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【札幌記念】激突牝馬2強! ソダシとラヴズオンリーユー、買うならどっちだ?

2021 8/15 17:00勝木淳
2021年札幌記念のデータインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

真夏の大一番

エアグルーヴを管理した伊藤雄二元調教師は、札幌記念をGⅠに格上げしたらどうかと主張した。負担重量が実績馬にとってうれしい定量戦、天皇賞(秋)から逆算すると、絶妙なローテを組め、かつ気候的に調整しやすい北海道で行われる札幌記念をGⅠにすることで、夏の北海道シリーズがより一層盛りあがるだろうと考えていた。

サマー2000シリーズ唯一のGⅡである札幌記念は、サマーシリーズとは一線を画す豪華メンバーが集う。今年もラヴズオンリーユー、ソダシと世代を越えた強い牝馬がぶつかる。この2強を中心に過去10年分のデータから札幌記念の傾向を考えてみる。


過去10年人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【1-4-3-2】勝率10%、複勝率80%。堅実といえば堅実だが、豪華メンバーがそろうものの1番人気は1勝にとどまる。それでも馬券圏外だったのはたった2回。13年ロゴタイプと15年トーホウジャッカル以外はすべて3着以内だ。2番人気【4-0-2-4】など上位人気同士の決着が多く、5番人気以内【9-6-8-27】。複穴はないわけではないが、まずは上位人気馬から検討したい。


過去10年年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別の成績をみる。ソダシの3歳は【1-0-1-8】勝率10%、複勝率20%と微妙だが、勝ったのは牝馬の14年2番人気ハープスター。ソダシと同じオークス以来のレースでゴールドシップと叩き合った場面は記憶に新しい。ラヴズオンリーユーの5歳は【3-5-5-28】勝率7.3%、複勝率31.7%。古馬は6歳が【3-2-1-21】勝率11.1%、複勝率22.2%と勝率でやや目立つが、6歳までは横一線といった感じだ。やはりラヴズオンリーユーとソダシの能力差がどのぐらいあるかを推しはかるところから予想すべきだろう。


買うならラヴズオンリーユーよりソダシ

それでは次に前走成績から好走パターンを探っていこう。ローテ面でソダシとラヴズオンリーユーの差を見出せるかもしれない。


過去10年前走クラス別成績,ⒸSPAIA


さすがに札幌記念。前走が重賞以外だと【0-0-0-25】で格下馬は寄せつけない。前走GⅠだった馬は【4-5-7-23】勝率10.3%、複勝率41.0%。まずはここだろう。ただし、この数字には前走海外GⅠは含まれていない。前走が海外のGⅠだと【0-1-1-7】と勝ち馬は出ておらず、2、3着1頭ずつ。海外帰り、真夏の出走は調整が難しそうだ。この内訳はドバイ【0-1-1-4】、香港【0-0-0-1】、シンガポール【0-0-0-1】、オーストラリア【0-0-0-1】。ラヴズオンリーユーと同じ香港QE2世C(クイーンエリザベス2世カップ)だった馬は16年2番人気4着ヌーヴォレコルトがいる。ただQE2世Cでの着順は6着。ラヴズオンリーユーは1着なので、単純に比べられない。


過去10年前走GⅠ組レース別成績,ⒸSPAIA


それでは国内GⅠ組に目を向けよう。レース別成績をみると、安田記念【2-2-1-4】勝率22.2%、複勝率55.6%、宝塚記念【1-2-1-6】勝率10%、複勝率40%が主要ローテ。オークスは【1-0-0-1】。前出のハープスターと12年5番人気4着ハナズゴールの2頭。ハナズゴールの着順を考えれば有力ローテといってよく、ソダシはやはり有力候補だ。


過去10年前走GⅠ組着順別成績,ⒸSPAIA


ソダシは前走オークス8着。デビュー以来初黒星、それも大敗といっていい。これは気になるところ。そこで前走GⅠ組についてその着順別成績をみる。前走6~9着だと【1-0-2-7】勝率10%、複勝率30%。正直、GⅠ組は掲示板以上に来ていた馬の成績がいいが、ソダシが当てはまるゾーンも悪くはない。仕切り直しの一戦で立ち直る余地は十分ある。


過去10年前走GⅠ組前走人気別成績,ⒸSPAIA


もう少しGⅠ組について。前走GⅠでの人気を基準に成績を出すと、前走GⅠ・1番人気だった馬は【1-2-1-0】勝率25%、複勝率は100%。これはソダシにとって心強い。内訳は14年ゴールドシップ、ハープスター、16年モーリス、19年フィエールマンとビッグネームばかり。この5頭の前走GⅠでの着順は1、2、2、1着。厳密にはソダシとは異なる部分もありそうだが……。


今年の函館記念組は

最後にソダシ、ラヴズオンリーユー以外について、前走GⅢ組【5-3-2-48】のデータを掘り下げて考えてみる。

過去10年前走GⅢ組前走レース別成績,ⒸSPAIA


GⅢ組の内訳をみると、やはり函館記念【3-3-2-32】勝率7.5%、複勝率20%が目立つ。実績馬に函館記念組という図式が基本ラインといっていい。今年も函館記念から多数参戦する。


過去10年前走函館記念組前走人気別成績,ⒸSPAIA


函館記念組を整理する指標としてGⅠと同じく函館記念での人気別成績を出す。函館記念1、2番人気は【0-0-0-5】。3番人気以下だった馬の成績がいい。函館記念14番人気2着アイスバブル、12番人気3着バイオスパークが該当する10番人気以下は【0-1-0-9】と頼りない。函館記念組は函館記念で3~9番人気だった馬が望ましいので、今年は函館記念組の出番はあるだろうか。重賞ウイナー多数参戦のハイレベルな戦いだけに難しいのではないだろうか。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。


札幌記念インフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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