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【桜花賞】祖母の逸したタイトルに24年越しの挑戦 今年の桜花賞には血のドラマが満載

2021 4/6 06:00緒方きしん
桜花賞過去5年間の優勝馬ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

今週も"無敗馬"か?

三冠馬VS短距離女王で盛り上がった大阪杯は、4番人気のレイパパレが勝利。二強ないし三強の前評判だっただけに、その圧勝っぷりに驚いた方も多かったことだろう。レイパパレは歴史的名馬を一気に倒し、無敗のままGⅠ制覇。ディープ産駒の人気馬を倒したニューヒロインもまた、ディープ産駒だった。

さて、今週からは春のクラシックが開幕。今週も"無敗馬"が大舞台に挑む。また、2週連続GⅠ制覇となった川田騎手は、チューリップ賞を制したエリザベスタワーとコンビで出走。無敗馬か、絶好調騎手か、それとも──。

桜花賞過去5年間の優勝馬ⒸSPAIA



ここ3年は、デアリングタクト、グランアレグリア、アーモンドアイと、どうしてか2番人気が3連勝を果たしている桜花賞。稍重になった2017年こそ単勝40.8倍のレーヌミノルが勝利しているが、2016年は3番人気ジュエラー、2番人気シンハライトのワンツー。

ラッキーライラック、レシステンシア、メジャーエンブレムといった名牝たちが、1番人気に推されながらも敗れてきた。1番人気が勝利したのは2014年ハープスターが最後。今年も強力な1番人気馬がいる状況だが、波乱も視野に入れつつ予想した方が無難そうだ。

三冠牝馬の"ムスメ"が参戦

今年の注目馬の一角がアカイトリノムスメ。母は三冠牝馬アパパネで、父はディープインパクト という良血馬だ。「アパパネ」は、ハワイ固有種の赤い鳥に由来した馬名。その娘だから「アカイトリノムスメ」という、単純明快だが、親しみやすい馬名ではないだろうか。

今年、アカイトリノムスメが桜花賞を制覇したら、桜花賞の母娘制覇という偉業達成となる。気が早いが、桜花賞を制したとすれば、前人未到の『母娘牝馬三冠』という可能性も出てくる。

毎年たくさんの産駒を送り出せる種牡馬と違い、母親と娘で続けて三冠達成となれば、しばらくは誰も到達できない記録となるだろう。新馬戦敗北→未勝利戦勝利→条件戦・赤松賞勝利という流れは母同様の足取りで、さらに親子で重ねて見るファンも多いだろう。

親子制覇というとなかなか厳しいかもしれないが、母のリベンジを目指す馬は他にもいる。アネモネSで2着のジネストラは、母がハッピーパス。ハッピーパスは現役時代、桜花賞で4着に敗れている。クイーンCで2着、フィリーズレビューで2着と好走し、本番でも3 番人気に推されたが、テイエムオーシャンが立ちはだかった。

ハッピーパスは繁殖として成功するも、チェッキーノはオークス2着、コディーノは皐月賞3着と、惜しくもクラシックに到達していない。勢いはまだまだ健在の血統で、ここらでクラシックホースを輩出しておきたいところ。

メジロドーベル・エアグルーヴが同じ血統表に

血統的なロマンで言えば、名牝・メジロドーベルの孫、ホウオウイクセルも注目だ。秋華賞が創設され、いわゆる「牝馬三冠」が現在の形になったのは1996年。その翌年のクラシックで活躍したのがこのメジロドーベルである。

メジロドーベルは父メジロライアン・母父パーソロンという血統で、サフラン賞・いちょうS・阪神3歳牝馬Sと連勝しGⅠ制覇。しかし桜花賞では快速馬キョウエイマーチが4馬身差で勝利するなか2着。メジロドーベルはその後オークス・秋華賞を制覇しただけに、牝馬三冠という意味では悔いの残る一戦となった。

古馬になったメジロドーベルは、当時まだGⅡだった大阪杯に出走。しかしそこで1歳先輩の名牝エアグルーヴに敗北する。リベンジの舞台は秋のエリザベス女王杯。単勝1.4倍と圧倒的人気を集めたエアグルーヴを相手に、メジロドーベルは勝利を収めた。

この名勝負から20年以上の時を経て、ホウオウイクセルが桜花賞に出走。祖母の手にできなかった桜花賞というタイトルを目指す。ちなみに、ホウオウイクセルの父はルーラーシップ、その母はエアグルーヴである。母の母、父の母として、同年代の2頭の名牝が名を並べるというのは感慨深い。

エアグルーヴも現役時代にオークスを制覇しているものの、桜花賞は未出走、秋華賞は10着という戦績。2頭の祖母の念願であるタイトルを、果たして得ることは出来るのだろうか。

九州産馬、マル外、白毛馬

今年の桜花賞は様々な記録が期待される一戦となる。九州産馬ヨカヨカのGⅠ制覇、マル外エリザベスタワーのクラシック制覇、そして白毛馬ソダシの桜花賞制覇。白毛馬の桜花賞制覇はもちろん過去にはなく、芦毛馬でも1994年のオグリローマン以来となる。

「毛色ひとつで……」と思う方もいるかもしれないが実際のソダシを見ると、なるほど美しい。レース中でも目を引く鮮やかな"純白"だ。そのソダシが今回、無敗で桜花賞制覇を目指す。

現在の一点の曇りもない戦績表をいつまで保つことが出来るだろうか。実力は十分であり、すでに『アイドルホース』としての風格が出てきている。ここでダメ押しの勝ち星を手にして、最近盛り上がりつつある競馬界の新アイドルの座を手にしたい。

今年の有力馬は、例年通りと言えばそれまでだが、ディープインパクトの血を引く馬が多い。ディープ産駒のアカイトリノムスメ、サトノレイナス、母父ディープのアールドヴィーヴル、ククナ、父父ディープのメイケイエール、ファインルージュ……。思えば、大阪杯でニューヒロインとなったレイパパレも、ディープ産駒である。名種牡馬だけに、大舞台で見かけないことの方が珍しい状況だ。

そんなディープ産駒らを相手に、ソダシは父クロフネ、母父キングカメハメハという血統……とは言いつつ、ディープもソダシもクロフネ&キンカメも、すべてオーナーは同じなのではあるが。ソダシにとっては、今年に入って急逝した父クロフネに捧げる勝ち星を手にしたいところでもある。

いよいよクラシック開幕。三冠馬が2頭登場した昨年と比べて、どんなクラシックになるのか、目が離せない。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。レオダーバンの菊花賞をみて競馬の魅力に取り憑かれ、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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