「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

100万円以上の高配当が狙える条件とは?中京・中山開催はチャンスの宝庫

2020 9/17 06:00門田光生
高額配当インフォグラフィックⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

高額払い戻し馬券「帯封」

誰もが夢見る「帯封」。競馬場やWINSで紙の馬券を購入し、払い戻しの合計金額が100万円を超えた場合、機械ではなく窓口での払い戻しとなる。このときにオリジナルの帯がついて払い戻される、らしい。何せ経験がないので「らしい」としか言えないが。転じて、インターネット購入であっても単に100万以上の配当を「帯封」と呼ぶ。これまで3連単はもちろん、3連複、そして馬単でも100万馬券が出現している。

もちろん100万馬券などそうそう狙って取れるものではないだろうが、どういう条件下で出やすい、といった傾向はあるのだろうか。馬連、馬単、3連複、3連単それぞれに高額払い戻しトップ10のデータを調べてみた。(データは2020年9月17日現在)

なお、3連単の高額払い戻し1位と10位は同じレース(2、3着馬が同着で、両方の配当がランクイン)なので、合計数は9となっている。

事件はダートで起きていた!

☆馬場状態

馬場状態別高額配当数


高配当といえば人それぞれに思い出すシーンがあるだろう。個人的には2008年のマーメイドS。12頭立てながら最低人気のトーホウシャインが勝ち、大逃げを打った10番人気のピースオブラヴが2着。3着に5番人気の馬が入り、3連単は190万円を超える大波乱。当日は雨の影響を受けた馬場となっていて、このレースも重馬場で行われていた。

しかし傾向を調べてみると、どの馬券の種類も良馬場で出現している確率が高かった。1年通して良馬場の割合が多いことを考えると、これに関しては妥当な結果かもしれない。

☆芝かダートか

芝ダート別高額配当数


高配が出るのは芝かダートか、でいえばダートに軍配が上がる。特に3連複はトップ10のうち8レースが該当。ダートの総レース数の方が多いのは確かだが、フルゲートは芝の方が多く破壊力は上のはず。それでこの結果ということは、素直にダートの方が荒れやすいと考えていいだろう。

なお、馬連の第10位には障害競走がランクイン。障害はフルゲートが少ないことを思えば意外。人気が偏ることが多いので、荒れる時には派手に、ということだろうか。

☆頭数

出走頭数別高額配当数


当然ながら、頭数は多いほど高配当が出やすいのは間違いないところ。16頭立ての出現率が高いのは、ダートのフルゲートが16頭という競馬場が多いだからだろう。ちなみに、馬連、馬単では13、14頭立てからでも出現しているが、3連系は全て15頭立て以上。これは覚えておいて損はない。

☆クラス

クラス別高額配当数


これも施行レース数と関係しているのだろうが、出現回数は下級条件が圧倒的に多い。馬連はトップ10の全てが2勝クラス以下、ほかの馬券種も10レース中9レースが2勝クラス以下で出現していた。

GIでは1例だけある。2015年のヴィクトリアマイルで、3連単(20,705,810円)、3連複(2,860,480円)がともに5位にランクイン。このレースの凄いところは、1着が5番人気だったにもかかわらず3連単が2000万を超えたこと。

波乱の立役者は3着馬のミナレット。単勝オッズは何と291.8倍である。この時は大逃げを打ったのが結果的に吉と出たのだが、この馬は逃げたり、逃げなかったりとそれまでもつかみどころがなかった馬。前走の福島牝馬Sでは逃げておらず、ましてやGIで大外枠。さすがに厩舎のコメントまでは覚えていないが、この作戦を読むのは至難の業だったか。

ちなみにこのミナレットという馬、新馬戦を勝った時が14番人気で、3連単の配当は歴代1位(2着が同着だったので10位にもランクイン)である。生粋の穴馬といえるだろう。

中京競馬場には魔物が棲む

☆競馬場

競馬場別高額配当数


場所で目立つのは中京と中山、そして東京。中京競馬場はどの馬券種でも満遍なく高配当が出ており、さすがは「魔物が棲む」といわれるコースである。中山競馬場も同様だが、特に3連系でよく高配当が出ている。

東京競馬場も全ての馬券種でベスト10入り。中京、東京、そして新潟では特に3連系で高配当が出ており、3連複ではベスト10のうち6レース、3連単は5レースがランクイン。この3つの競馬場はいずれも左回りだが、右回りに比べて高配当が出やすい傾向にあるようだ。

なお、函館、札幌からはどの馬券種もランクインしていない。ダートのフルゲートが14頭に制限されているのが影響しているのだろうか。また、裏開催より表開催の方が圧倒的に高配当の出現率が高いことも覚えておきたい。

☆条件・距離

距離別高額配当数


距離に関しては1150m~2100m、そして障害の2880mと満遍なく出現している。芝だけに絞ってみると、マイル以下でトップ10に入った高配が10回に対して、1800m以上は3回だけ。芝に関しては中距離では出現しづらいようだ。

ダートはというと、芝とは逆の結果。マイル以下でトップ10に入った高配当が6回に対し、1700m以上だと3倍を超える19回も出現。特にダート1800mから12回も出ており、3連複の半分はこの条件から出ていた。

☆レース番号

レース番号別高額配当数


冒頭にも書いたように、今回は馬連、馬単、3連複、3連単、この4種類の馬券のトップ10を基にデータを出しているのだが、このうち34レースが平場で出現したもの。特別より比率が多いので当然かもしれないが、平場が狙い目と考えて間違いないところ。

また、レース番号で見ていくと、最多は「第7レース」で10回、2位は「第3レース」で7回、そして3位は「第12レース」で5回。第12レースでもよく出現しているのは、一発逆転が可能ということでうれしいデータだ。

一攫千金狙いはこの条件で

以上の内容をまとめると、高額配当が期待できるシチュエーションは、

〇中京、中山、もしくは東京
〇芝よりダート、距離は1700m以上
〇下級条件の平場
〇多頭数
〇最多出現は第7レース

となる。これらの条件が揃ったレースで「これだ!」と思った馬がいれば、一発狙ってみるのも面白いかもしれない。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
今も昔も馬連派の筆者。「1、2着ならともかく、3着は運の要素が強すぎる」という理由なのですが、これではいつまでたっても帯封を見ることはできないようです…。