「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【ローズS】アドマイヤグルーヴなど数々の名牝が制したトライアル ローズSの歴史を振り返る

2021 9/14 06:00緒方きしん
ローズS過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

打倒ソダシを目指す素質馬たち

牝馬三冠の最終戦、秋華賞に向けた戦いが本格化してきた。今年はソダシが札幌記念でラヴズオンリーユーを撃破。紫苑Sでは桜花賞3着馬のファインルージュが勝利した。残念ながら桜花賞2着馬のサトノレイナスは骨折により秋競馬が絶望的になったが、今週のローズSにも楽しみな牝馬が出走を予定している。

今年は、オークス4,5着馬のタガノパッションとアールドヴィーヴルが参戦。祖母がエアグルーヴのアンドヴァラナウト、仏オークス馬を母に持つオヌールなど良血馬も顔を揃える。さらにエイシンヒカリ、モーリス、エピファネイア、リオンディーズ、ゴールドシップといった新興勢力の種牡馬たちの産駒も集まった。秋冬の飛躍が楽しみなメンバーが揃ったと言って良いだろう。

秋華賞に向けた最有力の一戦とも言えるローズS。1983年に創設されて以降、アドマイヤグルーヴやキョウエイマーチ、エアメサイア、ヌーヴォレコルトといった数えきれないほどの名牝たちがここを制してきた。今回は、ローズSの歴史を振り返る。

1番人気は明暗が分かれる

ローズS過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA


ここ5年で1番人気は2勝、他の3年は着外という両極端な結果になっている。2020年は1番人気フアナが11着、18年はサトノワルキューレが6着、17年はファンディーナが6着に敗れている。上記3頭はいずれもGⅠ未勝利馬。一方、1番人気で勝利したダノンファンタジーとシンハライトはいずれもGⅠ馬だった。

また、2桁人気の馬が馬券圏内に食い込むということも多い一戦。昨年は2着が14番人気、3着が11番人気という波乱の決着となり、三連単11390倍という百万馬券が飛び出した。17年にも馬連が2万馬券と高配当に。過去には08年にマイネレーツェル・ムードインディゴが、同じく馬連2万円オーバーの波乱を巻き起こした。

過去1番人気に応えた馬たちは名牝揃いで、古くはメジロラモーヌにマックスビューティ、ヒシアマゾンが勝利。近年もホエールキャプチャやジェンティルドンナ、デニムアンドルビーなどが1番人気に応えている。

秋華賞に直結した09年ローズS

印象的なローズSといえば、2009年。当時の二冠牝馬ブエナビスタは凱旋門賞の前哨戦として挑んだ札幌記念で敗北、渡仏は白紙となり秋華賞へと直行することになった。桜花賞・オークスで辛酸を嘗めた各陣営は、打倒ブエナビスタで盛り上がった。そんな有力馬たちが集ったのが2009年だ。

1番人気に支持されたのは、桜花賞・オークスで連続2着のレッドディザイア。ブエナビスタ以外に先着を許したことがなく、単勝1.4倍の圧倒的な人気を集めた。他にも阪神JFで3着のミクロコスモスやオークスを放馬で除外されつつもそのポテンシャルを評価されていたワイドサファイアといったメンバーが出走。そんな中で勝利したのは28.2倍の5番人気ブロードストリート。レッドディザイアにクビ差競り勝った。

そして迎えた秋華賞。結果はレッドディザイアが勝利し、牝馬三冠の最終戦を逆転でものにした。ブエナビスタの3着降着もあって2着にはブロードストリートが繰り上がり、ローズS組のワンツーが実現。さらには4着クーデグレイス、5着ミクロコスモスもローズSの3,4着馬で、掲示板はローズS組の2着→1着→(ブエナビスタ)→3着→4着という結果に。もっといえば、1〜8着馬が、3着ブエナビスタを除いてローズS組で占められた。当時のローズSの重要さが伺える。

リスグラシューに続けるか

しかし、歴史あるローズSとはいえ、近年は本番の秋華賞で苦戦傾向にあるのも事実。ここ5年はローズS組の秋華賞制覇はなく、連対馬すら3年連続で輩出できていない状況だ。かわりに、秋華賞覇者はデアリングタクト、クロノジェネシス、アーモンドアイとオークスからの直行馬が連勝している。

近年のローズSが輩出した大物といえば、リスグラシューだろう。リスグラシューは桜花賞2着、オークス5着、秋華賞2着と牝馬三冠で惜敗。ローズSでも3着に敗れていた。しかし5歳で才能が開花してからは宝塚記念、豪GⅠコックスプレート、有馬記念を連勝。アーモンドアイを破って年度代表馬に選出された。

今年のメンバーにも、春のクラシックで悔しい思いをしてきた馬や、今後の伸びしろを感じる馬が多い。本番には圧倒的な人気を集めるであろうソダシが参戦予定。秋華賞の前哨戦としても、今後の飛躍を占う一戦としても、お楽しみいただきたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。



《関連記事》
【ローズS】実績馬アールドヴィーヴル本命も 穴候補は上がり馬から2頭
【セントライト記念】ソーヴァリアントはデータを覆せるか 買うべきは春の実績馬タイトルホルダーと?
「関東馬の復権」「G1のルメール・川田・福永理論」 2021年上半期のG1をデータで振り返る

おすすめの記事