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【東海S】「5歳」「前走1番人気」に好データ 伏兵ディクテオン、連勝で突破だ!

2023 1/18 11:00門田光生
東海Sの前走人気別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

フェブラリーSトライアル

2023年1月22日に中京競馬場で行われる第40回東海S。先週の日経新春杯で「冬は長距離」と書いたが、元祖(?)冬競馬といえば、やはりダートである。2月に行われるフェブラリーSにおいて、ここ10年で3頭の勝ち馬を出している東海S。トライアル(1着馬に優先出走権)としても目が離せないこのレースには、どのような傾向があるのか、今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

東海S出走馬の所属,ⒸSPAIA
東海S出走馬の性別,ⒸSPAIA
東海S出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属・性別・年齢
美浦所属馬は1勝(6連対)、栗東所属9勝(14連対)。関東馬は1勝のみだが、連対率では関西馬を上回っている。

性別では、連対したのはすべて牡馬・セン馬。牝馬で馬券に絡んだのは、2021年のメモリーコウ(3着)だけ。今年は大井のサルサディオーネが登録していたが回避するようで、牝馬の出走予定がなくなった。

最も活躍しているのは5歳で6勝。半分以上の勝ち馬が出ている。2着馬も3頭出ており、勝率17.1%、連対率25.7%ともに抜けた存在。これに続くのが2勝(6連対)の7歳馬。高齢馬が活躍しているところが、いかにもダート戦らしい。不振なのは、この間に挟まれた6歳馬。勝率2%台、連対率4%台は物足りない数字だ。また8歳以上になるとさすがに厳しいようで、19頭が出走して連対したのは2015年の2着馬グランドシチー(8歳)だけだ。

東海S出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
東海S出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
前走クラスを比較してみると、どの条件からもまんべんなく勝ち馬が出ている(GⅡからは出走馬なし)。その中で最も連対馬が多いのは前走中央GⅠ組だが、勝率、連対率で抜けた存在とはいえず、どの条件からでもチャンスはある。ただし、前走芝から馬券に絡んだ馬はいない。

ステップレースでは、3勝のチャンピオンズC(7連対、ジャパンカップダート含む)の成績がいい。続くのは2勝の東京大賞典(3連対、今年は該当馬なし)とベテルギウスS(2着なし)、1勝の師走S(3連対)、0勝2着2回のみやこS。GⅠ格のレースが強さを見せている中で、師走S(オープン)の頑張りが目立つ。ただし、リステッドに昇格してからは【0-0-0-5】と結果が出ていないのが気になるところ。

東海Sにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げていこう。前走着順に関しては特にこれといった傾向は出ていなかったが、前走人気では1番人気に支持されていた馬が【4-0-3-6】で勝率30.8%。ほかと比べて高い勝率を誇っている。

あと、ダートといえば馬格のある方が有利な傾向だが、このレースも前走馬体重が469キロ以下だと1頭しか連対していない(2017年2着モルトベーネ、466キロ)。また、東海Sで馬券に絡んだ30頭はすべて、当日馬体重が468キロ以上だった。

3勝クラス組に注目

東海Sのデータをまとめてみよう。まず好走率が上がるのはA「5歳」B「前走チャンピオンズC」C「前走1番人気」。

勝率、連対率が下がってしまうのはD「6歳or8歳以上」。そして、連対がないのはE「前走が芝」F「前走馬体重が469キロ以下」。

今回、最も強いデータはC「前走1番人気」。勝率は30%、複勝率は50%を超えている。そのデータに当てはまるのがディクテオンとプロミストウォリア。どちらも3勝クラスを勝ち上がっての参戦。過去に3勝クラスを経て東海Sを制したのは、2019年のインティ。1番人気で勝って挑んだもので、両馬と共通点がある。

それまで5連勝していたインティにはかなわないが、ディクテオンは2連勝、プロミストウォリアは3連勝だから、連勝という意味では通じるものがある。どちらを本命にするかだが、プロミストウォリアは他世代に比べて好走率が低いD「6歳馬」という点が割引材料。一方のディクテオンは好走率が最も高いA「5歳馬」。本命はディクテオンでいいだろう。

残るプラスデータのB「前走がチャンピオンズC」に該当するのは、オーヴェルニュとスマッシングハーツ。チャンピオンズC組は3年連続で連対中、しかも昨年はワンツーを決めており、この2頭は外せない。【1-1-0-0】のスマートファルコン産駒オーヴェルニュの方を上に取る。あと1頭挙げるならサンライズウルス。ベテルギウスSから2頭の勝ち馬が出ているが、ともに連対してからの参戦。サンライズウルスも1着だから条件を満たす。また、好走率の高い5歳馬という点も魅力だ。

◎ディクテオン
◯プロミストウォリア
▲オーヴェルニュ
△スマッシングハーツ
×サンライズウルス

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
文中に出てきたダートのGⅠ、チャンピオンズカップと、イギリスで行われるGⅠチャンピオンステークス。「カップ(C)」なのか、「ステークス(S)」なのか、また「ズ」がつくのかどうか。年を取るごとにこんがらがっております。

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