雪だったり高速馬場だったり 過去傾向はグッチャグチャに
先週のオーシャンSでは芝が悪い前提で予想したものの勝ち時計は1.07.9という、速くもなく遅くもなくの決着。1分8秒台の想定から外れたぶん多少追込みが届いてしまったものの、軽いということはなく「ふつう」の芝状態だと考えたい。今週は降雨がなさそうで、良馬場ならば今週末も芝は「よくもなく、悪くもなく」といった状態だろう。

だが、中山芝1800mが舞台の中山牝馬Sは近年馬場状態がまったく安定していない。昨年、一昨年と2年連続して不良馬場。一昨年は雪、昨年は大雨でラップのなかに11秒台が1つもない1.54.2という遅い決着となった。一方で3年前は絶好の良馬場なうえ、過去10年の中山で最高レベルに速い馬場だったため1.47.7という速い決着。3年前と昨年を比べると6.5秒も違う決着なのだから、大きな馬場の差を感じずにはいられないだろう。
そして今年は「ふつう」の馬場だとすると、参考にできそうなのは平均的な時計決着だった2016~2018年の3年。ラップをざっくり見ると前半が遅く、後半が速いという1800mらしい普通の感じ。要するに、ふつうの小回り1800m戦でしっかり上がってこられる馬を探すことになるだろう、と当欄では結論付けたい。
標準馬場なら狙いたいシングフォーユー
中山を中心に1800m戦で良い上がりで好結果を残した馬となると結構限られる。直近で目立つのはシングフォーユーの2走前・常総Sだ。上がり34.5は13頭中6位だが、4番手から踏ん張って後続を振り切った先行抜け出しのレース。1.48.4という時計もふつうの中山芝ならギリギリ許容の範囲。この馬を軸に馬券を組み立てようと思う。
ルビーカサブランカは人気になるだろうが外せないだろう。3勝クラス、愛知杯と連勝しての出走。愛知杯は中山牝馬Sへ近10年で4頭の勝ち馬を出している王道ローテであり、中山も昨年4月の美浦S2着時に34.1(上がり2位
)を出している。ただ、昨年4月の中山は芝の状態も良かったので、どの程度「ふつう」に対応できるかは未知数。上がりが決め手になる競馬なら浮上するだろう。
逆に馬場が少し悪いほうに寄った場合は、不良馬場だった一昨年勝利、昨年3着だったフェアリーポルカがベストマッチだろう。前走稍重だったターコイズSは4着。近況は4着率がかなり高いが、中山そのものは【1-1-2-1】と好相性なのは間違いない。馬場が悪ければ悪いほど馬券からは外せない。
馬券はシングフォーユーからルビーカサブランカ(良・高速想定)・フェアリーポルカ(重・低速想定)を相手に3連複かワイドでいってみたい。もちろん、当日の馬場状態次第では強弱をつけられる楽しみがある。
また余談だが、同日には阪神スプリングジャンプが行われる。オジュウチョウサンが11歳でレースに出走するが、10歳タガノエスプレッソやマイネルプロンプトも出走する。逆に5歳で牛若丸JSを勝ったビーオールアイズや、連勝してきたエイシンクリックなど好メンバー。この日は注目のレースが目白押しなので、ぜひ12日土曜の競馬を楽しみたいところだ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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