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申ジエ、昨季1試合当たり獲得賞金5位と健在 今季悲願の賞金女王獲得なるか 

2022 2/5 06:00akira yasu
女子プロゴルファーの申ジエ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

昨季も随所に存在感を発揮

2009年の米女子ツアー賞金女王で元世界ランキング1位の申ジエは、日本ツアーの賞金女王のタイトルが最も欲しい選手だろう。2014年から日本ツアーを主戦場にし、毎年のように賞金女王争いをしているものの、あと一歩のところで悲願達成は持ち越しとなってきた。

今季こそはと挑んだ2020-2021シーズンは2020年6月に開幕。しかし、申ジエは、コロナによる入国制限の影響で、初戦が10月の日本女子オープンとなってしまった。復帰3戦目の富士通レディースと5戦目のTOTOジャパンクラシックで優勝するなど、2020-2021シーズンは計4勝。随所に存在感を発揮したものの、出場試合数が他の選手よりも少なくなったことも影響し、賞金女王を争う位置で戦うことができなかった。

1試合あたりの獲得賞金は5位

今季34歳になる申ジエだが、まだ賞金女王を狙える力を持っている。その理由の一つが、1試合当たりの獲得賞金の多さだ。

獲得賞金では賞金女王・稲見萌寧の約半分程度で順位は6位だった。だが、獲得賞金を出場試合数で割った金額はそこまで大きな差はなく、賞金女王争いに加わっていた小祝さくらや西郷真央、西村優菜を上回っていた。

これは、申ジエがまだ賞金女王争いできる力を持っていることを示しているだろう。

2020‐21シーズンの1試合当たり獲得賞金ランキング,ⒸSPAIA

ドライバーの精度は健在、飛距離回復がカギ

申ジエはショットの精度が高く、パーオン率は毎年上位に食い込んでいる。ドライバーの飛距離は出る方ではないが、フェアウェイキープ率が高い。グリーンを狙うショットで他の選手よりも距離は残るが、狙いやすい地点から打てるため、グリーンを高確率でとらえているのだ。

ただ、いくら精度が高いとはいえ、賞金女王争いに加わるためにはこれ以上飛距離を落とすわけにはいかない。2020-2021シーズンのドライビングディスタンスは227.01ヤードで73位。大幅な飛距離アップは難しいかもしれないが、今季は2019年と同水準まで飛距離を伸ばしたいところだ。

申ジエのドライバーショットデータ

賞金女王を今季も狙う

2015、2016年の賞金女王イ・ボミはシード落ちし、2017年賞金ランキング4位のキム・ハヌルは引退を表明した。

日本ツアーで一時代を築いた韓国人選手たちの存在感が薄くなっていく中で、申ジエはまだ戦う。選手生活を終えたあとのことを考えても良い年齢ではあるが「日本ツアーで賞金女王をとるという目標がある。賞金女王を達成してから、その先のことを考えていきたい」と述べている。

2006年から3年連続で韓国ツアー賞金女王に輝いている申ジエ。日韓米、3つのツアーで賞金女王のタイトル獲得となれば、今後現われないかもしれない偉業の達成者となる。また、日本ツアー生涯獲得賞金では、1位の不動裕理に約2億5千万円差まできている。今季の成績次第では来季、生涯獲得賞金トップに立つかもしれない。

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