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【ジャパンC】3強で消せる馬はいるのか ハイブリッド式消去法の結論は?

2020 11/25 06:00八木遊
過去10年のジャパンカップ『前走から斤量増』かつ『今回6番人気以下』のインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『マイルCS』は、グランアレグリアが1~4枠に入れば消すという条件だったため、2枠に決まった時点で消去した。直線では内に包まれかけたところまでは想定通りだったのだが……。本命に据えたアドマイヤマーズは3着に健闘したが、対抗のサリオスが5着で的中とはならなかった。

今週の対象レースは、世紀の一戦『ジャパンカップ』。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、馬券対象から1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年はどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

『前走から斤量増』✕『今回6番人気以下』★0.0%★

3歳55kg、4歳以上57kg、そして牝馬2kg減という定量で開催されるジャパンカップ。注目したのは、斤量が前走から増えていた場合だ。前走から斤量増の馬が6番人気以下だった場合、過去10年で【0-0-0-29】と、すべて馬券圏外に消えている。

消去するかどうかは当日の人気次第だが、前走から斤量増の馬は6頭いた。このうちカレンブーケドールとワールドプレミアは5番人気以上になる可能性がありそうだが、他の4頭は消去していいだろう。

【今年の該当候補】
・カレンブーケドール
・クレッシェンドラヴ
・トーラスジェミニ
・パフォーマプロミス
・ヨシオ
・ワールドプレミア

『前走初角6番手以内』✕『前走4着以下』★0.0%★

続いて、前走最初のコーナーで6番手以内を走っていた馬が4着以下に敗れていた場合を取り上げる。過去10年の成績は【0-0-0-20】で、こちらも複勝率0.0%。前走4着以下でも、初角7番手以下なら「4-3-4-41」と巻き返しのチャンスは十分。

今年は5頭がこの条件に当てはまった。3頭はすでに消去済みで、新たにキセキとミッキースワローを消去する。

【今年の該当馬】
・キセキ
・(クレッシェンドラヴ)
・(トーラスジェミニ)
・ミッキースワロー
・(ヨシオ)

『前走から距離短縮』✕『前走上がり4位以下』★0.0%★

3つ目のデータでは前走の距離に注目。過去10年のジャパンカップで苦戦しているのは、距離短縮組だ。なかでも前走で上がり4位以下だった場合は、【0-0-0-12】と全て馬券圏外に敗れている。

今年の出走予定馬の中で距離短縮組は、コントレイル、ユーキャンスマイル、ワールドプレミアの3頭。このうちユーキャンスマイルだけが上がり4位以下だった。

【今年の該当馬】
・ユーキャンスマイル

『前走から中6週以上』✕『前走2番人気以下』★5.3%★

4つ目は前走からの間隔に注目。前走から中6週以上空けてジャパンカップに参戦してきた馬は過去10年でのべ49頭。その成績は【2-4-1-42】だった。このうち前走1番人気だった馬は【2-1-0-8】と健闘していたが、前走2番人気以下は【0-1-0-18】で、複勝率5.3%。唯一の2着馬は、16年に5番人気で2着に好走したサウンズオブアースだった。

今年のジャパンカップでこの条件に当てはまったのは7頭。新たにグローリーヴェイズとマカヒキが消え、さらに1つ目のデータでは条件付きで残っていたカレンブーケドールとワールドプレミアもここで消去となった。

【今年の該当馬】
・カレンブーケドール
・(クレッシェンドラヴ)
・グローリーヴェイズ
・(パフォーマプロミス)
・マカヒキ
・(ヨシオ)
・ワールドプレミア

4つの消去データを経て、残ったのはアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトと外国馬のウェイトゥパリスの合計4頭。このうち、7歳馬ウェイトゥパリスはその実績と近年の外国馬の不振ぶりから馬券の対象には含めない。

5つ目のデータで3強から1頭でも消去したかったのだが、消す要素は見つからず……。特別に3頭の臨戦過程から1頭に絞ることとする。

注目したのは3冠馬3頭の前走だ。それぞれ秋華賞、菊花賞、天皇賞・秋からの参戦。1990年以降、この3レースを制してジャパンカップに出走してきた馬の成績を比較してみた。

・秋華賞1着【2-1-1-1】
・菊花賞1着【0-1-1-2】
・天皇賞・秋1着【3-3-7-5】

3歳馬が秋のビッグタイトルを獲った直後にジャパンカップに出走すること自体が珍しい。一方、天皇賞・秋優勝からの参戦は多く、過去30年で18頭が出走している。

秋華賞・菊花賞組のサンプル数は少ないが、この3つのレースを比較した時、やはり目を引くのが秋華賞組の成績だろう。勝率は40.0%で、複勝率はなんと80.0%にも上る。53kgで出走できる点は非常に魅力的だ。

世紀の一戦は、個人的にエルフィンS前から注目していたデアリングタクトの単勝1点で勝負したい。人気はアーモンドアイとコントレイルに譲るかもしれないが、新女王としてバトンを受け取れるか。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。

※登録17頭のうち、回避が決まっているサートゥルナーリアとラヴズオンリーユーを除く。

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