今季3度目の優勝なるか?ホームレースで好成績を狙うホンダ勢
F1復帰5年目でついに表彰台の真ん中に立ち、今やトップ3の一角として活躍するホンダ。そんなホンダが母国に帰ってきた!
昨年トロロッソ・ホンダとして凱旋したホンダは、F1復帰後に苦戦を強いられてきた鈴鹿で、今後に期待を抱かせるパフォーマンスをみせた。レースでは惜しくも入賞とはならなかったが、予選で6位と7位を獲得し、サーキットに駆けつけたファンを喜ばせた。
今年はトロロッソだけではなく、レッドブルとも組んでシーズンを戦っており、開幕戦から表彰台を獲得し、オーストリア、ドイツで優勝するなど着実に成績を向上させている。
トップ3の一角・レッドブル
王者メルセデス、そしてここ数戦勢いを取り戻しつつあるフェラーリと厳しい戦いを強いられるであろうレッドブル・ホンダだが、鈴鹿で勝つ可能性は少なくない。
レッドブルはもともと中高速コーナーを得意としており、過去のレースでも強さをみせている。セバスチャン・ベッテルがレッドブルでF1を席巻していた頃、2009年と2010年、2012年、2013年に鈴鹿を制しており、レッドブルのマシンの特徴は鈴鹿に合っているといえる。
ただ、レッドブルはこれまで直線スピードに課題があり、直線で速いフェラーリやチャンピオンチームであるメルセデスに若干の遅れをとっていた。そこへ、今年は進化したホンダPUを搭載してネガティヴな要素が少なくなった。しかも、鈴鹿のストレートはそれほど長くなく中高速コーナーが多い。鈴鹿は、直線スピードが改善して中高速コーナーに強いレッドブルと相性が良いサーキットなのだ。
レッドブルのエースであるマックス・フェルスタッペンは、直近のレースで好調なフェラーリが有利と認めつつも、心の底から鈴鹿で優勝したいと語る。世界最高のサーキットのひとつ鈴鹿で、2位、3位は獲得した経験はあるが優勝はまだない。なおかつ、今年はホンダのドライバーということもあり、鈴鹿での優勝を改めて誓った。
チームメイトのアレクサンダー・アルボンは鈴鹿で走るのは初めてだが、憧れの鈴鹿でのレースを心待ちにしている。シーズン前半にトロロッソ、そしてレッドブルに昇格してからも力強いパフォーマンスをみせており、特に前戦のロシアではピットレーンスタートから5位入賞を果たした。予選順位がよければアルボンも上位バトルに食い込んでくるだろう。
ホンダとタッグ2年目のトロロッソ
ホンダとタッグを組んで2年目となるトロロッソも日本GPに気合が入っている。
ダニール・クビアトは、鈴鹿での最高成績が2014年の11位と結果を残せていないが、本人は鈴鹿が大好き。F1に復帰した今シーズンは3位表彰台を含む好成績を残している。
チームメイトのピエール・ガスリーは、前半戦レッドブルで戦うも不運やマシンとのマッチングに苦しみ、トロロッソに降格した。しかし昨年乗っていたトロロッソとの相性が良く、後半戦の走りは乗れているようにみえる。F1にステップアップする前にSUPER FORMULAで戦った、思い入れのある鈴鹿での力強いパフォーマンスに期待したい。
日本のエースがF1を駆る!山本尚貴がF1出走
「日本のサーキットで、日本人が、日本のPUを搭載したマシンに乗る」というビッグニュースが舞い込んだ。山本尚貴が、フリー走行1に出走する。ピエール・ガスリーに代わり、トロロッソのステアリングを握る。
SUPER GT、SUPER FORMULAという日本の2大トップカテゴリーを制した山本は、F1に必要なスーパーライセンスの発給条件をクリアしたが、31歳という年齢などF1への昇格はかなり厳しいものだった。そこへ、ホンダ、レッドブル、トロロッソ関係者の尽力により、なんと地元の日本、それも勝手知ったる鈴鹿でF1に乗るチャンスを手に入れたのだ。
多くの人の努力により与えられたチャンス。様々な意見がある中でも、自分の思いに正直になって「思い切りやらせて下さい!」と山本はSNSで意気込みを語った。
フリー走行1回目(11日金曜10時~)、わずか90分間の走りで、今後F1ドライバーになれるかどうかが決まる。レベルが高い日本のトップカテゴリーをダブルで制した日本のエースは、きっと、F1にふさわしいドライバーであることを証明してくれるだろう。今回の結果が来年につながってほしいと切に願う。