「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【七夕賞】クレッシェンドラヴは【0-0-0-26】データに該当で真っ先に消し!枠順次第では買える馬不在!?

2021 7/7 06:00八木遊
過去10年の七夕賞『7歳以上』かつ『関東馬』の成績ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週は福島の『ラジオNIKKEI賞』を予想した。本命には8番人気グランオフィシエを抜擢したが、14着に惨敗。下半期も“通常モード”でスタートを切ることになった。

今週は11日に福島競馬場で行われるハンデ戦『七夕賞』を予想する。中山開催だった2011年を含めた過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。フルゲート16頭に対し、今年は17頭が登録。除外が想定されるトラストケンシンも含めて進めていきたい。

『7歳以上』×『関東馬』★0.0%★

まず取り上げるのは7歳以上の高齢馬だ。過去10年で【1-1-1-40】(複勝率7.0%)と苦戦している。対象43頭を詳しく見ると、馬券に絡んだ3頭は全て関西馬で、その成績は【1-1-1-14】(同17.6%)だった。一方、関東馬は【0-0-0-26】(同0.0%)と全滅。3着以内は2002年のロードクロノス(2着)までさかのぼる。

今年は2頭がこの条件に当てはまった。1頭は連覇がかかるクレッシェンドラヴ。近3走はGⅠで力負けしているが、得意舞台に戻って上位人気が濃厚だ。しかし、マークされる存在でトップハンデ58kgを背負っての好走は簡単ではないだろう。思い切って消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・クレッシェンドラヴ
・プレシャスブルー

『前走から距離延長』×『ディープインパクト系以外のサンデーサイレンス系』★4.8%★

2つ目のデータは、前走からの距離変動を取り上げる。前走が2000m未満だったいわゆる距離延長組は【5-0-6-46】(複勝率19.3%)と及第点。これに血統データを掛け合わせてみた。対象にしたのはディープインパクト系を除くサンデーサイレンス(SS)系だ。するとその成績は【0-0-1-20】(同4.8%)で、好走率は激減。SS系は、前走2000m以上を使われていた馬【4-5-1-30】(同25.0%)を狙いたい。

今年この条件に当てはまったのは3頭。昨年の日本ダービーで3番人気に支持された素質馬のワーケアは、長期休み明けかつC.ルメール騎手からの乗り替わりで苦戦必至とみる。

【今年の該当馬】
・スカーフェイス
・ワーケア
・ワンダープチュック

『前走から斤量減』×『前走9番人気以下』★5.9%★

続いてはハンデ戦らしく、斤量の関わるデータを取り上げたい。注目は前走から斤量減で臨む馬だ。過去10年の成績は【3-1-8-61】(複勝率16.4%)とまずまず。これに前走の人気順を掛け合わせてみると、前走1~8番人気の【2-1-7-29】(同25.6%)に対し、前走9番人気以下は【1-0-1-32】(同5.9%)と、複勝率に4倍以上の開きがあった。3つ目の消去データはこの組み合わせを採用する。

該当したのは消去済み2頭を含めて6頭。実績馬では、前走の安田記念で5着に好走したトーラスジェミニがここで消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アバルラータ
・カウディーリョ
・ショウナンバルディ
・トーラスジェミニ
・(プレシャスブルー)
・(ワンダープチュック)

『前走逃げ・先行』×『前走6着以下』★6.3%★

4つ目のデータは脚質に注目。前走が逃げもしくは先行していた馬は【3-2-4-41】(複勝率18.0%)。このうち、掲示板(5着)を確保していた馬に限ると、【2-2-3-11】(同38.9%)と高い複勝率をマークしている。一方、前走6着以下に敗れた馬は【1-0-1-30】(同6.3%)と巻き返しは困難。特に前走逃げた馬は【0-0-0-8】(同0.0%)だった。

4つ目の消去条件に当てはまった4頭は、いずれも福島の芝コース未経験。未知の魅力を感じるが、消去法に従って消しとしたい。

【今年の該当馬】
・(カウディーリョ)
・クラージュゲリエ
・ブラックマジック
・ロザムール

『前走上がり4位以下』×『今回馬番13~16番』★0.0%★

最後は、前走の上がりタイムを取り上げる。前走で上がり3ハロン3位以内の末脚を使っていた馬は【4-5-2-28】(複勝率28.2%)という好成績を残している。一方、同4位以下だと【6-4-8-94】(同16.1%)と信頼度は下がる。特に今回13番枠から外の枠順に収まった馬は【0-0-0-27】と、一度も3着以内がない。

残った5頭のうち、なんと4頭は前走の上がり3ハロンが4位以下だった。もし外枠(馬番13~16番)に入った場合は迷わず消去したい。

【今年の該当候補】
・アールスター
・ツーエムアロンソ
・マウントゴールド
・ヴァンケドミンゴ

5つの条件を経て、確実に消去を免れたのはただ1頭。5日時点で唯一の除外対象であるトラストケンシンとなった。回避馬が出て、もしトラストケンシンが出走できれば、この馬を本命としたい。もし、出走が叶わず、5つ目のデータで残った4頭がそろって13番枠から外に入れば「ケン」の可能性も……。どちらにしても金曜日の枠順発表を待ちたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(7月4日時点の回収率は27.9%)。

《関連記事》
【七夕賞】クレッシェンドラヴ連覇に黄色信号! 前走新潟大敗は好走サイン!? 一変なるかヴァンケドミンゴ
【プロキオンS】舞台は小倉ダート1700m! カギを握る距離短縮組の取捨とは?
上手な付き合い方のコツは?ルメール騎手の「買える、買えない条件」