だったミッキースワロー。2走前のエプソムCでは稍重で大敗していただけに、道悪は苦手なのかと思ったが、前走の七夕賞では稍重に加えて、福島の力の要る馬場で勝利できたのは大きな収穫だった。中山2200mという条件もセントライト記念1着、AJCC2着と実績は十分なので、再度狙ってみたい。
上がり平均34.7だったのはレイデオロ。3歳時には日本ダービー、昨年は天皇賞・秋とGⅠ2勝の実績からも力は最上位。昨年のオールカマーでも勝利しており、コース実績は問題ない。稍重の有馬記念で2着にはなっているものの、本質的には道悪は得意ではないと考えており、その点だけが不安材料だ。
ウインブライトは、知っての通り中山巧者。前走は香港に遠征し、強力メンバーの中で1:58.81のコースレコードでGⅠホースとなった。5歳になって本格化しており、今回も期待して良さそうだ。長くいい足を使うタイプなだけに、雨が降っても対応できると考える。
その他、上がり平均は35.3と遅いが、クレッシェンドラヴは重馬場を得意としている。前走の七夕賞の内容からも着実に力を付けているので、2200mという距離と道悪馬場という条件が重なれば好走する可能性はありそうだ。
スティッフェリオは上がり平均は35.4と遅いが、先行してしぶといタイプ。ベストは1800〜2000mかもしれないが、馬場が合いそうでぜひとも押さえておきたい一頭だ。
▽オールカマー予想▽
◎ミッキースワロー
○ウインブライト
▲クレッシェンドラヴ
☆レイデオロ
△スティッフェリオ
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