元世界ランキング1位、メジャー4勝
1989年生まれのロリー・マキロイは、北アイルランド代表として東京オリンピックに出場。若い時からタイガー・ウッズ2世と言われるなど、プロゴルフ界を引っ張っていくべき選手と評価され、期待に応える活躍を続けている。
これまで米ツアー19勝、欧ツアー14勝、メジャー4勝。初めて世界ランキング1位になったのは2012年3月で、22歳10カ月での世界ランキング1位到達は、21歳5カ月のタイガー・ウッズに次ぐ史上2番目の年少記録となった。
2020年の2月に5年ぶりに世界ランキング1位に返り咲き7月まで1位をキープ。通算の世界ランキング1位在位期間は、タイガー・ウッズ、グレッグ・ノーマンに次ぐ3位となっている。
毎年上位に入る飛距離
身長175センチと決して体格に恵まれているわけではないが、世界トップレベルの飛距離を誇る。米ツアーでのドライビングディスタンスは毎年上位に入り、今季は現時点で2位。SG:オフザティーも毎年トップ10に入り、今季は現時点で8位となっている。
ピタッと止まるフィニッシュ
飛距離が秀でている理由の一つとして挙げられるのが、バランスの良いフィニッシュだ。
ツアー選手でもフィニッシュのとり方は様々で、フィニッシュで静止する選手もいれば、フィニッシュまで振り抜いたらすぐほどいて次の動作に入る選手もいる。マキロイは前者の部類で、その中でもひときわピタッと止まるフィニッシュをしている。まるで映像を一時停止したかのようだ。
このフィニッシュを可能にしているのが、体幹の強さ。クラブを速く振るだけでなく、そのクラブの遠心力にスイングバランスを崩されない強靭な体の強さだ。この強さがあることで、打点が安定して、ロスなくボールに力を伝えることができる。
また、ドライバーショットのヘッドスピードのランキングは、ドライビングディスタンスほど上位に入っていない。つまり、ヘッドスピードが速いのはもちろんだが、それ以上にインパクトで効率よくボールに力を伝えることで、世界トップレベルのドライバーショットの飛距離や精度を得ていると言える。
ぶれないフィニッシュがぶれないインパクトを生んでいるのだ。
デシャンボーの飛距離への対抗をやめて復調
圧倒的な飛距離で2020年の全米オープンを制したブライソン・デシャンボーの飛距離に対抗すべく、ヘッドスピードを上げる取り組みをしたマキロイ。これから米ツアーやメジャーで戦う上で飛距離のアドバンテージを得られなくなるのではないか、という危機感を感じたのだろう。
その取り組みによってスイングを崩し、一時期成績を落としていた。だが、新しいスイングコーチやメンタルコーチに師事するなどして、自分本来のゴルフを取り戻し、5月のウェルズファーゴ選手権で1年半ぶりに優勝した。
東京オリンピックでは3日目を終え、トップと3打差の5位タイにつけている。本日の最終日もマキロイらしいビッグドライブでメダル獲得となるか注目だ。
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