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【京成杯】好データは「関東馬で栗東騎手」「母父ディープインパクト」など アライバル死角なし! 

2022 1/13 11:00門田光生
京成杯のキャリア別成績(過去10年),ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

「母の父ディープインパクト」に注目!

2022年1月16日に中山競馬場で行われる第62回京成杯。皐月賞と同じ競馬場、そして同距離で行われるとはいえ、日程的にステップレースとはいいづらい。ここから直接、皐月賞に向かって馬券に絡んだといえば、2010年の3着馬エイシンフラッシュ、最近では2017年の3着馬ジェネラーレウーノぐらいしか思い浮かばない。

ただ、エイシンフラッシュはその後にダービーを制しているように、このレースを経てクラシック馬が誕生する可能性はゼロではない。そんな京成杯、過去にどのようなタイプの馬が活躍しているのだろうか。いつも通り近10年の成績を基にして検証してみよう。

京成杯出走馬の所属,ⒸSPAIA
京成杯出走馬騎乗騎手の所属,ⒸSPAIA


☆所属
出走頭数は関東馬が93頭、関西馬が47頭。関西馬がいつも以上に少ないのは、前週にシンザン記念が行われ、2月頭にはきさらぎ賞という3歳重賞が控えていることもあるのだろうか。

成績は関東馬が14連対(7勝)、関西馬が5連対(2勝)。勝率、連対率も関東馬が上回っている。残る1勝は地方所属馬(2014年プレイアンドリアル・川崎)。

騎手も当然ながら美浦所属の方が騎乗数は多いのだが、こちらは勝率、連対率ともに栗東所属騎手の方が上となっている。栗東からの遠征馬とセットかと思ったら、好走確率が高いのは関東馬に栗東所属の騎手が騎乗したパターンで【2-2-0-7】。

連対した4頭のうち、3頭がルメール騎手騎乗で、これが2019年から継続中。今年もこの組み合わせがいれば、有力な本命候補となるだろう。

京成杯出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆キャリア
1戦1勝の馬が3勝、2着1回。キャリアが浅くても、素質で何とかなる傾向となっている。キャリア4戦以上だと勝ち馬が1頭だけ。その1頭は地方所属馬のプレイアンドリアルだから、実質はキャリア3戦以内から勝ち馬を探すのが無難となる。

京成杯出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆前走クラス
京成杯は皐月賞と同じ競馬場で同じ距離で行われるが、同時に年末に行われたホープフルSも同じ条件となる。格付けを考えると、世代の有力馬はホープフルSを選択するというのが一般的だろう。

施行時期の近さもあって、ホープフルSから京成杯に使う馬も多くなく、特にホープフルSがGⅠに昇格してからは1頭しかいない。そういう背景もあるのか、前走でオープンや重賞を使った馬より、条件戦を使っていた馬の方が好走確率が高くなっている。

京成杯におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほか、気になったデータを挙げてみる。まずはプラスデータだが、前走2着以内が8勝、2着7回で、連対馬の半分以上を占める。これは新馬戦を使っていた馬が好成績というのも関係があるだろう。

もう1つは、母の父にディープインパクトを持つ馬が【1-1-1-0】とすべて馬券に絡んでいる。産駒自体は冬場の中山は得意でないだけに、このデータにはびっくり。ちなみに、上記の3頭は2019年の1~3着馬。

同じく母の父にディープインパクトを持つキセキも不良馬場で菊花賞勝ち。もしかすると、母の父に入ると全く違う傾向が出るのかもしれない。ともあれ、これから増えてくるであろうこのパターンには注目していきたい。

一方のマイナスデータだが、連闘や中1週で挑んできた馬から連対馬は出ていない。条件戦から挑んできた馬の成績がいいからといって、強行軍では厳しいということか。

続いては前走着順で、前走で掲示板を外していると【1-0-0-36】、前走8着以下だと【0-0-0-24】となる。また前走がコンマ6秒以上で負けた馬は【0-0-0-44】と、これまた不振となっている。

文句なし、アライバル

京成杯のデータをまとめてみる。まず好走確率が高くなるパターンはA「関東馬、栗東所属騎手なら加点」B「前走が条件戦」C「前走2着以内」D「母の父ディープインパクト」。

勝率が下がってしまうのはE「キャリア4戦以上」F「中1週以内」G「前走6着以下」H「前走がコンマ6秒以上の負け」。

すべての好走パターンを満たしている馬はいなかったが、4つのうち3つを満たし、さらにマイナス要素がない馬は6頭。このうち、アライバル以外の5頭(サンストックトン、ニシノムネヲウツ、フジマサフリーダム、ホウオウプレミア、ロジハービン)は「A」「B」「C」で、アライバルだけが「A」「C」「D」。

このD「母の父ディープインパクト」はサンプル数が少ないながら【1-1-1-0】で、過去に出走した3頭とも馬券に絡んでいる。その中には、アライバルと同じ「ハービンジャー×ディープインパクト」の配合馬も含まれている(2019年3着ヒドゥンタイムス)。加えて、騎乗するルメール騎手は関東馬に騎乗して3年連続で連対中。軸はこの馬しかいない。

以下の順位付けが難しいのだが、前走クラスに注目してみる。重賞より条件戦の方が連に絡む確率が高いと書いたが、勝ち馬、連対馬ともに最も多いのが1勝クラス組。出走頭数もトップだが、今年は登録してきた17頭中、1勝クラス経由はヴェールランス、ハナキリ、そしてホウオウプレミアの3頭と少ない。

このうち、ハナキリはマイナスデータをたくさん抱えているので除外。ホウオウプレミア、ヴェールランスのどちらかは連に絡むとみて2頭とも加えてみる。あとは勝率、連対率ともにトップとなる1戦1勝馬(新馬勝ち)、フジマサフリーダムとトゥーサンにも注意したい。

◎アライバル
◯ホウオウプレミア
▲ヴェールランス
△フジマサフリーダム
×トゥーサン

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
アルファ、ベータ、デルタならかろうじて分かるものの、オミクロンまでいくと、表記が分かりません。ギリシャ文字の勉強にはなるものの、これ以上増えるのは勘弁してほしいものです。

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