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【ジャパンC】ウィジャボードなど海外の強豪馬が彩る歴史 ダービー馬4頭の共演も近年は勝利なし!

2021 11/23 06:00緒方きしん
ジャパンカップ過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ダービー馬が集結

マイルCSは、グランアレグリアが引退レースを快勝。2,3,5着に3歳馬が食い込んでいるように世代交代が急速に進むなか、マイル女王の意地を見せつけた。そしてその中でも安定して4着に食い込んだ6歳馬インディチャンプにも拍手を送りたい。

さて、今週はジャパンC。三冠馬コントレイルは戦友であるグランアレグリアに続きラストランを勝利で飾れるだろうか。ダービー馬シャフリヤールやオークス馬ユーバーレーベンと今週も勢いある3歳世代が古馬に挑戦状を叩きつける。さらにはワグネリアン・マカヒキといったベテラン勢も加わり、4世代のダービー馬が激突するメンバーとなった。

過去にはカツラギエースやホーリックス、エルコンドルパサーやスクリーンヒーローなどが制してきた名門レース。今回はジャパンCの歴史を振り返る。

12年ぶりダービー馬の勝利なるか

ジャパンカップ過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA



ここ5年、1番人気は3勝。アーモンドアイが2勝、キタサンブラックが1勝をあげている。キタサンブラックは2017年にも1番人気となったが3着に敗れ、2019年の1番人気馬レイデオロは11着に敗れた。馬券圏内を外したのが5年に一度ということで、1番人気の安定感は高いといって良いだろう。

3頭の三冠馬激突で盛り上がった昨年が、1番人気→2番人気→3番人気で決着しているように、近年は非常に手堅い決着が増えている。5年間で3着以内に二桁人気馬がきたことはなく、最も人気薄で馬券に絡んだのも、この5年だと2016年に6番人気シュヴァルグランの3着。今年人気を集めるだろうコントレイルやシャフリヤールの新旧ダービー馬にとっては追い風ともいえる傾向だろう。

ただ、ダービー馬は苦戦傾向にあるのも、近年のジャパンC。ダービーと同じく東京芝2400mという条件であり、過去にはシンボリルドルフやトウカイテイオー、スペシャルウィークやジャングルポケットといったダービー馬たちがジャパンCを制してきた。

しかし、最後にダービー馬がジャパンCを制したのは、ウオッカの勝利した2009 年。それ以降、エイシンフラッシュやオルフェーヴル、ワンアンドオンリーらが敗北を喫してきた。近年も決してダービー馬が挑戦していないというわけではなく、怪我によりダービーがラストランとなったロジャーバローズを除き、2016年以降のダービー馬(マカヒキ、レイデオロ、ワグネリアン、コントレイル)がジャパンCに挑戦した上で負けている。

また、競走能力とは関係のない小ネタではあるが、2013年以降の勝ち馬は隔年で「サ行」「ザ行」から始まる名前の馬が並んでいる。ジェンティルドンナ(2013年)、ショウナンパンドラ (2015年)、シュヴァルグラン (2017年)、スワーヴリチャード(2019年)。今年はシャフリヤールやジャパン、サンレイポケット 、シャドウディーヴァなどが該当する。

多彩なメンバーが火花を散らした2005年ジャパンC

2005年のジャパンCは、世界の強豪が多数出走していた。しかし三冠を獲りたての3歳馬ディープインパクトが有馬記念へ向かうことを表明。世界VS無敗の三冠馬の対決は翌年にお預けとなっていた。そのことを残念がる声も少なくない中での開催だった。

1番人気になったのは前年に天皇賞秋・ジャパンC・有馬記念で驚異の3連勝を収めていたゼンノロブロイ。2番人気はダービーや宝塚記念で2着のハーツクライ、3番人気には外国馬アルカセットが続いた。

この年は、6頭の外国馬が参戦。3歳勢からは菊花賞2着のアドマイヤジャパンらが出走し、ベテラン勢には2003年ジャパンCを制して2005年にも金鯱賞を制していたタップダンスシチーがいた。さらには地方からコスモバルクまでもが参戦し、非常に多彩なメンバーがそろっていた。

レースが始まると、ベテランのタップダンスシチーとストーミーカフェが引っ張る展開に。直線で早めに抜け出しをはかるアルカセットにゼンノロブロイが仕掛けるがとらえきれない。かわりに後方からグングンと伸びてきたのが、ハーツクライだった。しかしラストは驚異の粘りを見せたアルカセットの勝利。ハイペースをうまく凌ぎ切ったアルカセットが、レコードを叩き出したのだった。

騎手の着順も、デットーリ騎手、ルメール騎手、デザーモ騎手、武豊騎手、ファロン騎手と、まさに各国の名手が勢ぞろいする結果となった。菊花賞2着のアドマイヤジャパンが11着に敗れた一方で、2着となった4歳馬ハーツクライは次走の有馬記念でディープインパクトを撃破、翌年は世界を股にかけた活躍をすることになる。有馬記念での勝利は、このジャパンCに伏線があったという見方をするファンは、少なくないだろう。

ブルームの父の母は名牝ウィジャボード

2005年ジャパンCの出走馬たちの多くが、引退後、種牡馬・繁殖牝馬としても成功を収めた。ハーツクライはリスグラシューやジャスタウェイといった最強馬論争に名があがるような名馬を輩出したほか、ワンアンドオンリーがダービーを、シュヴァルグラン・スワーヴリチャードがジャパンCを制して、自身が2着に敗れたレースにリベンジを果たしている。

3着馬ゼンノロブロイはオークス馬サンテミリオンらを、バゴは現役最強クラスのクロノジェネシスや菊花賞馬ビッグウィークらを輩出。スズカマンボは、牝馬二冠を制したメイショウマンボ、チャンピオンズCを制したサンビスタ、中山大障害・中山GJを制したメイショウダッサイと、芝・ダート・障害で活躍馬を輩出している。アドマイヤジャパンも、先日アルテミスSを制した期待の3歳牝馬・サークルオブライフの母父として名を連ねている。

牝馬のヘヴンリーロマンスも、JBCクラシックを制したアウォーディーやUAEダービーを制したラニなどを送り出した。そしてもう一頭の牝馬、外国馬ウィジャボードは英愛ダービー馬オーストラリアを輩出。オーストラリアは種牡馬としても活躍を収めている。その種牡馬オーストラリアの代表産駒の1頭であるブルームが、今年のジャパンCに参戦する。

当時の世界最強牝馬ともいえるウィジャボードとディープインパクトの直接対決は、2005年のジャパンCでは実現しなかった。しかし15年以上の時を経て、ここで双方の血を持つ馬が対決するというのは、非常に感慨深い。今年も、2005年のようなゴール前での激しい競り合いが見られるだろうか。そして近い未来において後継馬同士の激しい競り合いまで見られたら、それこそ競馬ファン冥利に尽きるというものだ。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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