開幕週でも外枠有利
先週の福島では久しぶりに面白いと思った名前に遭遇。新馬勝ちした馬で、その名も「オヌシナニモノ」。横文字のしゃれた名前もいいが、こういった和風な名前は心を和ませてくれる。
しかし、相変わらず予想の方は外れてばっかりで全く和まない。本命に推したミエノサクシードは大外枠からすぐインに入れる好騎乗もあったが、ちょっとさばくのに苦労したこともあって4着。それ以前に、データ上では苦戦のはずだった3歳馬にワンツーを決められてはどうしようもない。空模様も馬券も湿ったままである。
今週、7月28日(日)に新潟で行われる重賞はアイビスサマーダッシュ。新潟名物・直線競馬で行われる超スプリント戦だ。直線競馬は枠順や直線競馬の適性に左右されるため、コーナーを曲がるほかのレースとは一線を画している。
とはいえ、このレースを勝った馬がサマースプリントチャンピオンの座に輝いているケースが多いことを考えると、単純に適性だけではなく、実はスプリント戦全般の総合力も問われるレースなのかもしれない。
やはり最初は直線競馬といえばこのデータ。枠順である。内枠不利、外枠有利はもはや定説だが、馬場が荒れてきた開催後半になってより顕著になる印象がある。このアイビスSDは開幕週だが、枠順に差が出るものなのかを調べてみた。
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18頭立てでフルゲートの場合、7、8枠に3頭入るので勝つチャンスは高くなるのだが、率を見ても外枠有利がはっきり出ている。アイビスサマーダッシュなどは、8枠が5勝に対して、1枠は連対すらしていない。この原稿は枠順発表前に書いているのでそれを加味できないのが残念だが、狙い馬が外枠に入った場合は意を強くしていいだろう。
若い世代が活躍
超スプリント戦ということで、反応がよい若い世代が有利ではないかと思い調べてみたが、思った通り、傾向も5歳以下が6歳以上よりも好成績。
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またスプリントレースでは定番ともいえる小柄より大型の法則だが、この直線競馬でも生きているようだ。
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あとデータ的に目についたのは前走着順。夏場は「格より調子」ということで、前走で掲示板入りした馬の方が、掲示板を外した馬より好走率が高い。勝率、連対率ともかなり差がついているので信用できるデータといえるだろう。
また、牡馬よりも牝馬の方が少しばかり成績がいい。これも「夏は牝馬」の格言通りということか。
直線女王はカッパツハッチ!
難解な直線競馬だが、これだけデータが揃えば何とかなるような気がしてきた。
①5歳以下
②460キロ以上
③前走で掲示板
④どちらかといえば牝馬
今回は二択が多い割にすんなり絞れた。まず、4つ全てに当てはまるのがカッパツハッチとレジーナフォルテ。カッパツハッチは5月以来の出走となるが、その前走が直線競馬で好走。それを踏まえてここを目標に仕上げてきたということだから、走れる状態にあるとみていいだろう。
レジーナフォルテは2017年、このレースで3着。ダッシュ力があり、一気のスピードが求められるこの条件は合っている。昨年は4枠で4着、2017年が7枠で3着だっただけに少しでも外の枠がほしいところ。
次点はカイザーメランジェとライオンボス。ともに牡馬の分で満点とならなかったが、牡牝の差は大差のあるデータではなく、むしろ差のある①~③をクリアしたことが大きい。
というわけで、今回はカッパツハッチ、レジーナフォルテ、カイザーメランジェ、ライオンボスの馬連4頭BOXを500円ずつ。カッパツハッチとレジーナフォルテのワイド2000円を買いたい。梅雨明け宣言が出る前に何とか当てたいものだ。
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。