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【シルクロードS】ロードカナロアら名スプリンターの登竜門! シルクロードSの歴史と血統のロマン

2022 1/25 06:00緒方きしん
シルクロードS過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

名スプリンターの血を受け継ぐカレンモエが出走

AJCCは6歳馬キングオブコージ、7歳馬マイネルファンロン、6歳馬ボッケリーニとベテラン勢で決着。4歳世代のオーソクレース、アサマノイタズラはどちらも馬券圏外となった。キングオブコージの鞍上、横山典弘騎手は早くも今年重賞2勝目。一方で、ルメール騎手は重賞1番人気での馬券圏外が今年3度目となり、明暗分かれる結果となった。

今週末はシルクロードSが行われる。ロードカナロア×カレンチャンという名スプリンターの血を受け継ぐカレンモエが重賞初制覇を目指して出走予定。さらにはメイケイエールやビアンフェ、ジャンダルムといった重賞活躍馬が火花を散らす。

過去にはロードカナロアやストレイトガール、ダノンスマッシュといった短距離の名馬を送り出してきた一戦。ここから高松宮記念を狙う快速自慢たちが始動。今回はシルクロードSの歴史を振り返る。

1番人気馬は大苦戦中

シルクロードS過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA


ここ5年において1番人気は1勝。2019年ダノンスマッシュ以外の1番人気は掲示板内にすらいない状況で、21年モズスーパーフレアが18頭中17着、20年レッドアンシェルが18頭中18着、18年ダイアナヘイローが18頭中16着、17年ネロが13頭中11着と大苦戦。

12年〜16年の5年間でも、1番人気は12年ロードカナロアの1勝のみで、アイラブリリやエイシンブルズアイ、ビッグアーサーらが馬券圏外に敗れている。07年〜11年の5年間も、同じく1番人気は11年ジョーカプチーノの1勝のみ。アストンマーチャンやエイシンタイガーらが敗北した。つまりこの15年でも1番人気は3勝しかしていないことになる。

12年にロードカナロアが制して以降、13年〜16年と4年連続で2番人気馬が勝利していたが、ここ5年はその2番人気も大苦戦。19年2番人気ラブカンプーは18着、18年アレスバローズは11着に敗れた。一方で3番人気は2勝2着1回4着2回と、ここ5年は全て掲示板内であるほか、4番人気馬も2勝2着1回と安定感を見せている。

1、2番人気馬が不調でも3、4番人気馬が健闘していることにより、馬連の配当が大荒れになることはそれほど多くない。ここ5年で1、2番人気が絡まなかった馬連最高配当は18年の32.0倍。逆に1番人気馬が優勝した際は2、3着馬に伏兵が食い込んでいることが多く、19年は2着エスティタート(11番人気)と3着ティーハーフ(12番人気)のワイドが194.9倍の万馬券となった。12年ロードカナロアの3着はシンガリ人気のケンブリッジエルで、2着エーシンダックマン(2番人気)とのワイドは139.5倍。11年ジョーカプチーノの2着には14番人気アーバニティが食い込んだ。

強豪たちを見事に差し切った名牝ブロードアピール

波乱がありつつも、スプリント界を担う名馬たちが揃うため、見応え十分なレースとなるシルクロードS。好メンバーが揃ったことで思い出すのは、2000年に開催された第5回シルクロードSだ。その年は、当時重賞未勝利だった6歳(現在の馬齢で表記)牝馬ブロードアピール(4番人気)が見事な末脚で差し切り勝利。2着には前走ダートで11着に敗れていたトロットスター(6番人気)が食い込み、馬連の配当は70.6倍となった。

4着は前年の勝ち馬マイネルラヴであり、翌年のシルクロードSはトロットスターが勝利したため、このレースには前年・翌年の同レース覇者が出走していたことになる。トロットスターは01年のスプリンターズSを制したが、その際の4着馬シンボリスウォードと5着馬ジョンカラノテガミも、この00年のシルクロードSに出走していた。スプリント王決定戦の掲示板に3頭を送り込む快挙と言える。実績馬から将来的に飛躍する素質馬まで、多彩な面々がズラリと揃った一戦だった。

勝ち馬ブロードアピールは、スプリンターズS(4着)など芝でも活躍したが、それに留まらずダートでも大活躍を収めた。6歳〜8歳にかけてダート重賞を5勝。特に根岸Sで見せた末脚は今でも語り草になるほどだ。引退後も繁殖牝馬として活躍したブロードアピールは、孫世代には先日急逝した悲運のダービー馬ワグネリアンや昨年の紫苑Sで3着のミスフィガロら、ひ孫世代にも先日の愛知杯で2着のマリアエレーナらがいる。

残念ながらワグネリアンからブロードアピールの血がつながることはなかったが、優秀な後継繁殖牝馬たちがその血を広げている。またいつか、この牝系からダービー馬が出ないか……と、ロマンを感じる。

快速の血も繋がっていく

血統のロマンは、ブロードアピールだけではない。99年勝ち馬マイネルラヴは種牡馬としてNZT勝ち馬マイネルハーティーや京王杯2歳S勝ち馬ゲットフルマークス、小倉2歳S勝ち馬コスモヴァレンチらを輩出。そのコスモヴァレンチは、母としてJBCスプリント勝ち馬ドリームバレンチノやさきたま杯勝ち馬ウインムート、函館2歳Sの2着馬マイネショコラーデらを輩出し、さらにマイネショコラーデは小倉2歳S勝ち馬マイネルグリットを輩出した。特に母父マイネルラヴの稼ぎ頭となったドリームバレンチノは、13年のシルクロードSを制し、祖父・孫による同一重賞制覇を成し遂げている。

また、00年のシルクロードS出走馬にはブロードアピールの他に2頭の牝馬がいたが、こちらも活躍馬を送り出している。9着だったタヤスブルームの子には桜花賞3着のカタマチボタン、孫に桜花賞4着のトーセンブレスが、3着だったタイキダイヤの孫にはNHKマイルC勝ち馬クラリティスカイらがいる。今年も楽しみな牝系の馬たちが集合した。また10年後、このレースの出走馬たちの子や孫が活躍するのを楽しみにしつつ、快速対決を見守りたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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