クリソベリルが能力値1位、最高値1位
12月6日に中京競馬場でチャンピオンズカップが行われる。まずは国内無敗のクリソベリルが人気の中心となりそう。昨年のこのレースを優勝していることから、適性面も問題ない。また、前走のJBCクラシックも優勝しており、一見全く死角がないように見える。
しかし、過去前走でJBCクラシックを優勝した馬は、ほとんどがが苦戦している。JBCクラシックは2001年に創設されたが、19年で16頭のJBCクラシックの優勝馬が次走でこのレース(かつてはJCダート)に挑み、15頭が敗れている。
唯一の連勝馬は、2007年のヴァーミリアンのみ。そのヴァーミリアンも3年連続でJBCクラシックを優勝した猛者だが、このレースでは1勝2敗だ。あの名馬アドマイヤドンも3年連続でJBCクラシックを優勝しているが、次走のJCダートでは3年連続で敗れている。ハイレベルのG1戦を連勝することは、簡単なことではないということだ。
ましてクリソベリルの場合は、休養明け緒戦の前走で自己最高値タイの指数を記録した後の一戦となり、いかにも反動が出そうな臨戦過程。同馬は能力も勢いもここでは断然だが、今回は歴代の猛者たちが容易に突破できなかった、難しいハードルが待ち受けている。前走との比較で指数をダウンさせる危険性もあるだけに、今秋のG1レース1番人気の連続優勝に終止符が打たれても不思議ない。
クリソベリルの逆転候補は?
クリソベリルの逆転候補筆頭はチュウワウィザードだ。同馬はデビューからダートのみを使われているが、4着以下だったのは昨年のこのレースだけという堅実な成績。ここでは能力値4位タイとなる。
昨年のチャンピオンズCは、休養明けのJBCクラシックを優勝した後の一戦で4着。歴代の猛者たちが苦戦した臨戦過程だったことを考えれば、負けて強しと言える。同馬は川崎記念では好指数で圧勝。能力を出し切った場合の強さ、最高値の高さは「-36」とここではトップクラスのものがある。
前々走の帝王賞は、休養明けで3着と及第点。前走のJBCクラシックも休養明けで、外枠から押して緩みないペースで逃げるダノンファラオを追い駆け、3~4コーナーでは外から並びかけて行く、攻めの騎乗で3着。ただですら先行馬に厳しいペースなのに、休養明けでスタミナが不足した状態の同馬にとっては、余計に苦しかったはず。
JBCクラシックで逃げバテの5着だったダノンファラオが、次走の浦和記念で巻き返して優勝を収めているのも経調材料となる。また陣営から「前走はクリソベリルのいい目標になってしまいました」というコメントが出ているだけに、今回は同馬をマークする立場での騎乗が推測される。クリソベリルとの逆転の可能性は十分あるだろう。
3歳最強(?)カフェファラオは、古馬の一線級が相手でも通用するか?
カフェファラオは3戦3勝で今年のユニコーンSを圧勝。しかし、次走のジャパンダートダービーでは、休養明け好走の反動が出て7着に失速した。2Fの距離延長を意識してゆっくりと追走したかったところを、ミヤジコクオウが徹底マークして、早仕掛けをせざるを得なくなったのも敗因のひとつである。
しかし、ジャパンダートダービーから立て直された、前走のシリウスSでは見事巻き返してみせた。ただ今年のシリウスSはメンバーがかなり平凡だったし、何とか展開が向いて差し切ったという内容。指数も平凡でその勝利自体にはあまり価値はないが、今回に向けて余力を残せたとも判断できる。
この馬の潜在能力は高く、ユニコーンSで見せた走りが本物ならば、ここで一変し、古馬一線級相手でも好走できるだろう。ただ、半信半疑なのは、芝レベルの超絶高速ダートだったために、基礎スピードの違いと受け取ることもできる。前走から大きな上積みがなかった場合は、ここでは通用しない可能性もありそう。
穴馬は?
もっともお薦めの穴馬は、前走のみやこSで終始早めの競馬となり、厳しい展開となって4着に敗れたエアアルマスだ。前走は骨折による長期休養明けの一戦だっただけに、もっと大敗してもおかしくなかったが、4着までしぶとく粘ったあたりは能力の高さと言える。さすがはダート転向後、一気に上昇軌道に乗って3連勝し、前々走の東海Sでインティを撃破して優勝しただけの馬である。
今回はひと叩きされて、順当に上積みが見込める。昨年の武蔵野Sでは包まれてもろにキックバックを食らって大敗したが、経験を積んでそれにも慣れてきた。潜在能力の高さがうかがえるだけに、ここで一気の上昇が期待できる。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)クリソベリルの前走指数「-37」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも3.7秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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