多彩な路線ゆえに
今週のG1チャンピオンズカップは中京開催になってから7年目になる。つまりサンプルは6回しかないのだが、その6回の結果にもしも極端な傾向があるならば見逃せない。そこで基本的なデータを洗ってみたところ、まずは前走成績で大きく傾向が出ている。
わかりやすいのは優勝馬6頭の前走が全て5着以上であることだ。チャンピオンズカップに至るまでの路線はダートのため地方も含まれ多彩だ。JBCに武蔵野S、南部杯、みやこS、シリウスSや白山大賞典など数えればキリがないのだが、逆にいえばそれだけ前走パターンがあるのは「有力馬が分散している」とも言える。そこで大敗しているようでは話にならないということだろう。
優勝馬だけでなく馬券に絡んだ馬に範囲を広げても、前走4着以下から来た馬は以下のような顔ぶれ。
前走JBCクラシック4着から2014年、中京初のチャンピオンズカップを勝ったのはホッコータルマエ。前々走は初海外のドバイワールドカップ(16着)で、JBCはそれ以来のレースだった。それ以前にGⅠ5勝とバンバン勝っていたのは競馬ファンならおなじみ。
前走5着から勝ったのは2017年のゴールドドリーム。これもこの年、フェブラリーS1着、ドバイワールドカップ14着、帝王賞7着、南部杯5着という流れだ。ホッコータルマエ同様、ドバイに行くような馬ならチャンピオンズカップでようやく間に合うという考え方でよさそうだ。
前走武蔵野S7着から2018年のチャンピオンズCで2着となったのはウェスタールンド。前々走初オープンのシリウスSで2着。その前は1000万下、1600万下を連勝してオープン馬となったばかりの「上がり馬」だった。
残るのは前走みやこS15着だった昨年のインティ(3着)、前走みやこS14着だった2016年のアスカノロマン(3着)。これで馬券圏内だった馬は終わりだ。インティは7連勝でフェブラリーSを勝ったあと帝王賞7着、そしてみやこS、チャンピオンズCという流れだった。
もともと実力があった馬が年内に復活する流れはホッコータルマエパターンだろう。アスカノロマンも前年末から5戦連続で3着以内ののち、帝王賞、南部杯、みやこSと4着以下からの巻き返し。
チャンピオンズCで「前走大敗した馬に許された馬券圏内になる条件」は、春・夏まで強かった馬が調子を落としていた場合、に限られるということだ。