距離延長組は不振
3月14日(日)に阪神競馬場で行われるフィリーズレビュー(GⅡ・芝1400m)。阪神JF5着の九州産馬ヨカヨカ、ファンタジーS2着のオパールムーンなどの実績馬も出走するが、1勝クラスや未勝利戦を勝ち上がってきた馬など伏兵も多彩だ。桜花賞への切符を手にするのはどの馬か。過去の傾向も踏まえながら予想していきたい。

まず、過去5年のフィリーズレビューにおける前走距離別成績を見ていく。芝1500m以上組は【2-3-3-23】、芝1400m組は【4-1-2-29】、芝1200m以下組は【0-0-0-16】、ダート組は【0-0-0-7】となっている。
このデータから前走が芝1400m以上である組が好成績であるのに対し、前走が芝1200m以下やダートであった場合には、全く結果を残せていないことが分かる。これは、フィリーズレビューが距離適性を問われるということよりも、この時期の3歳牝馬の目標は桜花賞であり、そこを目指す強い馬は1200m戦をわざわざ使うメリットがほとんどないため、芝1400m以上のレースの方がハイレベルだと考えたほうがよさそうだ。
今年は芝1200mから転戦してくる馬も多いが、基本的にはバッサリ切ってしまっていいだろう。
阪神JF大敗組もサッパリ

次に、過去5年のフィリーズレビューにおける、阪神JF出走馬の成績を見ていく。阪神JF1~9着だった馬の成績は【1-3-2-2】と非常に安定感があるのに対し、10着以下だった馬の成績は【0-0-0-12】と壊滅状態。過去10年に広げても、阪神JF大敗馬で馬券に絡んだのは2014年のニホンピロアンバーと2013年のメイショウマンボのみであり、阪神JFで全く通用しなかった馬の変わり身はあまり期待できない。
逆に阪神JFである程度通用した馬は好成績であるので、今年のヨカヨカやオパールムーンには期待できる。
ハイペース濃厚で本命はオパールムーン
以上のデータを踏まえ、本命はオパールムーンとする。前走の阪神JFでは後方から追い込み0.5秒差の6着。十分に上位馬相手と渡り合えることを示した。今回は前走よりメンバーレベルがかなり下がることに加え、1200m戦からの転戦組や快速馬フリードも出走するのでハイペースが濃厚。後方待機のこの馬にとっては展開も向くだろう。また、前走のゴール前では脚色が鈍っていたことから、マイルよりも1400mの方が良さそう。好条件がそろった今回はチャンスだ。
対抗はヨカヨカ。阪神JF5着馬で地力は最上位。阪神JFは、同型も多くタイトなペースで逃げた中で最後までしぶとく粘ったのは能力が高い証拠だ。やはりマイルは少し長いと思われるので今回の距離短縮は歓迎だが、ペースが厳しくなりそうなのがネック。最後の最後に差されてしまうとみて対抗とする。
3番手はアンブレラデート。今回と同舞台の前走は、前半34.1という淀みないペースで逃げ、最後までしぶとく粘って2着。翌週の阪急杯で逃げ切ったレシステンシアの前半3Fは34.0であることを考慮すると、それに近いペースで逃げて3着以下を離しているのは力がある。母ダイワスカーレットのよいところを引き継いでおり、しぶとさを生かせるレースが理想。ヨカヨカをマークしながら運べれば一発があっても驚けない。
4番手にエルカスティージョ。新馬戦は内の3番手で折り合い、直線であっさりと抜け出し後続を突き放す完勝だった。負かした相手が次走で2桁着順に沈んでいるためレースレベルに疑問は残るが、この馬自身はまだ余裕があり、いきなりの重賞でも上位争いできる素質は秘めている。
エイシンヒテンは単騎で自分のペースで逃げることができれば強いが、今回はメンバー的にすんなり先手を取ることは難しそう。阪神JFでは2桁着順で凡走データにも当てはまることから、今回は軽視したい。
買い目は◎オパールムーンの単勝と馬連◎-○▲△を中心に、▲アンブレラデートからのワイドも押さえておきたい。(文:川崎)
▽フィリーズレビュー予想印▽
◎オパールムーン
○ヨカヨカ
▲アンブレラデート
△エルカスティージョ
消エイシンヒテン
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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