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【ジャパンC】コントレイル、有終の美を飾れるか! 3歳馬シャフリヤールにとって気になるデータとは

2021 11/21 17:00勝木淳
ジャパンCインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

4歳より3、5歳馬優勢も

ダービーと同じ舞台ジャパンCはダービー馬の豪華競演が多く見られるレース。これまでダービー馬が3頭そろったのは08、17、19年の3回。そして、今年のジャパンCでは史上初、ダービー馬が4頭そろう。なかでも4歳馬コントレイルはここが引退レース。この先しばらくダービー馬4頭そろい踏みはないかもしれない。

3頭そろった3回はいずれも先着したのは最年少のダービー馬。ということは今年、先着するのはシャフリヤールだろうか。その点も含め、ここでは過去10年間のデータを使用し、傾向を考えていきたい。


過去10年ジャパンカップ人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績から。1番人気【4-1-2-3】勝率40%、複勝率70%を含め、勝ち馬はすべて5番人気以内。その成績は【10-7-6-27】なので、堅目の決着が多い。かつてはインディジェナス、ファルブラヴ、サラファンなど外国馬が波乱を巻き起こすこともあったが、近年は比較的平穏。6番人気以下は【0-3-4-107】で、ヒモ荒れ決着もなくはないが、本命は上位人気から選ぶべきだろう。


過去10年ジャパンカップ年齢別成績,ⒸSPAIA


気になる年齢別成績を出すと、シャフリヤールの3歳は【2-4-1-15】勝率9.1%、複勝率31.8%。伸び盛りのうえに斤量のアドバンテージがある3歳は有力。ただし勝ったのは12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイといずれも三冠を達成した牝馬。ジャパンCは最近、牝馬が強く、ここ10年【6-2-1-15】勝率25%、複勝率37.5%。ダービー馬に注目が集まる今年、牝馬の話題は少ないが、ユーバーレーベン、カレンブーケドールとコース相性のいい馬が控える。

コントレイルの4歳は【4-2-3-41】勝率8%、複勝率18%、5歳が【4-4-4-34】勝率8.7%、複勝率26.1%なので、主力の3~5歳では4歳はもっとも確率が低い。ただし、4歳で1番人気だと【2-1-0-0】。13年ジェンティルドンナ、16年キタサンブラックが勝ち、12年オルフェーヴルが2着。つまり、1番人気が予想されるコントレイルはむしろ買いともいえる。


過去10年ジャパンカップ枠別成績,ⒸSPAIA


03年以降、Cコースで行われるジャパンCは、同じくCコースで行われる日本ダービーと同様、1枠が【4-3-2-8】勝率23.5%、複勝率52.9%と圧倒的。内外の差云々というより、1枠が群を抜いていい。木曜日の枠順発表にも注目したい。


コントレイルは崩れない

ここからは前走成績別に有力馬を中心に買い材料を探していきたい。


過去10年ジャパンカップ前走天皇賞(秋)組着順別成績,ⒸSPAIA


まず前走天皇賞(秋)【6-3-8-38】勝率10.9%、複勝率30.9%から。2着コントレイル、4着サンレイポケットなど多くが該当する。その着順別成績をみると、2着は【1-0-0-4】勝率、複勝率ともに20%。13年ジェンティルドンナが勝利した。また、4着【2-0-0-3】勝率、複勝率ともに40%はちょっと気になるところ。6着以下も【2-1-3-22】で巻き返しも多いという特徴がある。


過去10年ジャパンカップ前走天皇賞(秋)組前走人気別成績,ⒸSPAIA


これを絞るべく、前走天皇賞(秋)について人気別成績を調べる。コントレイルが当てはまる1番人気は【3-0-3-2】勝率37.5%、複勝率75%。昨年のアーモンドアイなど好走例は多い。裏切ったのは12年5着フェノーメノ、14年9着イスラボニータといずれも3歳馬。古馬だと馬券圏外はない。サンレイポケットが該当する10番人気以下は【0-0-1-15】。であれば12着カレンブーケドールの4番人気【1-0-1-4】勝率16.7%、複勝率33.3%や13着モズベッロの6~9番人気【0-3-1-10】複勝率28.6%を見直したい。


シャフリヤールの前走4着は吉か凶か

次はマカヒキ、アリストテレス、キセキの前走京都大賞典【2-1-0-15】勝率11.1%、複勝率16.7%について。まず今年は阪神で行われたことに注意したい。データはすべて京都で行われたもので、傾向が変わる可能性があるからだ。ましてマカヒキが復活した今年の京都大賞典は、最後の200m13.0と時計を要したタフな競馬。ここにつながっても不思議はない。


過去10年ジャパンカップ前走京都大賞典組前走人気別成績,ⒸSPAIA


前走京都大賞典も人気別成績を出す。ジャパンCで通用するとなると、京都大賞典で人気になるぐらいの格や勢いがないと厳しく、3番人気以内が【2-1-0-8】勝率18.2%、複勝率27.3%。4番人気以下だと【0-0-0-7】。

マカヒキやキセキよりアリストテレスを評価。もっともキセキの4番人気は出走ゼロなので、敬意を表してキセキまではセーフとしたい。9番人気だったマカヒキは勝ったとはいえ、データ上は厳しくなってしまう。

最後にシャフリヤールだが、前走神戸新聞杯は【0-1-0-0】。17年レイデオロがいるが、同馬は神戸新聞杯1着だった。4着に負けたシャフリヤールはどうだろうか。ちなみに前走重賞で1番人気だった3歳は【2-2-1-5】勝率20%、複勝率50%。これだけみると悪くないが、そのうち前走1着だった馬が【2-2-1-1】。つまり前走重賞1番人気、かつ1着だった馬しか好走していない。

道悪という明確な敗因はあるものの、神戸新聞杯4着はどうにもひっかかる。ただし、ダービー馬で同年ジャパンCを勝ったジャングルポケットは、前走菊花賞4着だった。

最後に外国馬。ブリーダーズCターフ2、4着のブルーム、ジャパンが注目だろう。05年以降、前走が同レースだった馬は【0-0-0-3】。05年バゴ8着、ベタートークナウ12着、09年コンデュイット4着と好走はない。ラヴズオンリーユーが勝ったフィリー&メアターフだと05、06年5、3着のウィジャボードがいる。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 2000-2004 00年代前半戦』(星海社新書)。


ジャパンカップインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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