マイルの王道を歩むグレナディアガーズに挑めるのは短距離路線馬
NHKマイルCの傾向を一言でいえば「バラバラ」。直近10年を見ても逃げ切りが3回あるかと思えば、4角10番手以降からの追込が2回決まっているし、ペースを見ても上がりを見ても年によってバラバラ。10年間良馬場だったにも関わらず、これだけバラつきがある。開催時期的にもクラシック1冠目と2冠目の間ということもあり、ここ1本で狙って出てくる馬もいれば、1冠目の桜花賞や皐月賞から向かってくる馬もいて、どのローテが正解かというのも正直ないといっていい。


しかし、今年の3歳戦線は傾向として「距離適性に忠実なローテを組んでいる」ように感じる。桜花賞17着に敗れたヨカヨカが王道のオークスではなく葵Sへの転戦を発表したのが象徴的で、実際に2歳時2000mのG1ホープフルSに出走した馬でNHKマイルCに登録してきた馬は1頭(ランドオブリバティ)しかいない。ほとんどの陣営が2歳の時点で3歳の路線をどう戦うかを決めていたことが伺える。
また、近年は1番人気が4年連続で優勝しておらず、なかなか「どの馬が今マイルで最強か」を見極めるのが難しいレースであるわけだが、今年の登録馬たちを見ると2000m中心に戦っていた馬が今年は少ないため、純粋にマイル付近での結果がよい馬を評価する作戦でいってみたい。
純粋なマイル実績なら2歳チャンピオン・グレナディアガーズ
まずは1600m、マイルでの過去実績を確認しよう。全登録馬でタイム順に確認すると1位は朝日杯FS勝ちのグレナディアガーズが記録した1.32.3となる。しかし、桜花賞でソダシが1.31.1という時計を出し、7着までが1分31秒台となっていたので、グレナディアガーズも2歳時のこの時計から成長がないと3歳マイルチャンピオンにはなれない印象だ。アタマ鉄板というより軸に最適とにしておきたい。

2位は2歳時のデイリー杯2歳S2着のホウオウアマゾンによる1.32.4。しかしこちらは3歳時、重馬場ではあるが同じ1600mのアーリントンCを勝っており、馬場が悪かったため時計は比較できないが3歳のマイルで結果を出している。
デイリー杯2歳Sにてアタマ差で屈した相手であるレッドベルオーブは皐月賞8着、道中6番手から直線入る段階で2番手まで上げており、距離が長かった印象が強く、こちらに出走していれば好勝負だった可能性は高い。そんな相手にタイム差なしの勝負をしていた以上、軽視は禁物だろう。
3位以下は正直パッとしない。シンザン記念や桜花賞といった1600mの良馬場出走組はいるが、3歳時の時計なのに上位2頭に負けているし、上がりが優秀であるなどの光る要素もないので、ここでピックアップできそうな印象はない。
1400m実績でもグレナディアガーズは無視できないが
距離が200m短い1400mではファルコンS上位2頭が浮かび上がる。ルークズネストとグレナディアガーズの1.20.1だ。

ファルコンSでのルークズネストは逃げ切りとなるが、グレナディアガーズとはアタマ差。クビの上げ下げとなり、もう少し粘れそうかどうかはやってみなければ分からない内容で、今回その先が見られるということになろう。同じくグレナディアガーズからすればもう少し距離あれば確実に捕まえられたかもという内容。マイル時計ランキングで最上位だった馬が1400nでわずかに取りこぼしただけと考えれば、信頼が揺らぐほどではない。
他ではグレイイングリーン(抽選対象)とソングラインがランクイン。ソングラインに関しては桜花賞15着大敗をどう評価するかが問題。接触があり力を発揮できていなかったという見方もあり、その答えが今回出る。印は回しておきたいところだ。
あと、気になる馬として札幌新馬1500mを1.30.5で勝ち、弥生賞2着としているシュネルマイスターの存在だ。3戦しかしておらず、2戦目の1600mひいらぎ賞は先行抜け出し3馬身差の快勝。全力を出していないと考えれば時計実績がないのも納得だろう。勝ってもおかしくない馬だ。
軸として安心なのは短距離~マイルで安定しているグレナディアガーズだ。しかし、ホウオウアマゾンやシュネルマイスター、ルークズネスト、ソングライン、グレイイングリーンの逆転に期待し、ホウオウアマゾンを軸とした5頭へのマルチ3連単で組み合わせによる高配当を狙ってみるのも面白い。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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