開幕週でも差し届く
札幌開催の開幕週に行われるクイーンS(GⅢ・芝1800)。近2年の勝ち馬は2017年がアエロリット、2018年はディアドラとGⅠ馬が名を連ねている。今年はGⅠ馬の出走こそないものの、ミッキーチャーム、フロンテアクイーンなど重賞で実績を挙げている馬が出走する。秋の古馬牝馬路線を占ううえで重要なレースでもあり、見逃せない一戦だ。今週は開幕週のため、先週の馬場傾向は比較できないので、過去のクイーンSの傾向と出走馬の馬場適性から予想を組み立てていく。
まずは、過去10年で3着以内に入った馬が使った上がりと通過順位について見ていこう(開幕週に行われなかった2009年、2012年、2014年、そして函館競馬場で行われた2013年は除外)。
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勝ち馬の平均上がりは34.8と洋芝らしく、上がりがかかっている。しかし、近3年では2016年のマコトブリジャールが33.8、2018年のディアドラが33.7を使って勝利している。そうしたことから、34.8を基準としながらも、34.9以上上がりがかかる馬場で実績を挙げている馬を狙うよりは、小回りコースで速い上がりを使った経験がある馬を狙うほうがいいだろう。
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続いて過去10年の通過順位を見てみると、開幕週らしく先行馬が8頭と最も多く3着以内に入っているものの、差し馬が7頭、追込馬が3頭と後方からの差しも届いていることが見てとれる。
今年のメンバー構成を見ると、エイシンティンクル、ミッキーチャーム、リリックドラマなど先行馬がそろっていることからも、スローペースにはならないのではないかと考える。ペースが流れるようであれば、今年も差し馬の出番は十分ありそうだ。
思い切ってミッキーチャームは無印に
これらのデータを踏まえたうえで、ピックアップしたのは7頭。
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その中で最も条件に当てはまったのが、カリビアンゴールドだ。現在は3勝クラスと格下だが、3歳時には紫苑Sで2着という重賞実績がある。馬券に絡んだ10回中8回が小回りコース、北海道の洋芝コースでも(1,3,1,0)と全て馬券に絡んでいる。加えて小回りコースでの上がり平均は34.8と条件にぴったりと当てはまる。
スカーレットカラーは全体の上がり平均と小回りでの上がり平均が全く同じ34.9だった。こちらもコース形態を問わず、安定した末脚を使えるタイプなだけに評価できる。2走前のように先行しても結果を残しており、自在性のある脚質は小回りコースでもプラスに働くだろう。
ウラヌスチャームは、前走の中山牝馬Sで2着となるなど力をつけてきている。小回りでの上がり平均は34.6と過去10年の平均より0.2速いが、2着馬の平均が34.5、3着馬の平均が34.7というデータが出ていることから、高い評価としたい。
フロンテアクイーンは、今年の中山牝馬で待望の重賞初制覇を果たした。前走のヴィクトリアマイルは馬場が合わず10着に敗れたが、今回は昨年2着になっている得意の舞台。斤量56kgにはなるが、小回りでの平均上がり34.9というデータを信頼したい。
サトノガーネットは、小回りコースで馬券に絡んだのは前走の五稜郭Sが初めてだったが、全体の上がり平均が34.5、前走の上がりが34.4とコース形態を問わず安定した上がりタイムでまとめられる強みがある。2連勝中の勢いに期待したい。
ダノングレースは小回りでの平均は35.0とやや遅いが、前走の福島牝馬Sでは3着と重賞でも十分戦える力をつけてきた。また、ミッキーチャームは先行力があり、実績は文句なしと、それぞれ魅力はあるがいずれも小回りでの平均上がりが35秒台ということで、今回は思い切って無印とする。
▽クイーンS予想▽
◎カリビアンゴールド
○スカーレットカラー
▲ウラヌスチャーム
☆フロンテアクイーン
△サトノガーネット
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