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【ターコイズS】傾向が掴みづらく超難解! 波乱の使者は偉大なる女王の後輩サンクテュエール

2021 12/12 17:00勝木淳
ターコイズSインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

本来は3歳優勢も

牝馬路線は春秋で問われる適性が大きく異なる。春はVマイル中心にマイル、秋の主軸はエリザベス女王杯を目標に中距離路線へとシフトする。

マイル前後に適性がある牝馬は秋になると、牡馬相手の戦いを余儀なくされる。レース当日に引退式が予定されている女王グランアレグリアであれば、牡馬も一蹴するが、翌週の阪神Cでは苦戦しそうな牝馬にとってターコイズSは貴重なマイルの牝馬限定重賞だ。かつてオープン特別時代は波乱も多かったこのレースについて、重賞昇格後6年間のデータからその傾向を探っていく。


過去6年ターコイズS人気別成績,ⒸSPAIA


人気別成績を出すと、重賞になってからは1番人気が【2-0-1-3】勝率33.3%、複勝率50%とまずまず。半数は馬券圏外なので、全幅の信頼とまではいかないが、波乱前提であっても1番人気は消さないほうが無難か。

ただし、2番人気は【0-1-0-5】複勝率16.7%とイマイチ。過去6回で好走は19年エスポワール2着のみ。その反面、3番人気は【1-2-1-2】勝率16.7%、複勝率66.7%と好成績。以下4番人気【0-0-0-6】、5番人気【2-0-0-4】、6番人気【0-1-0-5】と根拠はなにもないが、上位人気は不思議と奇数人気がいい。10番人気以下【1-2-2-37】勝率2.4%、複勝率11.9%、重賞昇格後も難解なレースであることに変わりはない。


過去6年ターコイズS年齢別成績,ⒸSPAIA


次に年齢別の成績をみると、3歳が【4-2-1-25】勝率12.5%、複勝率21.9%と断然。クラシック戦線で中距離を戦ってきた3歳馬が適距離に戻って好走、これがひとつのパターン。ところが、今年、3歳馬はウインアグライア、ホウオウラスカーズのみ。そうなると今年は例年以上に難解。古馬は4歳【1-4-2-17】勝率4.2%、複勝率29.2%、5歳【1-0-2-26】勝率3.4%、複勝率10.3%と若い組ほど成績がいい。人気が予想される府中牝馬S組は5歳アンドラステ、ドナアトラエンテ、サトノダムゼルらより、4歳マルタ―ズディオサ、スマートリアン、サンクテュエールなどを上位にとりたい。


大穴候補クリノプレミアム、逆転ならスマートリアンとサンクテュエール

クラシック戦線から転戦してくる3歳馬が少なく、傾向が一層つかみにくくなったが、ここからは古馬を中心に前走成績から好走パターンを探っていくことにする。


過去6年ターコイズS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別成績で目立つGⅠ【4-1-2-18】勝率16%、複勝率28%は、秋華賞【2-0-1-8】なので注意したい。エリザベス女王杯【1-0-1-4】も含め、今年はGⅠ転戦組すらいない。また府中牝馬Sが当てはまるGⅡは【0-0-2-13】複勝率13.3%、さらにGⅢ【0-1-0-13】複勝率7.1%と重賞組は不振。となると、オープン【0-2-2-13】複勝率23.5%、リステッド【1-0-0-7】勝率、複勝率ともに12.5%に注目せざるを得ない。どんどん難解になる。


過去6年ターコイズS前走キャピタルS組着順別成績,ⒸSPAIA


前走オープン・リステッドの内訳をみると、ドナウデルタらが該当する信越S【0-0-0-5】、ロフティフレーズが当てはまるオーロC【1-0-0-3】。オーロCは20年スマイルカナが前走2着から勝利した。

これら芝1400mより同じマイルのキャピタルS【0-1-2-4】複勝率42.9%が信頼できそう。11着クリノプレミアムが参戦予定だが、キャピタルSの着順別成績では、6着以下だった馬の参戦しかなく、10着以下は【0-1-1-3】複勝率40%。15年16番人気2着ダンスアミーガ、15番人気3着オツウと大穴ばかり。ちょっと頭の隅に置いておきたい。


過去6年ターコイズS前走3勝クラス組脚質別成績,ⒸSPAIA


こうなると前走3勝クラス【1-2-0-14】勝率5.9%、複勝率17.6%までケアしたい。ここは位置取り別成績から。逃げ【0-0-0-1】、先行【0-1-0-5】複勝率16.7%、中団【1-1-0-6】勝率12.5%、複勝率25%、後方【0-0-0-2】と、流れや馬場に関係なく、しっかりと序盤で抑えて流れに乗り、末脚を使えるタイプがよさそう。レッドフラヴィアはこれに合致。GⅠ組不在の今年ならチャンスはある。


過去6年ターコイズS前走府中牝馬S組着順別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別の項目で前走GⅡは【0-0-2-13】で不振と断じたが、今年のメンバー構成からやはり府中牝馬S組は強力。念のため、前走府中牝馬S【0-0-2-11】について着順別成績を出す。

掲示板以内【0-0-0-3】、10着以下【0-0-0-5】に対し、6~9着が【0-0-2-3】複勝率40%。エリザベス女王杯のステップレースなので中距離志向が強く、マイルのターコイズSとは相性がよくないものの、そこで凡走した本来マイル向きの馬の巻き返しはある。好走組では3着マルタ―ズディオサは阪神Cの可能性もあるが、マイル志向、中山で重賞Vと買い材料はある。また昨年このレース2着アンドラステは最近1800mでの好走が目立ち、適性が中距離寄りにシフト。ちょっと手を出しにくいか。いずれもハンデを背負わされるので、注意したい。

今年該当するのはスマートリアンとサンクテュエール。前者は今年、谷川岳S、米子S2着、京成杯AH4着とマイルは大歓迎。後者はシンザン記念勝ち馬で桜花賞6着。昨年のこのレースは14着だったが、前走府中牝馬Sは0.5差、アカイイトとはハナ差だった。厩舎の先輩グランアレグリアの引退式に花を添えるか。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 2005-2009 00年代後半戦』(星海社新書)。


ターコイズSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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