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ルメール騎手が無双状態で川田騎手に33勝差 武豊騎手は年間100勝を達成【5回東京・5回阪神開催終了時点の騎手リーディング】

2020 12/1 17:00三木俊幸
2020年騎手リーディングⒸSPAIA
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ルメール騎手は重賞5勝

5回東京・5回阪神開催終了時点の騎手リーディング



2020年最後の開催となった5回東京、そして京都競馬場の改修工事に伴い1か月早く開幕した5回阪神開催が終了。11月7日〜11月29日の間に行われた合計9日間で上位の騎手リーディングに変動はあったのか、また各競馬場で活躍した騎手は誰だったのか、詳しく振り返っていこう。

騎手リーディングトップ5は前開催終了時から変動なかったが、1位のルメール騎手はプラス20勝で191勝まで勝ち星を積み重ね、2年連続での200勝達成が目前に迫ってきている。そんなルメール騎手は、開催初週となった11月7日の京王杯2歳Sではモントライゼを重賞制覇へ導くと、翌日にはオーソリティでアルゼンチン共和国杯を優勝。翌週にはJRA通算1300勝を達成した。

しかし、それだけではない。今開催期間中に行われたエリザベス女王杯、マイルCS、ジャパンC全てを勝利してGⅠ3連勝。前開催最終日に行われた天皇賞(秋)からJRAのGⅠ4連勝中と無双状態となっている。

2位の川田騎手も日別の成績を見ると、2→2→2→1→1→2→1→1→0と最終日以外は勝ち星をあげているものの、大勝ちがなくルメール騎手との差は開く一方。前開催終了時点では25勝差だったが、先週末の競馬が終わった段階では33勝差となってしまった。それでもクリンチャーでみやこS、ダノンザキッドで東京スポーツ杯2歳Sを勝利しており、秋競馬が始まって以降は毎月重賞勝ちが続いている。

3位福永騎手はプラス14勝で125勝まで勝利数を増やした。序盤の2週間で9勝をあげたが、後半は5勝止まり。マイルCS、ジャパンCでは惜しくも2着でルメール騎手の後塵を拝した。しかし、4位の松山騎手は日別成績0→1→2→0→1→1→1→1→1と9勝しか上積みできなかったため、前開催終了時に4勝しかなかった2人の差は9勝にまで広がった。

そして5位の武豊騎手は、1週目に5勝をあげて年間99勝とすると、翌週の11月15日には阪神6Rでレザネフォールを勝利に導いて年間100勝を達成。最終的には105勝まで勝ち星を積み重ねている。

横山武騎手は7勝中6勝が2歳戦

ここからは5回東京、5回阪神開催における競馬場別の騎手成績についても見ていく。

【5回東京開催】
最多の16勝をあげたのはルメール騎手。勝率30.8%、連対率50.0%、複勝率59.6%、重賞3勝という大舞台での勝負強さはもちろん、1日4勝の固め打ちが2回とやはり東京コースでは爆発力があるなと思わせる騎乗ぶりだった。

2位は9勝の三浦騎手。芝・ダートを問わず、中団で脚をためてゴール前で差し切るというレースが多かった印象だ。8勝で3位だった戸崎騎手も含め、2人とも今年序盤はケガにも泣かされたが、関東圏の競馬場では常に安定した成績を残している。

7勝をあげて4位だった横山武騎手は、6勝が2歳戦でのものだった。百日草特別を勝ったエフフォーリアや父ディープインパクト、母アパパネの超良血馬アカイトリノムスメを赤松賞勝利するなど、来年に向けて楽しみな馬でも結果を残した。

【5回阪神開催】
14勝でトップだったのは福永騎手。重賞はデイリー杯2歳Sの1勝のみだったが、開催を通じての単回収率は104%。このところ毎開催高い回収率を誇っており、馬券面での信頼度は高まりを見せている。

2位は11勝の川田騎手。元々関東に遠征した時の騎乗数は少ない傾向にあったが、今開催はトータルでも38回と少なく、阪神での騎乗回数は34回のみだった。8勝で3位だった武豊騎手も含めて、やはり関西圏はリーディング上位の騎手が名を連ねる結果となった。

それ以外の騎手では7勝をあげた北村友騎手が好成績。単回収率163%、複回収率133%だった。残念ながら11月14日に騎乗停止処分を受けており、復帰は12月12日となる。引き続き阪神開催が続くことからも、馬券的に狙える騎手として注目しておきたい。

若手騎手では団野騎手が5勝をあげた。騎乗回数は62回と多く、単回収率も149%と高い成績を残している。減量の恩恵もあるのだろうが、2場開催となった後半2週間で4勝をあげているという点は高く評価されるべきだ。

2020年の競馬も残すところ1開催のみ。このままルメール騎手のリーディング獲得は決定的な状況だが、最後まで怪我なく無事に駆け抜け、素晴らしいレースの数々が見られることを期待したい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。


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