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【Road to Oaks 2018】クラシック注目馬・牝馬編②

競馬
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ⒸSPAIA

父を彷彿とさせる走り!ロックディスタウン

父は"怪物"オルフェーヴル、母はストレイキャットで姉にクイーンカップ(GⅢ)を勝ったキャットコインがいるロックディスタウン。このコラムではもうおなじみとなった安平町のノーザンファーム生産馬だ。一口クラブ、サンデーサラブレッドクラブにて総額3,000万円(一口75万円/40口)で募集された。1999年にはフランスに遠征しサンクルー大賞(GⅠ)を勝利、さらに凱旋門賞に挑戦して2着になるなどの活躍を見せたエルコンドルパサーや2016年の皐月賞馬ディーマジェスティなどを管理した美浦・二ノ宮敬宇厩舎からデビューした。

デビュー戦となった2017年8月6日の新潟競馬場・芝1800m戦では、中団馬群で脚をためると直線では上がり3ハロンを32.5秒の末脚で差し切る強いレースを見せた。この時の2着は後にGⅠのホープフルステークスを勝ったタイムフライヤーだということを考えると、楽に差し切ったレースは父オルフェーヴルを彷彿させる将来性を感じる内容だった。

2戦目は札幌競馬場の芝1800mで行われた札幌2歳ステークス(GⅢ)。牝馬ながら1番人気に支持され、道中は中団の外目からレースを進めた。4コーナーでは前を射程圏に捉える4番手まで押し上げ、力強く差し切った。牡馬相手の重賞、洋芝、小回りコースと不安視される点もあったが、そんな不安を一蹴する内容だった。

続くGⅠの阪神ジュヴェナイルフィリーズ(阪神競馬場・芝1600m)でも、1番人気に推された。大外18番枠からスタートし、道中は中団で脚をためるレースを展開するかに思われたが、馬が行きたがる素振りを見せて3番手からの競馬となった。これが影響してか直線では伸びを欠き、9着に惨敗した。

生まれ持った能力の高さはGⅠでも通用するが、騎乗していたルメール騎手は敗因として、関西への長距離輸送の影響からリラックスして走れていなかったと分析していることからも、父の現役時代と同様に精神面のコントロールが鍵となるだろう。さらに2月1日付で美浦・藤沢和雄厩舎に転厩することが発表され、大きなニュースとなった。転厩初戦となる3月17日、中山競馬場で行われるフラワーカップ(GⅢ)でどのようなレースを見せるか注目だ。

桜花賞、姉妹制覇へ!マウレア


2015年2月1日、日高町にある下河辺牧場で産まれたマウレア。父はディープインパクト、母はバイザキャット、全姉には2013年のGⅠ桜花賞を勝ったアユサンがいるという良血馬だ。馬主は落合幸弘氏、姉と同じく美浦・手塚貴久厩舎に所属している。

デビュー戦は2017年10月14日の東京競馬場の芝1600m戦だった。道中は4、5番手からレースを進め、直線では馬群を割ってくる味のあるレースを見せ勝利した。

続く2戦目も同じ条件で行われた赤松賞(牝馬限定戦)に出走。9頭立ての少頭数となったが、一団となった馬群の中で脚をためるレースを展開となる。直線ではゴール300m手前から4頭が競り合う混戦となったが、このレースでも馬群を割る勝負根性を見せる。ゴール前では後続が追い上げてきたものの、何とか凌ぎきり連勝を果たした。

この勢いのまま迎えた3戦目は、GⅠ阪神ジュヴェナイルフィリーズ。スタート後は少しダッシュがつかなかったものの、気合を付けられて中団馬群からレースを進める。4コーナーから直線に向き追い出されると、先に抜け出したラッキーライラックとリリーノーブルに迫るレースを見せて3着となった。先着した2頭には敗れたが、やや反応の鈍さを覗かせた点が着差に表れたものだろう。

馬体重は450kg前後と姉のアユサンより一回り小柄だが、馬群を割れる勝負根性はこの馬のセールスポイントだ。次走は2月12日に東京競馬場の芝1600mで争われるクイーンカップ(GⅢ)に出走予定。全3戦で手綱をとった戸崎圭太騎手は、アーモンドアイにも騎乗する可能性があるため、桜花賞での鞍上は現時点では未定ではあるが、姉妹での桜花賞制覇の期待がかかる。

姉以上の活躍を期待!エリスライト


父はディープインパクト、母はクリソプレーズで2015年のエリザベス女王杯、2016年の有馬記念とGⅠを2勝しているマリアライトを全姉に持つエリスライト。同馬も安平町のノーザンファームの生産だ。一口クラブのキャロットクラブにて、総額7,000万円(一口17万5,000円/400口)で募集された。そして姉のマリアライトを管理していた美浦・久保田貴士厩舎に所属し、調教を積まれると2017年12月3日に中山競馬場で行われた芝2000m戦でデビューした。

7頭立てと少頭数のレースとなったが、スタート後は後方2、3番手を追走。1000mの通過が64.2秒とスローペースで淡々と進んでいく先行馬有利の流れだったが、3〜4コーナー中間で前へ進出していくと、4コーナーでは先頭を伺う勢いを見せた。直線に向き追い出されると、グングンと後続との差を広げて独走状態に。ジョッキーが後方を振り返るほどの余裕の完勝で、後続に5馬身差をつけてのデビュー勝ちを飾った。レース後には、普段は厳しいコメントをすることが多い蛯名正義騎手が、「まだフワッとしているけど、それでも結果を出すのはさすが」と語るなど、手応えを感じていることが伺える。

毛色こそ違うが(マリアライトは黒鹿毛、エリスライトは鹿毛)、その走りは姉を彷彿とさせる、いやそれ以上の活躍を感じさせるものだった。姉は体質が弱く、古馬になってからGⅠを勝利する活躍を見せていたため、同馬も本格化するのが遅いタイプかもしれない。またキャリアは1戦のみで、現時点でクラシックに出走するには賞金が不足しているが、オークスに出走できればダークホースとなり得る存在だろう。次走は2月17日に東京競馬場で行われるフリージア賞(芝2000m)に出走予定。どんなレースを見せてくれるか注目したい。

4回にわたり牡馬、牝馬の注目馬を紹介してきたが、紹介できなかった期待馬も多数いる。今後も前哨戦の振り返りなど、5月27日に行われる日本ダービーまで様々な情報を提供していく。お楽しみに!


《関連データ》【Road to Derby 2018】クラシック注目馬・牡馬編①


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