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アイアンショットでうまくボールを打つために大切なこと

2020 1/2 17:00akira yasu
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Ⓒgwycech/Shutterstock.com

番手のロフト角によって、理想的な打ち出し角が異なる

コースを回る上で打つ機会が多いのがアイアンショット。ドライバーに比べれば長さが短く打ちやすいが番手なりのパフォーマンスを発揮させるためにはしっかりとした知識と練習が必要だ。

弾道の性質を表す項目に打ち出し角というものがある。この項目はアイアンショットでしっかりボールをとらえる上でも、ロスなくボールに力を伝えて番手なりに飛距離を出す上でも重要な項目となる。

打ち出し角とはボールが打ち出された時の水平面に対しての角度のことをいう。打ち出し角の理想値はクラブフェース面の角度であるロフト角によって異なる。ロフト角が大きくなると打ち出し角の理想値も高くなる。また、ヘッドスピードによっても理想値は異なり、速くなるほど低い打ち出し角が求められる。

男子プロでは、7番アイアンのロフト角は34度前後で打ち出し角が16度前後。女子プロでは、7番アイアンのロフト角は31度前後で打ち出し角が19度前後が多い。男子プロと女子プロで、使用クラブのロフト角と打ち出し角が逆転しているのは、クラブスピードに差があり使用クラブの性能が異なる傾向にあるためだ。

使用クラブのロフト角を含めた性能もクラブスピードも女子プロに近い一般的な男性ゴルファーの場合、女子プロの平均値を参考にすると良いだろう。

高い弾道は飛距離をロスしている可能性

打ち出し角が理想値より低いショットは飛距離をロスしないこともあるが、理想値より高いショットは高い確率で飛距離をロスする。力が目標方向ではなく上に向かって使われてしまっているためだ。

打ち出し角はインパクト時のロフト角が小さいほど低くなる。クラブフェース面を立ててインパクトするほど低くなるのだ。逆に、インパクト時のロフト角が大きいほど高くなる。フェース面を寝かせてインパクトするほど高くなるのだ。

「いい当たりしているのに番手なりに飛距離が出ない」というゴルファーの多くは、フェース面を寝かせてインパクトしているため打ち出し角が高くなり、飛距離をロスしている

インパクト時のロフト角ほどではないが、入射角、つまりボールに対してクラブヘッドが上から当たるダウンブローの度合いも打ち出し角に影響を与える。入射角が鋭角になるほど打ち出し角は低くなる。入射角が鈍角に、さらにはアッパーブローになるほど打ち出し角は高くなる。

ハンドファーストインパクトとダウンブローの両立

アイアンショットで理想的な打ち出し角を実現するためには、ハンドファーストインパクトと、適度なダウンブローの両立が必要となる。

ハンドファーストインパクトとは手がクラブヘッドよりも先行した状態でインパクトすることをいう。ただ、ハンドファーストインパクトの意識が過剰になると、手の上昇が早くなってしまいかねない。手の上昇が早くなってしまうと、クラブフェースがボールに当たらなくなったり、当たってもクラブフェースが右を向いたインパクトになりボールが右に飛んでしまいやすくなったりする。

手の上昇を抑えて、ハンドファーストインパクトとダウンブローの両立を実現させたいところだ。

ハンドファーストインパクトにしながら、左手首を手のひら側に折って掌屈させ、右手首は甲側に折って背屈させると、ダウンブローと両立させやすくなる。

左手首が背屈し右手首が掌屈すると、クラブヘッドが手より先行した状態でインパクトするハンドレイトインパクトになる。ハンドレイトインパクトでは、打ち出し角が高くなり、飛距離が出にくくなる。

それ以前に、リーディングエッジ(クラブフェースの下側の角)が地面から浮いた形になるのでクラブフェースをボールに当てにくくなってしまう。

ハンドファーストインパクトとダウンブローの両立は、アイアンショットで理想的な打ち出し角を実現するだけでなく、安定してクラブフェースをボールに当てるためにも必要なものとなる。質の高い弾道について理解を深めることが、当たった時に弾道の質が向上するだけでなく、安定して当たることに繋がる。

ツアー選手のようなターフがとれるアイアンショットを目指す

トーナメント中継で選手達のアイアンショットを見ていると、芝を削りながらボールを飛ばしていることが分かる。日本のコースで一般的な和芝ではなく、アメリカなどのコースで一般的な洋芝で行われる大会の中継を見ていると、大きな草鞋のように削られた芝が飛んでいっている。

これらは、ボールの後ろ側の芝を削っているのではなくボールの前側の芝を削っている。つまり、インパクト直後もクラブヘッドは下降しておりダウンブローに打っているということだ。

また、選手のインパクト時のクラブヘッドがボールをとらえる瞬間のアップの映像をスローモーションで流すことがあるが、それを見るとシャフトが目標側に傾いていることが分かる。インパクト時ハンドファーストで、クラブフェース面を立てているのだ。

打ち出し角が低いはずの男子ツアー選手たちの弾道が高く見える、という矛盾を感じるかもしれないが、これは打ち出し角が低くても飛距離が出る分、最高到達点が高くなるためだ。女子プロの7番アイアンの最高到達点の平均が26ヤード前後であるのに対して、男子プロの平均は32ヤード前後だ。

ハンドファーストインパクトとダウンブローの両立は、クラブスピードや使用するアイアンの性能によって求められる度合いは少し異なるものの、必要な要素となる。左手の掌屈と右手の背屈が含まれるため、難易度が高い動きとなるが、クラブフェースをボールに当てるためにも、当たった時にロスなくボールに力を伝えるためにも、習得したいポイントだ。

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