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【ローズS】実績馬アールドヴィーヴル本命も 穴候補は上がり馬から2頭

2021 9/12 17:05勝木淳
ローズSインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

少数精鋭の関東馬には注意

秋華賞の最終トライアルであるローズSは、GⅠからGⅠへというローテが主流になりつつあり、曲がり角を迎えた。昨年ローズS経由で秋華賞出走は6頭、6、8、10、11、13、17着。このローテで秋華賞を勝利したのは15年ミッキークイーンが最後。18、19年はカンタービレ、シゲルピンクダイヤが3着。今年もソダシは札幌記念から、ユーバーレーベン、アカイトリノムスメはオークスから直行予定。徐々に主流から外れつつある。

今年の舞台も昨年に続き中京芝2000m、秋華賞も今年は阪神芝2000m。条件が変わることでローズSの復権はあるだろうか。ここでは過去10年間のデータをローテーション中心にみていく。


過去10年ローズS人気別成績,ⒸSPAIA


秋のトライアルは春の実績馬VS夏の上がり馬という図式が一般的。1番人気【5-1-0-4】勝率50%、複勝率60%。このうち春のクラシック以来だった馬は【5-1-0-3】。前走オークスに限ると【5-1-0-1】。1番人気がオークス以来の実績馬であればまず堅実だ。ただ2番人気以下は8番人気まで勝率10%でほぼ横一線。複勝率でみると9番人気までは大差がなく、10番人気以下も【0-4-3-57】と馬券圏内に入る可能性はあり、アタマは堅く、ヒモで荒れるといった傾向がある。


過去10年ローズS所属別成績,ⒸSPAIA


東のトライアル紫苑Sが重賞になってから関西馬が東上するケースは増えたが、反対に関東馬が西下することは減った。基本的には関西馬が【8-9-8-108】勝率6.0%、複勝率18.8%と大半ながら、少数精鋭の関東馬は【2-1-2-12】勝率11.8%、複勝率29.4%と気を吐く。今年は上位人気に推されそうなクールキャットがスタンバイ。本番を控え、あえて2度輸送するローテを進む、強気な選択は好走のサインかもしれない。


オークス組で買えるのはアールドヴィーヴル

さて、ここからは具体的なローテーションについて掘り下げてみたい。基本的に春の実績馬が強いレースだが、今年もオークス以来という馬が複数おり、どの馬を選ぶべきか迷うところ。この点について傾向を探りたい。


過去10年ローズS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


人気のところでも触れたが、前走GⅠは【8-4-2-47】勝率13.1%、複勝率23.0%、ここを中心視したい。夏の上がり馬を含め、前走条件戦組は【2-5-8-61】。複勝圏内は十分考えられるが、ここは取捨選択が難しい。



過去10年ローズS前走オークス組着順別成績,ⒸSPAIA


まずは【8-4-2-37】の前走オークス組について。着順別成績をみると、5着以内が【7-2-2-7】、6着以下が【1-2-0-29】。オークスで掲示板を確保した組はここでも強力だ。タガノパッション、アールドヴィーヴルは素直に評価したいところだ。


過去10年ローズS前走オークス組脚質別成績,ⒸSPAIA


オークスでの位置取りについて調べると、中団【5-4-1-23】勝率15.2%、複勝率30.3%、後方【2-0-1-7】勝率20%、複勝率30%で控えていた組が優勢。上記2頭と18着エンスージアズムがこのデータに合致する。なおオークスで逃げた馬は過去10年で出走なし。00年以降は【0-0-0-3】。所属別であげたクールキャットはどうだろうか。


過去10年ローズS前走オークス組人気別成績,ⒸSPAIA


さらに別角度から。オークスでの人気別成績を出すと、オークス時点である程度評価された馬の成績がよく、4番人気以内だと【6-2-1-9】。今年の最高はクールキャットの6番人気。6~9番人気は【2-2-1-14】勝率10.5%、複勝率26.3%なので、クールキャットと7番人気だったアールドヴィーヴルは好走範囲内だろう。なお10番人気以下だと【0-0-0-9】。10番人気だったタガノパッションは厳しいか。


過去10年ローズS前走条件戦組着差別成績,ⒸSPAIA


最後に傾向を探りにくい条件戦組について、着差別データを出す。数は少ないものの、確率的には大きな着差をつけて勝った馬ほど好走する。0.1~0.2差で勝つと【2-0-1-18】勝率9.5%、複勝率14.3%だが、0.3~0.5差は【0-2-1-5】複勝率37.5%で優先出走権を獲得する可能性がぐっと上昇する。つまりは複勝圏内突入の可能性がある。今年は都井岬特別(1勝クラス、小倉芝2000m)で0.7差1着のイリマ、小倉芝1800mの1勝クラス平場戦で0.3差1着のストゥーティがスタンバイ。複穴候補として面白そうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 1990-1994 90年代前半戦』(星海社新書)。


ローズSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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