2月生まれにご用心
2021年最初のGIは、2月21日(日)に東京競馬場で行われる第38回フェブラリーS。メンバーを見渡すと小粒で混戦ムードかなと思うが、馬券的には妙味十分。昨年同様、南関東から実力馬の参戦もうれしい限りだ。その地方所属馬は2011年にフリオーソ(船橋)が2着になって以来馬券に絡んでいないが、今年のメンバーならチャンスは十分あるのではないか。
地方馬に頑張ってほしいというのは願望も込みなのだが、果たしてデータ上でも勝機はあるのだろうか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。
ここ10年で地方馬の出走は8回。連対したのはフリオーソだけなので、連対率は12.5%。対するJRA所属馬だが、栗東所属馬が17連対、連対率は13.4%。3着馬は全て栗東所属馬が占めている。ただ出走頭数も美浦所属や地方馬に比べて圧倒的に多く、同じように比較していいか迷うところ。
数字がよくないのは美浦所属馬で、22頭が出走して連対馬は2頭だけ。しかも同一馬(ノンコノユメ)。連対率も8.7%と物足りない。
2011年に2着となったフリオーソだが、前走で川崎記念を勝っての参戦。フリオーソと同じ船橋所属のミューチャリーも前走で川崎記念を走っている(4着)。さらに4走前までさかのぼっても使ったレースが全く同じ。フリオーソは4走全て連対、ミューチャリーは連対が一度もないのが大きな差だが、4走とも掲示板には載っている。配当的な妙味からも、押さえておいて損はないだろう。
ダートレースといえば芝に比べて好走馬の平均年齢が高い傾向にあるのだが、フェブラリーSの勝ち馬10頭は4~6歳馬。7歳以上だと2着馬が4頭だけとなっている。特に7歳馬は6歳馬に次いで出走頭数が多いので、勝ち馬が出ていないのは不満。最も成績がいいのは5歳馬の7連対で、連対率も20%を超えている。2位が4歳馬の14.8%だから、この項目では5歳馬有利と結論付けてよさそう。
年齢もそうだが、ダート競馬は馬体重が重い馬の方が成績がいい。この項目に関してはフェブラリーSでも通用するようで、499キロ以下の馬【2-3-2-54】に対して、500キロ以上の馬は【8-7-8-74】。ほかの競馬場に比べると軽いといわれる東京の砂だが、やはりダートはダート。馬格がある方が有利のようだ。
そして、ダートの本場といえばアメリカ。サンデー系をはじめとした内国産に押されっぱなしの外国産馬だが、このレースに限っては10年間で3勝を挙げて気を吐いている。
そのアメリカ産馬と同じく3勝を挙げているのがゴールドアリュール産駒。2着馬ものべ4頭出しているように、このレースとの相性は抜群だ。
また、前走1着馬の成績がよく、7勝、2着4回。重賞ではよく見かけるデータだが、フェブラリーSはGIである。
GIといえば、前哨戦を叩き台にして調子を上げ、本番に挑むというパターンが多かったが、近年は適度に間隔をあけて、使うレースは勝ちにいくのが主流になりつつある。それが前走1着馬の好成績と関係しているのかもしれない。
最後に誕生月を。3歳戦ではないから関係ないと思いつつも一応調べてみたのだが、これが思いもよらぬ結果に。勝っているのは3月か4月生まれだけ。ほかの月からは勝ち馬が出ていない。
レース名(フェブラリー)にもなっている2月生まれは23頭が出走して2着が1回だけ。2月生まれが強かった「きさらぎ(2月)賞」とはえらい違いだ。