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【京阪杯】「関西馬10勝」「前走同距離組8勝」前走着順、脚質など覚えておきたいデータ

2020 11/23 17:10勝木淳
2020年京阪杯のデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

関西馬が圧倒的

2020年第65回京阪杯は阪急今津線仁川駅近くの阪神競馬場で施行される。競馬民かつ鉄道民の方はなおのこと混乱するだろうか。京阪と阪急の歴史といえばかなり複雑であり……。いやいや、これを書きはじめると長くなる。ここはあくまで競馬のコラムなので止めておこう。

なにはともあれ、京阪杯は淀駅の京都競馬場ではなく、阪神競馬場で行われる。どんなデータよりもまずはこれを覚えておきたい。その上で京阪杯のデータのなかからローテーションなどを中心に舞台変更の影響を受けにくいものを取り上げ、その傾向を調べていく。なおデータは過去10年間のものを使用する。

東西別成績(過去10年)ⒸSPAIA

西高東低などと言われて長いわけだが、そうは言いつつも関西圏でも関東馬はよく戦っている。たとえば暮れの阪神Cで関西馬【2-6-8-104】に対し関東馬【8-4-2-39】と勝利数では大きく上回るほど。関西圏で人気が落ちる関東馬はむしろ買いというケースもある。

しかしながら京阪杯は関東馬【0-1-2-28】と大ブレーキ。関西馬は質量ともに圧倒的で【10-9-9-112】なので、京阪杯については地元の関西馬から検討した方がよさそうだ。もっとも今年の想定では西下する関東馬に上位人気はいないようだが。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

次に年齢別の成績から勝ち馬をみると、3~5歳で各3勝、6歳1勝と分布はバラバラ。勝率では3歳14.3%で古馬より優位だが、複勝率では3歳19%、4歳22%、5歳23.5%とむしろやや劣勢。世代間で優劣はないと考えていいだろう。それでも勝率が古馬の倍もある3歳にまずは注目する。

3歳前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

登録馬がいればという話になるが、3歳は前走3勝クラス【0-1-0-1】、オープン【2-0-0-9】、GⅢ【1-0-0-0】など下のクラスから勢いそのままにというケースが好走する。

データから浮上するカレンモエ、ロードアクア

では古馬を含めて全体のクラス別成績はどうなっているだろうか。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

3歳の傾向同様、前走3勝クラスは【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%で複勝率トップ。長篠Sを勝ったカレンモエ、北陸Sを勝ったロードアクアの一発には注意したい。

勝率トップは前走GⅢ組の【2-0-0-11】勝率15.4%。勝った2頭は18年ダノンスマッシュ、19年ライトオンキュー。どちらも前走はキーンランドCだった。今年はキーンランドC組からフィアーノロマーノ、北九州記念からはアンヴァル、ジョーカナチャンがそれぞれ出走予定。

前走GⅡは【1-4-3-31】。勝率は低いものの、複勝率は20.5%ある。セントウルS組はタイセイアベニール、トゥラヴェスーラが出走予定だ。前走GⅠは【2-0-1-19】勝率9.1%。スプリンターズSからラブカンプーがスタンバイ。今年、阪神のCBC賞で復活V。斤量は気になるものの、条件は好転する。

前走との距離比較別成績(過去10年)ⒸSPAIA

距離延長、短縮、同距離と前走との距離を比較すると、同距離が【8-5-10-94】と目立つ。延長【0-1-0-5】、短縮【2-4-1-40】なので、前走1200m組から検討したい。

前走1200m組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

前走1着【3-2-2-20】、前走4着【2-1-1-3】あたりが目立ち、掲示板以内とそれ以下では明暗が分かれる。前走1200mを狙うのであれば、5着以内がひとつの目安となるだろう。アンヴァル、タイセイアベニール、リバティハイツ、アマルフィコースト、カレンモエ、ロードアクアが該当。

ただしリバティハイツとアマルフィコーストの前走オパールSは4回京都開幕週。京都でこそという可能性がある。

前走1200mの前走脚質別成績(過去10年)ⒸSPAIA

1200m組のデータをもうひとつ。前走の脚質をみると、逃げ【2-0-1-9】、先行【4-2-2-21】で先行勢が優勢。フィアーノロマーノ、ジョーカナチャン、アマルフィコースト、カレンモエ、ロードアクア、ラブカンプーが該当。

着順と脚質どちらにも該当するアマルフィコースト、カレンモエ、ロードアクアが有力。オパールS組のアマルフィコーストより3勝クラスを勝ったカレンモエ、ロードアクアが最有力といっていい。

京阪杯データインフォグラフィックⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。


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