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【ニュージーランドT予想】実は単純明快なレース!今年は「内枠」「先行」「人気薄」の番

ニュージーランドTスローペースの年枠別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

「決め打ち」が利くレース

4月10日に中山競馬場で行われるのはニュージーランドT。同じ3歳マイル重賞でも、世間の注目は言うまでもなく翌日の桜花賞に集まっていることだろう。

それでも我々はニュージーランドTを買うのだ。来たるクラシック第一冠への「資金稼ぎ」などと体のいい言い訳を自分に言い聞かせて、多くの場合はその資金を目減りさせる結末を迎えるのだが。

一線級がわざわざ選ばない番組ゆえの混戦、紛れの多い中山のマイルというコース。いかにも荒れそうな条件で施行されるこのレースには、穴党馬券ファンを惹きつける魔力がある。16年には3連単105万馬券、17年には同49万馬券が飛び出した。近3年こそ鳴りを潜めているが、果敢に伏兵を狙ってナンボの一戦だ。

そんなニュージーランドTの傾向を、過去10年のデータで見てみよう。11年は阪神代替開催のため、実質は過去9年となる。ペースと脚質を切り口にすると、単純明快な傾向が見られる。スローペースで先行馬が勝つ年は2着、あるいは3着まで先行馬を連れてきて、差し馬が勝つ年は2着、あるいは3着まで差し馬が独占。

ニュージーランドTのペースと上位馬の脚質ⒸSPAIA



当然のことのようでいて、ここまで前残りor差し決着という両極端で定義できる重賞は珍しい。実力の抜けた存在がほとんど出走してこないからこそ、当日の馬場傾向とペースで全てが決まってしまうようなレースが多い。

実際、過去9年で1~3番目に前半3Fの遅かった13,17,19年はいずれも前残り、それ以外の年はほぼ1、2着ともに差し、追い込み馬という決着になっている。

唯一の例外は12年に前半34.0秒のハイペースを3番手から勝ったカレンブラックヒル。2~7着までが差しという決着の中、堂々と2馬身半差Vを決めた同馬は、その後NHKマイルを逃げ切り、毎日王冠で56キロを背負って古馬を撃破。なるほど、過去9年の出走馬でただ1頭の「実力の抜けた存在」だったのかもしれない。

「内枠」「先行」「人気薄」の年

さてここまで述べたように、前残りの馬場、あるいはスローペースなら「行った行った」の決着。反対に外差し馬場、ハイペースなら差し追い込み馬だけの決着。今年はどちらで考えればいいのか。

先述の13,17,19年を見ると前半はそれぞれ3F35.7秒、36.3秒、35.9秒。どうやら35秒後半のペースで入れば「前決め打ち」がハマるようだ。

今年の登録馬を見渡すと、逃げ候補はタイムトゥヘヴン、バスラットレオン、ゲンパチミーティアあたりか。いずれも逃げ必須の馬ではないし、競ってまで行くメリットもない。バスラットレオンが逃げて前走の35.9秒を踏襲するならば、「前決め打ち」の年だ。

ニュージランドトロフィーのペースと枠別成績ⒸSPAIA



そこで、もう一度13,17,19年の決着を詳しく見てみる。13年は2枠3番、2番手から進めた12番人気ストーミングスターが3着。17年は1着が3枠6番、4番手から抜け出しのジョーストリクトリ(12番人気)、2着は2枠4番、逃げたメイソンジュニア(8番人気)。19年は最内枠から逃げたワイドファラオ(4番人気)が勝っている。

「前決め打ち」の年は、どうやら「内枠決め打ち」の年でもあるらしい。しかも、そこそこの人気薄も来ている。前提の読みが合っているものとして、以下条件にマッチする馬から印を打っていく。

条件に合致するのは?

本命は内枠、先行馬という条件に合致するバスラットレオン。今回と同じマイル戦では朝日杯FS4着、シンザン記念3着と重賞でも上位の存在だ。特に朝日杯は(離れた4番手とはいえ)前半33.7秒というハイペースを先行しての好走。この馬を中心にヒモ荒れを考えるレースになりそうだ。

対抗はワザモノ。シンザン記念はシュートから発走となる中京の芝1600mで14番枠。位置をとれず、外で脚を使わされながらも8着と最低限の格好はつけた。同コースの前走は先行策からきっちり勝利を挙げ、今回は2枠4番の絶好枠。人気薄で面白いのはここだろう。

こちらも内枠を引き当てたアヴェラーレが3番手。加速ラップで数字的にも目立った前走はもちろん、新馬戦も追えば追うほど伸びていくような走りでスケール感は抜群だ。ただ、末脚が素晴らしく切れる馬だけに、わざわざ東京での好走後、トリッキーな中山替わりで推す魅力はさほどない。

以下も内枠、前に行ける馬を中心に考えてシティレインボー、ヴィジュネル、ゲンパチミーティアまで印を回す。特にゲンパチミーティアはダート1000m戦でもハナを切れるテンの速さを持ち、バスラットレオンを出走させる矢作厩舎2頭出しの人気薄。果敢な先行がウリの木幡巧騎手で不気味な存在だ。

▽ニュージーランドT予想▽
◎バスラットレオン
◯ワザモノ
▲アヴェラーレ
△シティレインボー
×ヴィジュネル
☆ゲンパチミーティア


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