今年の札幌記念はAコースで行われる
先週から2回札幌が開幕。2回札幌は1回札幌から7週間ぶりの開催となるが、芝コースは前開催と比べて時計を要していた。これは2回札幌開催前にエアレーションを施したことで、馬場が柔らかくなったのが理由だろう。このパターンは開催が進むにつれて馬場が硬くなり、どんどん時計が速くなるケースがとても多い。
また、札幌記念は例年Cコース使用で外差し馬場だが、今年はAコースで行われる。それに加えて、今回は何が何でも逃げたい馬が不在。意識的にハナを主張しに行く馬がいなければ、テンの速さでトーラスジェミニがハナという組み合わせだ。
ローカルコースは総じて最後の直線が短く、札幌芝コースも同様。前半が遅いペースだとしても、3~4角から一気にペースアップすることがある。しかし、早仕掛けして押し切れるような馬は、ラヴズオンリーユーくらいでそこまで速くなりそうもない。それだけにインコースからの粘り込みを警戒したい。
能力値1~5位馬の紹介

【能力値1位 ラヴズオンリーユー】
4戦4勝でオークスを優勝した素質馬。一時期スランプになっていたが、ここにきて復調。特に前走の香港GⅠ・QE2世Cは、タイムワープの逃げで超絶スローペースの展開を、五分のスタートから好位の外4番手でレースを運び、3角から徐々に進出。4角で2番手の外にいたエグザルタントのさらに外に出して2列目まで押し上げ、ラスト1Fで終始内の3番手を立ち回ったデアリングタクトを引き離す形。ゴール手前で外からグローリーヴェイズに差されそうになったが、同馬を3/4差で振り切って優勝した。
同馬はいい脚を長く使えるのが強みで、直線の長いコースのほうが向いている。また、今秋も海外のBCフィリー&メアターフが秋の最大目標とのこと。休養明けのここはあくまで叩き台だろう。それでも能力で好走してしまう可能性もあるが、なるべくならばここはあくまで脚馴らしにしておいたほうが、海外での期待値は上がる。
また、鞍上の川田騎手は先週の小倉記念のファルコニアで3角外から動いて失速したように、特に最後の直線が短いコースでは早めに動いてくるので、そういうレースをした場合は、末脚が不発する危険性もある。重い印を打ちたい馬ではあるが、リスクも伴う人気馬である。
【能力値2位 マイネルウィルトス】
前々走の福島民報杯では大差勝ちと、異様な強さを見せた。前々走が自己最高指数「-26pt」だったように、かなり不良馬場が得意なのだろう。凱旋門賞に遠征して馬場が向くようであれば、ある程度の善戦は期待できたかもしれない。
休養明けの前走、函館記念は調教不足だったことからも、万全の状態ではなかったはず。負けたのは実力ではない。今回はひと叩きされての上昇が見込めるが、問題は高速馬場にどこまで対応できるかだ。
【能力値3位 トーラスジェミニ】
4走前の東風Sでは3頭の先行争いを制して、超ハイペースで逃げ切り勝ち。自己最高指数「-23pt」を記録と、かなり力をつけている。前々走の安田記念は、内のダイワキャグニーに行かせて、馬場のギリギリ良い内から同馬に並びかけていく形。折り合ったことでペースをややスローペースまで落とすことができ、5着と善戦した。
前走の七夕賞でも内のロザムールがハナを主張してきたので、同馬に行かせて2番手を追走。ラスト3Fで先頭に立ち、直線入口で馬場のいい外へ出した。そこからしぶとく粘ってクビ差で勝利。結果的に前が楽な展開だったが、芝2000mでも甘さを見せなくなったのは、折り合いがつくようになったからだろう。
今回も平均ペースの範囲内で収まれば距離には対応できると見ているが、ずっとレースを使われているだけに、大きな上積みは見込めない状況。ここに向けてどこまで余力があるかがカギになるだろう。
【能力値4位 ステイフーリッシュ】
決め手はそこまでないが、前に行けると異様な強さを発揮する馬。前走の京都記念でも2番枠から好スタートを決め、押してハナを狙ったが、内からハッピーグリンがスッとハナを主張してきたのでこれを行かせて2番手を追走。3番手以下を大きく引き離し、5F通過は59秒3の平均ペース。4角で外からラヴズオンリーユーが仕掛けてきたタイミングで同馬も仕掛け、しぶとく粘りラヴズオンリーユーと0.2秒差の2着に善戦した。
同馬の自己最高指数は、昨年の中山芝2200m戦AJCCで指数「-23pt」。楽に前の位置を取るにはもっと距離があったほうがいいが、トーラスジェミニが同馬にハナを譲る等で極端に速いペースにならなければ、前で戦える強みが生きるはず。今回は休養明けだが、有利な内枠。ペース次第ではチャンスがあるだろう。
【能力値5位 サトノセシル】
前々走で2勝クラスを逃げて勝利したものの、格上挑戦の前走クイーンSでは、テンの速い馬が多いうえに、外枠でハナに行くのは難しい状況だったため、控えて中団。内枠のローザノワールが出ムチを入れて、1角までにハナを切ったことですぐに隊列が形成された。前半はそこまで速い流れではなかったが、ラスト4F目から後続を引き離しにいったため一気にペースアップ。
クイーンS当日は午前中に小雨が降り、レース直前に雨が降ったことを考えると、良馬場でもタフな状態。結果的にローザノワールが速めに動いたことで、前が苦しくなったと見ている。今回はさらに相手強化。前走以上の競馬となると、簡単ではない。
穴馬は昨年の札幌記念の2着馬ペルシアンナイト
ペルシアンナイトは2018年の大阪杯で2着の実績があり、それが同馬の自己最高指数「-23pt」。同馬は2017年のマイルCSで外差し馬場の大外枠で展開に恵まれて優勝して以来、マイル路線を主体に使われてきたが、ベストは芝2000mで昨夏のこのレースでも2着に好走している。
今年は昨秋のマイルCSから大幅距離延長となった有馬記念で、勝ち馬クロノジェネシスと0.6秒差(7着)に善戦したことで、中距離路線に矛先を向けてきた。休養明けの2戦、金鯱賞、大阪杯は不得意な重馬場で本来の能力を出し切れなかった。ただ前走の鳴尾記念では、ユニコーンライオンが逃げて行った行ったの展開を、少し出遅れさらに左右から寄られ、後方からの競馬になりながらも4着と上出来の内容。ある程度時計が掛かる良馬場のここは、ペルシアンナイトに向く条件だけに、ここで連対圏内突入の可能性は十分にある。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ラヴズオンリーユーの前走指数「-24」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.4秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
《関連記事》
・【札幌記念】激突牝馬2強! ソダシとラヴズオンリーユー、買うならどっちだ?
・【北九州記念】モズスーパーフレアに暗雲!? ハイブリッド式消去法の本命候補はもう1頭の外国産馬
・【札幌記念】ソダシに襲い掛かる距離の壁 東大HCが札幌芝2000mを徹底検証