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【中山金杯】5歳馬は勝率・連対率1位 マイナスデータなしのヒートオンビートに強い追い風

2022 1/2 11:11門田光生
中山金杯過去10年前走距離別成績

2022年最初の重賞競走

明けましておめでとうございます。有馬記念でやられた人も、東京大賞典で取り返せなかった人も、両方に当てはまる人も、年が変わったということで気分一新。2022年初となるJRA重賞競走を当てて、幸先のいいスタートを切りたいところ。今回は2022年1月5日に中山競馬場で行われる「中山金杯」を、過去10年のデータから検証し、好走パターンに当てはまるのはどの馬かを探してみようと思う。

中山金杯出走馬の所属別


☆所属
1999年まで、東西の金杯は同じ2000mで行われていた。2000年から京都金杯が1600mに距離短縮され、マイラーと中距離馬の使い分けが可能に。中距離を求め、2022年も西からたくさんの馬がやってくることが予想される。対戦成績は、美浦13連対(6勝)、栗東7連対(4勝)と、美浦優勢となっている。

中山金杯出走馬の年齢


☆年齢
中山金杯で最も好走しているのは5歳馬。勝率、連対率、勝利数、連対数のすべてでトップだから文句なしだ。苦戦しているのは高齢馬で、8歳以上の馬は連対なしとなっている。

中山金杯出走馬のハンデ(牡・セン馬)


中山金杯出走馬の斤量(牡・セン馬)


☆ハンデ
金杯といえばハンデ戦で、斤量も重要なファクターとなる。本来、ハンデに関しては牡馬と牝馬を分けて考えるべき。この中山金杯は過去10年で牝馬が一度も馬券に絡んでおらず、牝馬のハンデを調べても仕方がないので、ここでは牡馬とセン馬のみに絞ってみる。結果は54キロから58キロまでまんべんなく勝ち馬が出ていた。ただ、勝率と連対率で比較するとハンデが重い方が好走する傾向にあるようだ。トップハンデ(タイ含む)の馬は4勝、2着2回。連対率が6割なら上々だろう。

そのハンデだが、前走と比較して増えた馬が8勝。斤量据え置き、斤量減の馬と比べて好走する確率がかなり高くなっている。

中山金杯出走馬の前走距離


中山金杯の前走


☆距離
ハンデと同じく、距離も前走と比較してみると、同じ2000mを走っていた馬が12連対(7勝)で、距離延長、距離短縮組を大きく上回っている。特に栗東所属馬は距離延長組、距離短縮組ともに勝ち馬が出ていない。2000mという距離にこだわって遠征してきた馬が結果を出しているようだ。

ただし、同距離の中日新聞杯と天皇賞(秋)を使っていた計22頭から連対馬は出ていない。両レースとも左回りだが、何か関係があるのだろうか。また菊花賞組も【0-0-0-7】と結果が出ていない。

中山金杯におけるプラスデータ


中山金杯におけるマイナスデータ


☆その他
そのほかで気になったデータをいくつか挙げてみる。まずプラスデータの方から。コスモヴューファーム生産馬が【1-2-1-0】と抜群の相性。といっても、ウインブライトとウインイクシードの2頭だけなのだが、二度あることは三度あるかもしれない。前走着順では、5着以内だった馬が16連対(8勝)。また、誕生月で張り切るのか、1月生まれの馬が最多の4勝を挙げている。

マイナスデータだが、上記にも書いたように牝馬は【0-0-0-8】と不振。前走で1秒以上の差で負けていた馬も【1-0-1-42】とあまり結果が出ていない。これが美浦所属馬に限ると【0-0-0-25】と馬券に絡んだ馬がいなくなる。また、ディープインパクト産駒は【0-0-1-11】。冬場の荒れた芝がよくないのだろう。

ハンデ戦らしく混戦模様

中山金杯のデータをまとめてみる。まず好走確率が上がるのは、A「5歳馬」B「トップハンデ」C「前走から斤量増」D「前走が2000m」E「コスモヴューファーム生産」F「前走5着以内」G「1月生まれ」。

逆に勝率が下がってしまうのは、H「8歳以上」I「中日新聞杯or天皇賞(秋)or菊花賞組」J「牝馬」K「前走が1秒以上の差で負けた」L「ディープインパクト産駒」。

発表されたハンデと登録馬を照らし合わせて、C「前走から斤量増」に該当するのがステラヴェローチェだけ。有馬記念を使ったばかりで、この原稿を書いている時点では出否未定。

さすがに本命にはできないが、有馬記念から中山金杯へ挑んだ例となると、最近では1998年のマイネルブリッジがいる。しかも、トップハンデを背負って3着と、人気以上(5番人気)の好走を見せていた。ただ、マイネルブリッジが走った有馬記念は12月21日で、今回より間隔に余裕があったのも事実。ステラヴェローチェも出走してくれば主力級だが、ここでは☆マークにとどめておく。

そのほかの登録馬から中心馬を探すことになるのだが、荒れるハンデ戦らしく、データ上でもまれにみる混戦。好走率が高いトップハンデのトーセンスーリヤはI「中日新聞杯or天皇賞(秋)組」K「前走で1秒以上の差で負けた」という2つのマイナスデータに該当。

同じく好走率が高いE「コスモヴューファーム生産」のウインイクシードは、3着内率0%の「8歳以上」。どうしたものかと思って登録馬を眺めていると、最も活躍している5歳馬がシャムロックヒルとヒートオンビートの2頭しかいないことに気づいた。シャムロックヒルは馬券に絡んでいない牝馬ということで、注目は牡馬のヒートオンビート。ほかにD「前走が2000m」F「前走5着以内」のプラスデータも持っており、マイナスデータなし。今年の一発目はこの馬に賭けてみたい

スカーフェイスも2つのプラスデータ、そしてマイナスデータなし。今回はこれでも優秀な方で、相手筆頭としたい。

あと上記で挙げたウインイクシードとトーセンスーリヤ。マイナスデータは気になるものの、強いデータはやはり無視できないということで加えておく。アドマイヤアルバは唯一G「1月生まれ」に当てはまる。全頭が出走すると除外対象となるので、これも出走してくれば、という条件付きで評価しておく。

◎ヒートオンビート
○スカーフェイス
▲ウインイクシード
△トーセンスーリヤ
☆ステラヴェローチェ
☆アドマイヤアルバ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。 例年、GI並みに混雑する金杯。しかし、今年はネット予約のみとのこと。GIはもちろんですが、空いている金杯は味気ないというか、何というか。初詣がガラガラと同じイメージかも?日常でもマスクを外す未来が全く見えてこないのですが、さてどうなることやら。そんなこんなで、2022年もよろしくお願いします。

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