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【チャンピオンズC】クリソベリルにはお手上げも内有利のコース形態で狙いたい穴馬は?

2020 12/5 06:00坂上明大
チャンピオンズC トラックバイアス インフォグラフィック
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ⒸSPAIA

3歳王者から現役最強馬に

ジャパンCダートがチャンピオンズCと名称を変え、舞台も中京ダート1800mへ移って早7年目。中央GⅠとあって例年メンバーレベルは相当高いが、内有利が顕著なイス取りゲーム的側面も外せない視点となっている。今年、有利ポジションを取るのはどの馬か、過去のレースラップやトラックバイアスをもとに分析していく。

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

2019年チャンピオンズC トラックバイアス インフォグラフィック


【チャンピオンズC】
昨年のチャンピオンズCは、インティの単騎逃げで3F別ラップが36.6-36.2-35.7の平均からやや緩めの流れ。さらに中京ダート特有の角度のきついコーナーの影響で、「内有利」が顕著な競馬であった。

1着馬クリソベリルは絶好位での競馬。ただ、直線では前が壁で進路取りに苦労し、ラスト3Fは11.9-11.8-11.7程度と脚を余しての快勝であった。展開利を生かした面はあるが、展開を味方につけられる先行力は今年も大きな武器となる。その後の活躍ぶりからも、現ダート中距離路線では頭一つ抜けた存在であることは間違いない。

2着馬ゴールドドリームは11番枠ではあったが、ルメール騎手がギリギリまで我慢させて直線もスムーズに加速。個別ラップが示す通り、自身の力を出し切っての2着であった。

3着馬インティもマイペースで行って、持ち味を存分に生かすことができただろう。

4着馬チュウワウィザードはクリソベリルの後ろで運んで、同馬同様に進路取りに苦労。自身の上がり3Fは11.9-11.8-11.8程度とやや脚を余しての4着であった。着差以上の評価が必要。ただ、今年もポジション取りが課題になるだろう。

8着馬タイムフライヤーはインで脚をためたが、勝負どころでの反応が悪く、自身の上がり3Fは11.9-11.9-11.9程度。レース後にマーフィー騎手がメンコを外した方がいいとコメントしており、その後の活躍を見るとこれもひとつの敗因であったか。

さすが中央GⅠとあって全体レベルは相当高く、上記の5頭は当時のパフォーマンスが出せれば今年も上位争いになるレベルだ。

素質抜群の新星

【シリウスS】
推定前傾1.7秒のややハイペース。ただ、中京ダートらしく外差しは厳しい競馬で、「内後有利」。2~4着馬は3~4角で内々に進路を取った馬であった。

1着馬カフェファラオは外枠から外差しでの快勝。メンバーレベルには疑問符がつくが、ここでは本馬1頭が頭一つ抜けていた。さらにパドックの気配からはひと叩きしての上積みも大きいだろう。ただ、もまれ弱いタイプだけにこういう競馬しかできないという点は留意しておきたい。

5着馬メイショウワザシは外先行での敗戦で展開が向かず。ただ、GⅠでとなると地力で粘り切るぐらいの競馬は見せてほしい。

日本レコードでのJpnⅠ制覇

【マイルCS南部杯】
雨開催の高速馬場での日本レコード決着。インティが軽快に逃げて前傾1.1秒だが、馬場の影響もあって大外一気が決まるような馬場ではなかったか。トップマイラー同士の素晴らしい叩き合いであった。

1着馬アルクトスは3番手から最高の競馬。ストライド走法のマイラーだけに、東京か盛岡のダート1600mがピッタリだ。

2着馬モズアスコットは目標になった分もあり粘り切れなかったが、地力は勝ち馬と遜色ない。勝ち馬同様に東京か盛岡のダート1600m向き。

4着馬サンライズノヴァも大箱ダート1600mはピッタリだが、追い込み一手の本馬には少々時計が早過ぎた。

6着馬ゴールドドリームは例年同様やや余裕残しの仕上げ。ひと叩きして、今回が本調子だろう。

8着馬インティはハナを切ったが早々に脱落。久々とはいえ、少々物足りない競馬であった。

内枠の穴馬に期待

2019年最優秀ダートホース・クリソベリルは国内8戦8勝と日本のダート界では頭一つ抜けた存在。先行力も大きな武器であり、ここも崩れることは考えづらい。ただ、8枠15番を引いたことで取りこぼす可能性は高まったか。穴は内枠の3頭。◎以外との地力比較では全く引けを取らない素質馬だ。

◎クリソベリル
☆タイムフライヤー
☆ゴールドドリーム
☆エアアルマス

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。


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