ショットのスタッツでは稲見萌寧と同水準
東京オリンピック銀メダリストであり、その後も6戦中2勝と快進撃が続いている稲見萌寧。これで今季(2020-2021)は8勝となり、賞金女王レースもリードしている。
一方で、稲見のパーオン率、トータルドライビング、ボールストライキングと大差ないのが一学年上(黄金世代)の植竹希望(ウエタケノゾミ)と高橋彩華(タカハシサヤカ)だ。初優勝も遠くないと感じさせるほどショットが安定している。
東京オリンピック銀メダリストであり、その後も6戦中2勝と快進撃が続いている稲見萌寧。これで今季(2020-2021)は8勝となり、賞金女王レースもリードしている。
一方で、稲見のパーオン率、トータルドライビング、ボールストライキングと大差ないのが一学年上(黄金世代)の植竹希望(ウエタケノゾミ)と高橋彩華(タカハシサヤカ)だ。初優勝も遠くないと感じさせるほどショットが安定している。
ボールストライキングが1位ということからも分かるように、ショット力が稲見と同水準といえる植竹のスイングテンポは速く、まるで男子選手のようだ。切り返し後の腕とクラブの角度が深く“タメ”を大きくし、インパクトで効率よくクラブヘッドを加速させている。
また、飛球線よりも左を指すレイドオフのトップオブスイングからインパクト前後で低い位置を通る手の動きが秀逸。これによりヘッド軌道やフェースの向きなど、クラブの挙動が安定しやすくなる。
9月17日~19日に開催された住友生命Vitalityレディス東海クラシックでは、首位に並んで迎えた最終日の最終ホールでティーショットを池に入れダブルボギーとなったため、惜しくも2位タイに。その前週、前々週の2試合で3位タイと4位だったことからも、現時点では初優勝に最も近い選手と言えるのではないだろうか。
今季現時点で41試合を戦い、トップ10が16回(4位)、予選落ちが4回(棄権1回除く)の高橋は高いショット力を武器に安定した成績を残している。だが、70.3502で2位の予選ラウンド平均ストロークに対して、決勝ラウンド平均ストロークは71.8695で37位ということから、優勝するには決勝ラウンドでの戦い方が重要なポイントになると思われる。
もとよりシャフトクロスの度合いが大きかった高橋は、トップオブスイングで左手を手のひら側に折る「掌屈」を取り入れたことにより方向精度が向上した。稲見も指導している奥嶋誠昭コーチは、高橋のショットは稲見より曲がらないと評している。
2016年にはプロ入り前の畑岡奈紗(約3か月後の日本女子オープン、アマチュアで優勝)を振り切り日本女子アマチュアゴルフ選手権を制した高橋が、花開くのはそう遠くないのではないだろうか。
ショット力は申し分ない植竹と高橋の現時点でパットのスタッツは下位だ。パーオン率が高い場合、パット数が増えるのはやむをえないが、少しでも向上させることができれば初優勝も近づくだろう。
同じく黄金世代の畑岡、渋野日向子、原英莉花、小祝さくら、勝みなみ、大里桃子らとともに、日本女子プロゴルフ界を引っ張っていく存在にもなり得る植竹と高橋。引き続きこの2人に注目していきたい。
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