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あのレース結果を見ればクイーンSは当たる? 東大HCの本命は強力データに合致するあの馬

2019年クイーンSで東大ホースメンクラブ本命のフロンテアクイーンⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

めっぽう強い中山牝馬S、福島牝馬S好走馬

7月28日(日)に行われるのは、クイーンS(GⅢ・芝1800m)である。このレースは札幌開催の開幕を告げる牝馬限定重賞である。GⅠでの好走実績がある馬から、上がり馬まで多様なメンバーが集うこのレースで狙い目になるのはどういう馬なのか。データを見ながら検討していく。

クイーンSには直近の6年連続で通用している鉄板のデータがある。それは「同年の中山牝馬S、福島牝馬S好走馬が来る」というものだ。

クイーンSと同年の中山牝馬S、福島牝馬S好走馬の成績ⒸSPAIA

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上の表は2013年以降のクイーンS出走馬のうち、同年の中山牝馬Sまたは福島牝馬Sで3着以内に入っていた馬を全て示したものである。大半がこのクイーンSでも好走していることが見てとれる。11頭中8頭が馬券に絡んでいるのも優秀だが、マコトブリジャール(9番人気)や15年メイショウスザンナ(7番人気)など人気薄の勝利があり、配当妙味も非常に高い。本命はどちらかのレースで3着以内だった馬から選ぶのが鉄則だろう。

ゆとりのあるローテーションが吉

前項のデータでかなり絞り込めたが、他のデータも見てみよう。

クイーンSと同年の中山牝馬S、福島牝馬S好走馬の成績ⒸSPAIA

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前走からの出走間隔に注目すると、中9週~半年が他のグループを圧倒している。有力馬がヴィクトリアマイルから直行してくるケースが多いとはいえ、6月以降に出走している馬はやや不甲斐ない成績だ。特に前走マーメイドS組に関しては、先述した「中山牝馬Sまたは福島牝馬Sの3着以内馬」を除くと[0-1-1-23]と極めて成績が悪い。スカーレットカラーは中山牝馬S、福島牝馬Sに出ておらず、試練の一戦になりそうだ。

前走の大敗は参考外

メンバー中、今年の中山牝馬Sまたは福島牝馬Sで3着以内だったのはフロンテアクイーン、ダノングレース、ウラヌスチャームの3頭。いずれも出走間隔中9週~半年に合致する。

この中から本命はフロンテアクイーンにした。1800m重賞での実績は最上位。前走ヴィクトリアマイルは内有利の馬場状態に加えて前半1000m通過56.1という超ハイペースで、大外18番枠から外を回され続けたこの馬にとって極端に不利なレースだった。大敗で人気が多少なりとも落ちるなら絶好の狙い目だ。

対抗はダノングレース。2走前に好メンバーがそろった初音Sを勝利しており、前走で牝馬限定のGⅢなら通用するメドは立てた。前走はスローペースの後方から強引にまくっていく競馬で3着に敗れたが、脚力の高さとコーナリングの巧さは示せたといえる。

ミッキーチャームは陣営が中山牝馬Sの敗因を輸送と考えているようだ。裏を返せば、輸送不安のない滞在競馬に替わるのは大きなプラス材料だろう。実際、昨年の夏も函館、札幌で3連勝と完璧な成績を残している。ここも順当に走ってくるはずだ。

上記以外で穴として面白いのはエイシンティンクル。昨年の関屋記念で3着があるように平坦コースの軽い馬場では安定して走る。最終的な判断は当日の馬場傾向次第になるが、同馬のようなスピードタイプの逃げ馬に騎乗する武豊騎手は非常に怖い存在だ。

▽クイーンS予想▽
◎フロンテアクイーン
○ダノングレース
▲ミッキーチャーム
注エイシンティンクル

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。