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【札幌記念】1番人気は苦戦傾向!好走の鍵は「血統」 札幌記念の歴史を振り返る

2021 8/17 06:00緒方きしん
札幌記念過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA
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夏の一大イベント・札幌記念がやって来た

今週は夏競馬の最高峰とも呼べる一戦、札幌記念。例年GⅠ級の豪華メンバーが集うスーパーGⅡとして短い札幌の夏を盛り上げる。洋芝やコース形態など様々な要素が絡み、予想も観戦も楽しいレースだ。

90年代には、エアグルーヴやセイウンスカイ、ホクトベガ、メジロパーマーといった名馬たちがここを制している。00年代ではアドマイヤムーン、ヘヴンリーロマンス、ファインモーションらが勝利しつつも、マツリダゴッホやブエナビスタ、ジャングルポケットらが敗れている。

今年はそんな豪華な"先輩"たちと比較しても「例年以上に楽しみなメンバー」という言葉があちこちで飛び交っている。2019年に無敗でオークスを制し、前走は香港GⅠを制したラヴズオンリーユー。現在6戦5勝、史上初の白毛GⅠ馬となった桜花賞馬ソダシ。

さらに2019年札幌記念覇者ブラストワンピース、父ゴールドシップが2着に敗れた札幌記念へのリベンジを狙う目黒記念勝ち馬ウインキートス、昨年の札幌記念2着馬ペルシアンナイトなど、安易な『二強対決』にさせないような面々がズラリと揃う。今回は、競馬ファン大注目の一戦・札幌記念の歴史を振り返る。

荒れなくとも1番人気は苦戦傾向

札幌記念過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA



毎年のように大荒れするというイメージもない札幌記念だが、見ての通りこの5年間は1番人気が未勝利である。最後に1番人気馬が勝利したのは2011年のトーセンジョーダンまで遡る必要がある。特にここ2年間はラッキーライラック・フィエールマンといった当時現役屈指の実力馬が人気を裏切って敗れた。2016年にはモーリスが1.6倍で、2014年にはゴールドシップが1.8倍で、2009年にはブエナビスタが1.5倍で、それぞれ2着と敗北。まさに、1番人気にとっては鬼門の重賞と言える。

しかし、1番人気は敗れながらも、3着→3着→2着→3着→2着と、安定感は抜群。この3年間の優勝馬は2番人気→3番人気→2番人気と、こちらも波乱とは言えない決着を見せている。それに伴い、馬連の配当も30倍には届かないような額になっている。

2010年以降、馬連配当は多くが30倍どころか20倍を下回り、30倍を超えるような年は函館開催だった2013年を除くとたったの2回。しかしその2回はどちらも万馬券で、2017年は376.7倍、2015年は140.8倍と、いきなりの爆発力を秘める重賞でもある。

好走馬のその後にも注目

実績馬の参戦が話題を呼ぶ札幌記念だが、好走馬の飛躍が多いのも特徴である。例えば、モーリスが敗れた2016年の札幌記念。1着馬ネオリアリズムはそれが重賞初制覇だったが、秋にはマイルCSで3着に食い込み、翌春には香港GⅠを制している。3着のレインボーラインもその次走・菊花賞で9番人気2着と好走すると2018年には天皇賞(春)を制した。2着だったモーリスも、その日を現役最後の敗北として天皇賞(秋)と香港Cを連勝し、引退の花道を飾った。

2011年の勝ち馬トーセンジョーダンは、次走の天皇賞(秋)で7番人気を跳ね除け勝利すると、ジャパンCで2着、有馬記念で5着と古馬王道路線を盛り上げた。同じく2005年の勝ち馬ヘヴンリーロマンスは次走の天皇賞(秋)で14番人気ながら勝利。昨年の覇者ノームコアも、冬には香港Cを制覇した。

もちろん、セイウンスカイやハープスターのように、ここでの勝利が現役時代ラストの馬券圏内となる馬もいる。2009年ダービー馬ロジユニヴァースは、ラストランが2012年札幌記念だが、実はその前走も2年前の札幌記念(2着)という異色の経歴を持つ。一方、間が空いた札幌記念挑戦という意味では、2002年に1番人気3着と人気を裏切ったコイントスが、2005年に13番人気3着と次は逆の意味で人気を裏切り、三連単200万馬券の立役者の1頭となっている。

今年も輝くか、ハービンジャーの血

洋芝という条件からも、血統が重視されることの多い札幌記念。最近のトレンドはハービンジャー産駒で、昨年は1着ノームコア・2着ペルシアンナイトとハービンジャー産駒のワンツーになっている。2019年もハービンジャー産駒ブラストワンピースが勝利し、2018年には同じくハービンジャー産駒のモズカッチャンが3着に食い込んでいる。

実績で抜けている牝馬2頭に注目が集まるが、札幌記念という舞台の特性を考えると、過去に札幌記念で実績がある馬・血統は無視できない。ソダシの母父であるキングカメハメハも、ラヴズオンリーユーの父であるディープインパクトも、全くもって札幌記念が苦手というわけではないが、それでも3年連続で馬券圏内に送り込んでいるハービンジャーと比べてしまうと適性面では及ばないだろう。

また、2004年にファインモーションが勝利してから2014年ハープスターまで11年連続で関西馬が勝利していたが、それ以降は一変して関東馬5勝・関西馬1勝という戦績になっている。そうした「流れ」にも注目したい。この札幌記念をきっかけに大いなる飛躍を遂げる馬が今年も出ることを願いつつ、今年の札幌記念を迎えたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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