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ドライバーの飛距離アップのために知っておきたい3大要素

2020 1/1 17:00akira yasu
イメージ画像ⒸKrumao/Shutterstock.com
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ⒸKrumao/Shutterstock.com

飛距離3大要素

ゴルファーは誰でも少しでも遠くへボールを飛ばしたいものだろう。特にドライバーショットでは多くのゴルファーが飛距離に強い欲があるのではないだろうか。しかし、飛距離を出そうと、ただやみくもにクラブを振り回しても思うような結果が得られる可能性は低い。

飛距離には3大要素というものがある。初速、打ち出し角、バックスピン量だ。この3大要素について知り、理解を深めることが飛距離アップへとつながる。

ボール初速

ボール初速とはインパクト直後のボールのスピードのことだ。クラブスピードが上がるほど初速も上がりやすくなる。ドライバーショットの場合、クラブスピードの約1.5倍の初速が理想的な数値とされる。

例えば、クラブスピードが40m/s(メートル毎秒)の場合の初速は60m/sが理想的だ。結果を残しているプロの多くにもこれは当てはまる。男子プロはクラブスピードが50m/s前後で初速が75m/s前後。女子プロはクラブスピードが40m/s前後で初速が60m/s前後となっている。

打ち出し角

打ち出し角は、ボールが打ち出された時の水平面に対しての角度のことだ。ヘッドスピードが遅くなるにしたがって打ち出し角の理想値が高くなると言われている。男子プロは11度前後で女子プロは13度前後という数値が多い。理想値より低いとボールが着弾するまでのキャリー距離をロスし、高すぎるとキャリー距離だけでなく、着弾してから転がるランをロスする。打ち出し角はインパクト時のロフト角(クラブフェース面の角度)が大きく影響する。

バックスピン量

バックスピン量はインパクト直後に発生するボールの回転数のことで2600rpm(回転毎分)前後が理想的な数値となる。男子プロも女子プロも2600rpm前後だ。理想値より少ないとキャリーをロスし、理想値より多いとキャリーだけでなく、ランをロスしやすくなる。バックスピン量はインパクト時のロフト角、クラブヘッドの入射角が大きく影響する。また、クラブスピードが速くなるほど、少しのズレによってバックスピン量が増えやすくなる。

打ち出し角度とバックスピン量

トレーナーとしての経験上、女子プロと一般男性ゴルファーのクラブスピードは同程度という場合が多いが、飛距離は女子プロの方が出やすい。女子プロは中弾道でボールの落ち際まで失速せずランが出るが、一般男性ゴルファーの多くは、打ち出し角が低くキャリーが出ないか、理想的な高さで打ち出されたかと思ったらバックスピン量が多く途中からボールがふけ上がって落ち際で失速しランが出ない、となることが多い。

プロのドライバー飛距離3大要素ⒸSPAIA

打ち出し角とバックスピン量をそれぞれ理想値に近い数値で両立させられている女子プロに対して、一般男性ゴルファーで両立させる技術を持っている人は少ないというのが実際だ。

では、その技術を身につけるためにはどうすればいいのか。

スムーズにタイミングよく左右の手を入れ替える

打ち出し角とバックスピン量を両立させるために重要なポイントはいくつもあるが、その内の1つとして、インパクト前後でタイミングよくスムーズに左右の手を入れ替える、ということが挙げられる。

インパクト前に右手の左にある左手を、インパクト後に右手の右にくるようにする動作のことだ。フォーロースルーでは左手が右手の下になる。こうすることで、インパクト時のロフト角やクラブヘッドの入射角が理想値に近づき、打ち出し角とバックスピン量が理想値に近づく。

多くのゴルファーはこの左右の手の入れ替えがスムーズに行われないため、打ち出し角とバックスピン量の両立ができないことが多いようだ。

餅つきの動作を思い浮かべて欲しい。右手を上にして杵を持って餅をつく場合、振り下ろす初期段階では左手は右手の下にあるが、餅をつくまでの間に左手は右手の上にくるはずだ。この左右の手の入れ替えが、最も効率的に餅に力を伝えることができる。

もし左右の手が入れ替わることなく、左右の手を同じスピードで杵を振り下ろしていたら、餅に力を伝えきることはできない。上下と左右で動く方向は違うがゴルフスイングでも原理は同様だ。

正月といえば餅を食べる時期だ。餅つきをする機会があるゴルファーは杵を振り下ろしながらゴルフスイングを思い浮かべてみてはどうだろうか。ゴルフスイングと共通するものがあることを体感できるかもしれない。

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