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女子中学生レーサーJuju、来季からデンマークF4に参戦

2019 11/11 13:03SPAIA編集部
FORMURA UNDER17&SENIOR年間最優秀を獲得したJujuⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

FORMURA UNDER17&SENIOR最終戦、クラスコースレコードで優勝

13歳のプロレーサーJujuこと野田樹潤が、11月9日に岡山国際サーキット場で開催されたFORMURA UNDER17&SENIOR最終戦に出場し、F3Nクラスコースレコードを上回る1分24秒725で優勝した。

予選では、レッドフラッグで中断されながらも自己ベストを更新し、ポールポジションを獲得していた。

レース後にはFORMURA UNDER17&SENIOR年間最優秀表彰も行われ、Jujuは年間最優秀も獲得。Juju(10×10)にちなんだ100本のバラの花束とトロフィーが贈られた。

来年はデンマークで公式戦参戦

Jujuは来季からデンマークで開催されている「F4 Danish Championship(デニッシュF4チャンピオンシップ)」全24大会への出場を発表しており、今回のレースが国内最終戦となる。

デニッシュF4チャンピオンシップは、F3につながるエントリーカテゴリーとして国際自動車連盟(FIA)が提唱したF4カテゴリーのシリーズの一つでFIA-F4の国際規格に基づくレース。2014年に創設されたイタリアシリーズを筆頭に日本、イギリスなど世界28か国で開催されている。

参加選手の年齢制限は各国ごとに異なっており、来年2月で14歳になる野田は、14歳以上から参加可能なデンマークに主戦場を移す。14歳でのフォーミュラ・カーレース参戦は男女で日本人史上最年少となる。

2019年の「F4 Danish Championship」は、デンマーク国内とノルウェー合わせて4か所のサーキットを舞台に24戦が行われ、14名のドライバー(うち女性ドライバー2名)が出場している。

試合後に発表された来季の計画によると、参戦するチームは日本国内と同じ「NODA Racing」でデンマークのオーフスが拠点。体制は父親であり監督の野田英樹以下、U17、全日本F3と同一のメンバー。車両は、「Mygale」製のシャシーに、「ルノー製」2リッターエンジンを搭載、ピレリ製タイヤによるワンメーク。

Jujuは2019年12月まで岡山国際サーキットなどでF4車両によるトレーニング行い、2020年1月にデンマーク入り、テスト走行を重ね4月の開幕戦に備える。

Jujuコメント

レースを始めたのが3歳、プロのレーシングドライバーになると決意したのが5歳の時でした。

これまでにキッズカートでのチャンピオンや、本当は大人しか出場できないカテゴリーで優勝(賞典外)もでき、そして何よりも将来の目標を目指して、上のクラスのマシンにも乗って日々の練習を繰り返してきました。その結果、9歳の時にF4マシンに乗ることができ、10歳でF3マシンでフォーミュラーU17でレース活動をできるようになりました。

これもご支援をいただきましたT-Point様やミキハウス様を始めとするスポンサー、メディア、岡山国際サーキット、U17の参加者、いつも応援してくださっているファン、NODA Racingのメカニックやスタッフ、友人、家族、学校、たくさんの皆さんの支えがあったからこそです。

今季でU17の参戦は卒業となります。これまで本当にありがとうございました。伝えきれないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、来年からまた新しい挑戦が始まります。

レース後の取材に応えるJujuⒸSPAIA

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今は期待と不安が入り混じっています。参戦するデンマークF4選手権は、3オフィシャルテスト走行と8大会24レース。これまでとは比べものにならないほどのハードなスケジュールになりますが、大好きなレースにこの年齢でも沢山出させてもらえる国に行けることがとても楽しみです。

初めての国で、速くて若いドライバー達が競い合っている選手権ですので苦戦する場面もあると覚悟しています。でも、私のことを分かってくれる父との約束「負けても負けても諦めない」という気持ちを胸に、精一杯自分らしく走り、一歩一歩前進することで最終的には必ず勝ち上がって、皆さんの期待に応えたいと思っています。

そして私の活動が、少しでも後に続く人たちの夢や目標、勇気となり、世の中の皆さんに感動をお伝えできる事になると嬉しいです。

野田英樹監督コメント

これまで Jujuのチャレンジに共感し、ご支援を承っております ミキハウス、T-Point様始め協賛各社、彼女の活動を世界に発信してくださっているメディア各位、いつも温かく声援を送ってくださるファンの皆様に御礼いたします。

このフォーミュラーU17を通してJuju は多くを学び、大きく成長しました。このレースイベント自体が今後も継続していく事でJujuに続く夢を持ったドライバーが誕生してくれる事であろうと期待しております。 加えてモータースポーツファンのシニア層が楽しめるイベントとしても発展を遂げてほしいと願っております。

レース後の取材に応える野田英樹監督

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2020年Jujuは、ヨーロッパというステージで、デンマークF4選手権にチャレンジします。

これまでは年齢が規定に満たないという理由で、走る場所やレースなど限られた条件の中でのレースでした。来シーズンは環境が大きく異なる中で、年間を通じて多くのレースに参戦することになるため、前半戦はとにかく悔しく辛いチャレンジが続くことも予想されます。しかし、Juju持ち前の強い決意とドライバーとしての才能は、疑う余地はありません。

必ずひとつひとつ壁を乗り越える事でしょう。なぜなら「負けても負けても諦めない」からです。NODA Racing監督として、Jujuを精一杯サポートをし、Jujuの才能をさらに引き出し、勝利をつかみたいと思います。 父親として3歳でレース活動を始めたJujuがこのように成長してくれたことに対してこれほど幸せなことはありません。また、レースを通して親子のコミュニケーションを図ってこられたことも幸せなことだったと思います。

Jujuの実力と年齢から言って、私自身が何かをできるのもあと少しの限られた時間になってきたと思います。だからこそ、悔いのないよう精一杯本気で夢の後押しをしたいと思います。 ぜひ大きな可能性を秘めたJujuをこれまで通り温かい目で見守り、応援してください。

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