フットサルとはどんなスポーツ?
フットサルは、スペイン語の「fútbol(サッカー)」と「salón(室内)」が合わさった言葉。英語ではサロンフットボールと呼ばれることもあります。文字通り、室内で行われるサッカーのことですが、おなじみの11人制サッカーとは異なる点の多いスポーツです。
選手数は5名、ピッチは最大でも縦42m横25m、試合時間も20分ハーフの40分なので、11人制と比べると半分以下の規模です。そのため、フットサルでは持久力よりも瞬発力が求められます。
また狭い場所でボールをつなぎ、幅3mしかないゴールにシュートを決めないといけないため、非常に正確で高度な技術が必要となります。個人技の優れた選手の多いブラジルがフットサル界で最強の地位をしめているのも、ブラジル人選手の多くが、幼少期からフットサルやストリートサッカーで技術を磨くからだといわれています。
フットサルのメリット1~トラップやパスなどの基本技術が磨かれる
フットサルのピッチは、11人制と比べると非常にコンパクト。競技者の数はキーパー含めて5人ですが、それでも相手との距離が近いので、悠長にパス回しをしているとすぐに奪われてしまいます。
そのため、フットサルでは、味方の足元へ正確で速いパスを出すことが欠かせません。パスを受ける側も、ボールをぴたりと止めるトラップの技術が必要となります。
また空きスペースが少ないことから、ドリブルでゴールを目指す戦術も多用されます。フットサル出身のサッカー選手に名ドリブラーが多いのは当然といえるでしょう。
このように、11人制サッカーの選手を目指す子供が、フットサルをプレーすることには大きなメリットがあります。
フットサルのメリット2~両足を均等に鍛えられる
サッカー経験者なら誰もが悩むことの一つに「逆足をどうやったら上手く使えるようになるか」があります。
たとえば右足が利き足の選手でも、常に右足だけでプレイできるわけではありません。状況によっては逆足、つまり左足で逆サイドの味方に正確なロングパスをしなければいけない場面もあります。そのようなときにミスキックをすると、相手選手にインターセプトされ、カウンターを受けるきっかけともなりかねません。
フットサルでは少ない面積と選手数という制約があるため、ピッチ全体を縦横に使いこなす必要があります。利き足がどちらかなど一切関係なく、両足を頻繁に使うことになるので、両足とも技術が向上します。フットサルをプレーすることで、そのままフットサルをプレーする人はもちろん、11人制サッカーに移った場合でも、両足同じくらい高い技術でボールを蹴られるようになれる、そんな利点もあります。
フットサルのメリット3~素早い動きと判断力が身につく
フットサルは相手選手との距離が非常に短いため、なかなかロングパスを多用するのが難しい競技です。そのため、どうしてもドリブルや短いパスを積み重ねることになります。
また相手選手がボールを奪いにくるまでの時間も短いため、ボールをキープしている選手は、次の展開を瞬時に判断してプレイに移すことが求められます。
このように、フットサルではプレイに制約が多い競技であるため、選手は俊敏な動きと冷静で素早い判断力が身につくのです。この能力は、フィールドの大きな11人制サッカーに移った場合でも大きな武器となります。
日本フットサルユース界の現状は?
サッカーに比べればまだまだ少ないですが、フットサルのユースチームも全国に広がりつつあります。
日本フットサルリーグに所属するプロ・セミプロチームのユースチームだけでなく、高校のフットサルチームや地方のアマチュアチームのなかにも実力のあるチームが多くあり、全日本のユース代表にも全国のプロ・アマチームから選手が選抜されています。
フットサルと11人制サッカーでは、戦術や技術の面で違いがあることから、自らの総合力をあげる目的で11人制サッカーと併行してフットサルに打ち込む選手も増えてきています。
また、フットサルは11人制サッカーよりも気軽に始めやすい競技なので、小学低学年のうちはフットサルで技術を磨き、高学年になったら本格的にサッカーを始めるというルートも、今後ますます増えていくことでしょう。
まとめ
子供がフットサルを練習するメリットについてご紹介しました。ピッチの面積やゴールの大きさ、選手間の距離などさまざまな制約が多いフットサルでは、攻守ともに高い個人技が求められます。
子供時代にフットサルに打ち込むことは、そのままフットサルでトップ選手を目指す人も、将来サッカー選手として活躍したい人にもメリットが多いことだといえるでしょう。