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【チャンピオンズC】前走GⅠを快勝のクリソベリルは死角なし 穴は前走中央重賞大敗組

過去6年のチャンピオンズC 前走別成績 インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

人気薄の激走には法則性がある

12月6日(日)に中京競馬場で行われるチャンピオンズカップ(GⅠ・ダート1800m )。クリソベリルが連覇をかけて参戦するほか、フェブラリーSの覇者でこれがラストランのモズアスコット、新進気鋭の3歳馬カフェファラオ、他にもGⅠ馬が多く参戦した。

帝王賞、JBCクラシックと快勝したクリソベリルに人気が集中しているが、この馬に対抗できる馬はいるのか。データを用いて探してみよう。

過去6年の前走別成績ⒸSPAIA

中京開催になった2014年以降の6年間で最も多くの好走馬を出しているのが前走JBCクラシック組で【2-1-2-23】。頭数の割に優秀なのが前走南部杯組で【2-1-0-3】、連対率と複勝率は50.0%となっている。JBCスプリントから唯一馬券に入ったコパノリッキーも前々走で南部杯を勝っていた点を踏まえると、注目すべき一戦だと言える。

また、過去6年の勝ち馬で唯一交流GⅠを使っていなかったのは昨年のクリソベリルのみだったが、同馬は走ったレース全てで圧勝しており、既にGⅠ級の力を見せていた。以上のことから、基本的には前走で交流GⅠを使った馬を馬券の中心に据えるべきだと考える。

一方で前哨戦の武蔵野Sからは【0-2-0-15】、みやこSからは【0-2-2-19】と勝ち馬が出ていない。しかし人気薄での好走が2年に1回起きている(2014年ナムラビクター8人気2着、2016年アスカノロマン10人気3着、2018年ウェスタールンド8人気2着)。今年は激走がある年かもしれない。

凡走後の一変は難しいが……

過去6年の前走着順別成績ⒸSPAIA

次に出走馬の前走着順別成績を調べたところ、過去6年間で前走1着組は【2-3-1-20】。2着組が【1-0-2-7】、3着組が【1-2-1-11】で、合計すると【4-5-4-38】となっており、チャンピオンズカップで好走した馬の多くは、前走で馬券になっていることが見てとれる。

既にGⅠを勝っている実力馬ならば前走4、5着でも好走可能だが(2014年ホッコータルマエ、2017年ゴールドドリーム)、それ以外は全頭馬券外に敗れており、前走掲示板にも乗れなかった馬の成績は【0-1-2-20】と大敗した馬の巻き返しが難しいレースであることが分かる。

ただし、前走掲示板外から巻き返した3頭には全馬が前走で中央重賞を使っていたという共通点がある。2016年3着のアスカノロマンと2019年3着のインティは前走で大きな展開不利があった。1つ目のポイントと合わせて中央重賞からの巻き返しに期待したい。

データ上ではクリソベリル1強は揺るがない

◎クリソベリル
前走のJBCクラシックは好位追走からあっさり突き抜けて、大井得意のオメガパフュームが手も足も出ないほどの力の違いを見せつけた。交流GⅠで1着をとった上での参戦で、先述の好走条件をクリアしている。一方で昨年しのぎを削ったゴールドドリームやインティは交流GⅠを凡走していてデータ上は買えない。この馬に逆らってでも買える馬を見つけることが出来なかったので本命とした。

○チュウワウィザード
前走JBCクラシック、前々走帝王賞ではクリソベリルに後れをとるものの、力は出し切って3着。昨年のチャンピオンズカップは追い出しが遅れたことが響いてしまい4着になったが、最後の脚色は良く度外視可能な敗戦と考える。それ以外のレースでは馬券を外したことが無く、クリソベリル同様軸として信頼できる1頭。

▲クリンチャー
中央のダート重賞、OP特別を選んで使われ、崩れること無く走った堅実派。前走のみやこSは逃げ馬の後ろを追走して抜け出す横綱相撲で、時計も優秀で強い内容だった。しかし今回のメンバーの中では戦ってきた相手がかなり低レベルで、先述したとおり2014年以降みやこS組は勝ち馬がいない。2、3着候補の1頭として馬券に組み込む。

△モズアスコット
今年のフェブラリーSは中団追走からあっさり抜け出し完勝。前々走南部杯は最後の追い比べで遅れてしまい2着惜敗するも、勝ちに等しい内容だった。前走武蔵野Sは59キロが響いた7着敗戦で敗因も明らかであるにもかかわらず、この大敗によって今回は大幅に人気を落としそうなので、中央重賞大敗から巻き返しが可能な1頭と考える。矢作厩舎の引退レースと言えば昨年のリスグラシューを思い出す。是非買っておきたい。

注エアスピネル
前走の武蔵野Sは先行策からしぶとく粘り一旦先頭に立つ見せ場たっぷりの競馬だった。夏のエルムSは7着大敗でマイルまでしか好走できないと思われているのか、今回は全く人気がなさそう。3歳時には日本ダービー4着、菊花賞3着の実績を持っており、長距離に問題があるわけでは無い。人気と実力の乖離が激しいため、こちらもモズアスコットと同様に中央重賞から巻き返し可能な1頭と考える。

消カフェファラオ
JDDは競走中につまずいてしまうアクシデントがあり大敗。休み明けで挑んだシリウスSは勝利こそしたが、それまでの圧勝続きからは考えられない接戦で、ダメージがまだ残っている可能性がある。

またシリウスSから当レースに参戦した馬は、2014年以降3頭いて全頭馬券外に敗れている。そしてJDDの勝ち馬ダノンファラオはJBCクラシックでクリソベリルと1.5秒差の5着、ユニコーンSで2着だったデュードヴァンは武蔵野Sで14着に大敗し、レパードSを勝ったケンシンコウは武蔵野Sで11着。今年の3歳世代は古馬に通用しない可能性が高い。

買い目はクリソベリル1着固定でチュウワウィザードを2,3着付けとする3連単と、配当妙味を考えクリソベリル以外の4頭でワイドボックスを購入する。(文:福山)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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