ツアー初優勝から2週連続Vは史上3人目
女子ゴルフ界でアマチュア時代から脚光を浴びてきた20歳の新星、岩井千怜(ちさと)がツアー本格参戦1年目で旋風を起こしている。
双子の姉・明愛(あきえ)とともに8歳でゴルフを始め、2021年6月に史上4組目の双子姉妹としてプロテストに合格。父と二人三脚の英才教育でめきめきと成長し、陸上競技をはじめスポーツ万能の運動神経を生かした才能が早くも開花した形だ。
8月14日にNEC軽井沢72で、2002年度生まれで一番乗りとなる涙のツアー初優勝を果たすと、8月21日のCATレディースでは通算13アンダーの203で2週連続優勝。ツアー初制覇からの2週連続優勝は1990年の西田智慧子、2005年の表純子に次いで17年ぶり3人目の快挙達成となった。
攻めのショット力で平均バーディー数は3位
岩井千怜のショット力は下半身の強さとフィニッシュまで振り切ってもブレない体幹の強さに支えられている。
ピンを狙う攻めのショットが身上で、8月21日付のツアーデータによると、1試合当たりの平均バーディー数は1位の勝みなみ、2位の西村優菜に次いで3.6512で3位。バーディーかそれより良いスコアを獲得するパーブレーク率も5位と堂々の上位だ。1ラウンド当たりの平均ストローク数は70.8140で7位につけている。
リズム乱れず、パット巧者の一面も
身長162センチ、59キロの体格ながら、ティーショットの平均飛距離は245.46ヤードで16位。パッティングの安定感にも定評があり、パーオンしたホールの平均パット数は1.7697で8位。
CATレディースでも勝負どころでロングパットを次々と決め、グリーン上でリズムが乱れなかった。我慢の展開でも崩れない強さが快進撃につながっている。
ピアノも得意、夢は双子の姉との優勝争い
年齢は違うが、米大リーグエンゼルスの大谷翔平と同じ2002年7月5日生まれ。初優勝のテレビインタビューでは「怖がらずにピンを狙っていけた。これからも活躍し続けたい」と愛くるしい笑顔で応じ、家族の支えに感謝した。
テレビの特集番組では得意のピアノも披露し、プロの夢を問われると「姉と優勝争いを何回もすることです」と目を輝かせ、姉妹で切磋琢磨して成長していく夢を思い描く。
埼玉栄高では姉とともに全国高校選手権特別大会団体優勝。個人で埼玉県女子アマ3連覇も達成している。下部ツアーでは、姉妹で2試合連続優勝して話題にもなった。
姉の明愛もまたスポーツ万能でもともと進路を悩むほどサッカーが得意だったそうだ。埼玉栄高時代の2020年に日本女子オープン選手権で14位に入り、ベストアマチュアを獲得している。
岩井千怜は武蔵丘短大の2年生でもあり、ゴルフにも生かせる「心理学」に興味があり、学んでいるという。弟の光太も埼玉栄ゴルフ部3年生。ファンに愛されるスター性を秘めた岩井姉妹と岩井一家のゴルフ物語を、今後も楽しみにしていきたいところだ。
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