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【エリザベス女王杯】データで明暗くっきり 候補はアカイトリノムスメと前走オールカマー好走馬!

2021 11/7 17:00勝木淳
エリザベス女王杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

3、4歳が断然優勢

さあここから年末まで怒涛のGⅠラッシュだ。あらゆるカテゴリーのチャンピオンが決まり、クライマックスの有馬記念、クラシックを展望するホープフルSへとなだれ込んでいく。競馬をやると時の経過を本当に早く感じるもの。年越しの準備を忘れないようにしたい。

さて、今週は牝馬チャンピオンを決めるエリザベス女王杯。昨年に続き、今年の舞台も阪神芝2200m。京都ではないということを頭に入れつつ、ローテーションなどの傾向を過去10年分のデータから導き出してみたい。


過去10年エリザベス女王杯人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【2-3-2-3】勝率20%、複勝率70%。馬券圏外は3頭なので軸馬としては最適ながら、10年で2勝。不思議と主役は勝ちきれない。2勝は11年スノーフェアリーと20年ラッキーライラック。阪神で行われた昨年は久々の1番人気馬の勝利だった。

勝率では3番人気【4-0-2-4】勝率40%、複勝率60%が最上位。一方で2番人気は【1-1-1-7】勝率10%、複勝率30%と冴えず。どうも上位人気を信用しにくい。女心と秋の空、秋の牝馬はつかみにくい。


過去10年エリザベス女王杯年齢別成績,ⒸSPAIA


今年も秋華賞馬アカイトリノムスメが参戦。例年3歳馬の取捨はカギになる。年齢別成績をみると、3歳は【2-4-2-32】勝率5%、複勝率20%。13年メイショウマンボと17年モズカッチャンの2勝。秋華賞と連勝したのは秋華賞創設以降までさかのぼると、上記メイショウマンボと02年ファインモーション、07年ダイワスカーレットの3頭。14年以降はクロノジェネシスなど壁に跳ね返されている。

主要は4歳【6-3-7-45】勝率9.8%、複勝率26.2%。5歳は【2-2-1-49】勝率3.7%、複勝率9.3%とガクンと落ちる。4歳はオールカマー組のウインマリリン、ウインキートス、レイパパレなど上位人気候補がズラリ。5歳はランブリングアレーやロザムールなどやや手薄。今年も4、5歳馬の評価はメリハリをつけたい。


オールカマー組で評価したいウインキートス

今年はデータも戦力比較も4歳優勢。ここからは前走成績を中心に4歳勢を絞ってみたい。


過去10年エリザベス女王杯前走クラス別成績,ⒸSPAIA


GⅠらしく前走GⅡ【7-6-5-65】勝率8.4%、複勝率21.7%、GⅠ【2-3-4-26】勝率5.7%、複勝率25.7%が好走ゾーンを占める。なお前走GⅠはほぼ秋華賞である。


過去10年エリザベス女王杯前走秋華賞組着順別成績,ⒸSPAIA


前走秋華賞組の着順別成績を出すと、アカイトリノムスメが当てはまる1着は【1-1-0-3】勝率20%、複勝率40%。上記の通り、最近は跳ね返されるケースも多いが、秋華賞組は最低でも3着以内が条件。4着以下に敗れた馬が巻き返した例はあるものの、苦しいと言わざるを得ない。オークスからアカイトリノムスメと同じ臨戦過程であってもステラリアは割引。


過去10年エリザベス女王杯前走GⅡ組レース別成績,ⒸSPAIA


つづいてGⅡ組のレース別成績をみると、ステップレースの府中牝馬Sは【4-5-4-47】勝率6.7%、複勝率21.7%、確率ならば有力馬が当てはまるオールカマー【2-1-0-4】勝率28.6%、複勝率42.9%が目立つ。この2レースに絞ろう。


過去10年エリザベス女王杯前走オールカマー組着順別成績,ⒸSPAIA


牡馬相手のオールカマー組は1着【0-0-0-2】、2着【1-1-0-0】、5着【1-0-0-2】といった傾向。勝ったウインマリリンには気になるデータだが、たった2頭の記録。これをもって危険と判断しないほうがいいだろう。だが敗れた2頭は17年2番人気9着ルージュバック、20年4番人気5着センテリュオと、上位人気を裏切ったという事実は示しておこう。

前走オールカマー2着からは14年3番人気1着ラキシス、15年1番人気2着ヌーヴォレコルトの2頭。ウインキートスはこのデータを味方につけたい。

気になるレイパパレの前走4着は出走馬がいないが、5着が【1-0-0-2】なので、巻き返しがあって不思議はない。勝った1頭は15年6番人気1着マリアライト。翌年マリアライトはまったく同じ臨戦過程でエリザベス女王杯連覇に挑み、1番人気6着だった。これは5歳という年齢の壁が原因になった可能性がある。4歳時は勝っており、レイパパレだって巻き返せる。


過去10年エリザベス女王杯前走府中牝馬S組着順別成績,ⒸSPAIA


府中牝馬S組は5着以内【4-4-2-22】、6着以下【0-1-2-25】、掲示板がひとつの目安になる。6着以下は消しではないが、好走確率がかなり低下する。今年は7着アカイイト、16着デゼルが登録。5着以内不在で、評価しにくい。

3歳アカイトリノムスメとオールカマー上位組のウインマリリン、ウインキートス、レイパパレの対決という図式になりそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 2000-2004 00年代前半戦』(星海社新書)。


エリザベス女王杯インフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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