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【チャンピオンズC】クリソベリルはある1つのジンクスを乗り越えられるかがカギ 中京ダートの好走馬を探る

2020 12/1 06:00高橋楓
チャンピオンズC過去5年の優勝馬
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ⒸSPAIA

舞台は中京!先行馬に要注意!

「うっぷん晴らし」。この言葉がここまで似合うレースは他になかったのではないだろうか。

2001年10月27日武蔵野ステークス。出走を希望していた天皇賞(秋)で当時の外国産馬枠に対し獲得賞金額が足りず、このレースに回ってきたクロフネ。これが衝撃の始まりだった。前年のNHKマイルカップの覇者イーグルカフェに9馬身差の大楽勝。続く今回のレースの前身であるジャパンカップダートでは馬なりのまま4コーナーで先頭に立つと、前年の優勝馬ウイングアローに7馬身差の快勝。

2戦連続のJRAレコードは翌年以降の活躍を大いに期待させた。故障さえなければどれ程の活躍ができたのか、今でも想像する事がある。それほどのレースぶりだった。

過去5年優勝馬



2014年から舞台を中京ダート1800mに移動して行われているチャンピオンズカップ。向こう正面は下りになっていて、最後の直線では上り坂とアップダウンが激しいコースになっているため、スタミナのある先行馬が断然有利になっている。とはいっても、GⅠになると先行争いが激しくなり、追い込み馬にも勝機は十分。逃げ馬は[0-0-2-4]と3着に残るのが精一杯といった印象だ。

平均配当は「馬連4333円」「3連単111680円」

平均配当



中京移行後の平均配当を見ると2015年サンビスタが12番人気で制しているため、大きく上がっている。先行有利のコース形態だが、4コーナーを回った段階で10番手以降の馬でも連に絡んでいる。特に前走、前々走で上がり3ハロン2位以内の末脚を披露していた馬には注意が必要だ。

一桁馬番の馬には要注目!

馬番別成績



中京移行後では1桁馬番[6-3-5-40]、2桁馬番[0-3-1-35]と大きく差が出ている。2017年には前年度覇者サウンドトゥルーが14番に入り2番人気11着。14番以降の馬は馬券に絡んだ事がないだけに、当日の馬番には注意が必要だ。

前走レース別



開催の歴史が浅くレースで絞ってしまうとバラつきがでてしまうため、クラスで絞ってみるとはっきりと傾向が出た。前走、地方交流GⅠ出走組が断然の成績で[5-2-2-23]となっている。ここ3年は南部杯出走組の成績が良く、2017年ゴールドドリーム、2018年ルヴァンスレーヴが1着、昨年はゴールドドリームが2着に入っている。

逆に鬼門なのはJBCクラシック優勝馬。中京移行後は[0-1-0-5]で4頭が掲示板にも載れていない。前身のジャパンカップダート時代も[1-3-3-3]とあまたの名馬が挑んでは敗れ、連勝を達成したのは2007年のヴァーミリアンただ1頭だけだった。今年の大本命クリソベリルはこのジンクスを破れるだろうか。JRA出走馬は武蔵野Sを中心にGⅢ組は[0-4-3-37]と2着まで、GⅠ組は[0-0-1-6]と奮っていない。

中京ダート1800mが得意な騎手を探せ!

中京ダ1800騎手別

2012年3月にリニューアルされた中京競馬場。以降、チャンピオンズカップと同じダート1800m戦は計488レース行われた。一番勝ち星が多かったのは藤岡康太騎手で[21-18-13-121]。続いては福永祐一騎手で[18-11-13-59]複勝率は41.6%というハイアベレージとなっている。以降、北村友一騎手[17-16-16-86]武豊騎手[17-10-5-53]、太宰啓介騎手[16-3-5-123]と続く。ちなみにクリソベリル騎乗予定の川田将雅騎手は[13-13-7-56]で6位の成績となっている。

中京ダ1800種牡馬別



ジョッキーランキングと同様に種牡馬でも探っていく。1位はクロフネ産駒[23-19-17-191]となっている。2位はゴールドアリュール産駒[21-22-19-186]上位人気に支持されそうなクリソベリル、ゴールドドリーム、サンライズノヴァがここに該当する。

以下、シンボリクリスエス産駒[21-14-23-184]マンハッタンカフェ産駒[20-14-10-113]キングカメハメハ産駒[19-28-22-222]と続く。

「前走交流GⅠ5着以内」「中京適性」「1桁馬番」に当てはまるのは

まだ生まれ変わって6回しか行われていない新しいGⅠなだけに、現状の傾向とダート界の力関係を加味して考えると、

・アルクトス(南部杯1着)
・クリソベリル(JBCクラシック1着)
・チュウワウィザード(JBCクラシック3着)

の3頭が有力視される。
まず、アルクトスは前走の南部杯で「1:32.7」という驚異的なレコードタイムを記録。従来の南部杯のレコードは2016年コパノリッキーの「1:33.5」、日本レコードはクロフネが武蔵野Sで記録した「1:33.3」であり、この数字を大きく更新した。

過去に中京での出走歴はないが、左回り[7-2-0-4]右回り[1-0-0-3]と左回りで好成績を出している。中京ダート1800mでアドマイヤオーラ産駒[1-0-1-13]田辺裕信騎手[1-2-4-26]と物足りない数字ではあるが、上昇度は侮れない。チュウワウィザードは昨年、JBCクラシック制覇から転戦してこの舞台4着。初めて馬券圏内を外した。しかしダメージはなく、年が明けると早々に川崎記念を制覇。近2走ともにクリソベリルに敗れてはいるが、この舞台で父キングカメハメハ産駒は結果が出ており、乗り替わりの戸崎圭太騎手は[9-2-4-21]で複勝率41.7%とハイアベレージ。見限る事はできない。

最後に国内無敗のクリソベリル。成績にケチのつけようもなく、先行して上がり3ハロンは全レース2位以内。唯一の不安はJBCクラシック馬のジンクスくらいか。あとは、枠番抽選次第である。この3頭がどの枠を引き当てるか注目だ。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。