日本女子ツアー直近4戦3勝 米女子ツアー予選会挑戦へ
10月15日からの富士通レディースと10月21日からのマスターズGCレディースで連勝し、11月4日からのTOTOジャパンクラシックでも優勝した古江彩佳。その結果、賞金女王レースをリードしている稲見萌寧との差が約400万円となり、一気に賞金女王の座が現実味を帯びてきた。
12月には、来季の米女子ツアー出場権をかけた予選会にも挑戦するため、このままの調子を維持して臨みたいところだろう。
10月15日からの富士通レディースと10月21日からのマスターズGCレディースで連勝し、11月4日からのTOTOジャパンクラシックでも優勝した古江彩佳。その結果、賞金女王レースをリードしている稲見萌寧との差が約400万円となり、一気に賞金女王の座が現実味を帯びてきた。
12月には、来季の米女子ツアー出場権をかけた予選会にも挑戦するため、このままの調子を維持して臨みたいところだろう。
パーセーブ率が2位(89.3317%)と堅実なプレースタイルの古江だが、イーグル数が1位(11個)とアグレッシブな面ものぞかせる。
平均パット数(パーオンホール)が1位、平均パット数(1ラウンド当たり)が3位と、パットの精度の高さがイーグル量産の原動力となっている。だが、それだけではイーグルにはつながらない。パー5の2打目でグリーンオンする回数を増やさないことには、パットの精度を生かせないからだ。
通常、イーグルは飛距離の出る選手が有利となる。グリーンを狙うショットで短い番手を持つことができるため、パー5で2オンしやすいからだ。実際、イーグル数上位の面々を見ると、ロングヒッターが多い。
ところが、古江はドライビングディスタンスで60位と、飛距離が出るタイプではない。にもかかわらずイーグル数1位となっているのは、パー5の2打目で使うウッド系クラブ(フェアウェイウッドやユーティリティーなど)の精度の高さが関係していると思われる。
ウッド系クラブは「地面上のボールを打つクラブ」として設計されているため、適度にダウンブローに打つ必要がある。だがその度合いが強過ぎると、フェースの真ん中でヒットしてもスピン量が増えるなどの理由でギアの性能を生かせず、思い通りの球筋になりにくい。
しかし、スイングプレーンがフラット(横振り気味)な古江の場合、ダウンブローになりすぎず、すくい打つようなこともない。このような理想的ともいえるクラブヘッドの入射角により、ミート率やスピン量が安定したショットになるのだ。
また、リズムやテンポを一定にすることを強く意識しているようで、これもプレッシャーがかかるパー5の第2打でも、スイングプレーンや入射角が乱れないポイントとして挙げられる。
古江は一昨年の10月に富士通レディースでアマチュア優勝を達成した。昨年も9月のデサントレディースで優勝し、11月には伊藤園レディスとエリエールレディスで連勝している。過去7勝(アマ優勝含む)すべてが9月から11月ということからも、「秋に強い古江」の好調が続く可能性は高い。
東京オリンピックでは日本代表入り圏内だったにもかかわらず、逆転で稲見にその座を奪われた。今度は古江が賞金女王レースで稲見を逆転し、女王の座をつかむのだろうか。そしてそのタイトルを引っ提げ、米女子ツアー本格参戦となるのか。
2020、2021年の統合シーズンとなった今季。佳境を迎える賞金女王争いと、渋野日向子とともに挑戦する古江の米ツアー予選会の戦いに注目だ。
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