レーシングシミュレーター「LAPS」とは?
ⒸSPAIA
―これは何ですか?
レーシングシミュレーターですね。元はプロのレーシングドライバーを鍛えるためのものです。これを作ろうとしたきっかけは、7、8年前に当時イギリスで所属していたチームのファクトリーにこういうシミュレーターがあったのですが、正直ローテクなもので…。何の練習もできないので、これなら自分で作った方がいいと思い、半年後、日本に帰ってきて見よう見真似でやってみました。
最初は自分の練習用だったのですが、やり始めて2年後にGLM株式会社の小間代表から「グランフロントでトミーカイラZZを置くからシミュレーターも置いていいよ」と言ってもらい、1台置かせてもらったらお客さんの列ができて、一般的にも需要があるのだと思い、ちゃんと店としてやろうと思いました。
―そのお店が拡大して行ったのですか?
別のブランドですが、心斎橋や梅田など5店舗くらい出店しましたね。ただ、通りすがりの人が経験して、もう来ないということは私のやりたいこととは違いまして。もっと一人に時間をかけてドライビングを教えたい。この方針が合う人たちと、今あるこの「LAPS」を作りました。
ⒸSPAIA
―ここで実際にLAPSを使って、どのようなことをされているのですか?
ここでやっているのは細かいレーシングテクニックを、初級から超応用編まで教えています。プロのレーサーも来てくれます。金額はプロを目指す人であれ、プロのレーサーでも一緒です。
この店が出来て1年ちょいですが、LAPSを体験した小中学生の子でレースを始めた子が数名います。
―このLAPS以外で、シミュレーターを作っているところは日本でもあるのですか?
はい。古くからメーカーとしてされているところもありますし、ここ最近では個人でフレームを組んだりする方も増えた気がします。皆さん、それぞれ独自のアイディアや知恵を絞って作られています。「これが良い!」とかではなく、それぞれ乗り味やフィーリングが違っていて面白いです。クルマに個性があるようにシミュレーターにも個性があります。だから、いろんなシミュレーターに乗ってほしいです。
―白石さんのシミュレーターの個性は?
まず、ウチのシミュレーターで最も大事にしているのが“ドライビングポジション”です。フォーム(姿勢)が違うと力の入れ方や使う筋肉まで違ってくるので、非常に重要なポイントです。このように、私たちのシミュレーターは、フレームやハンドルの傾き、距離を変えられるように作られていて、そのクルマと同じポジションや姿勢でドライビングできます。